説明文の表現よみ指導          2012・02・29記





  
音声表現への手順と留意事項




  
「上手に読もう」より「意味内容を正しく伝えよう」を


 「上手に読もう」をめざすより、「意味内容を正しく伝えよう」を目標に
して音声表現させましょう。文字を音にするのでなく、文章内容を声に出そ
うと努力させましょう。説明文では特に意味内容の論理的な筋道を聞き手に
分かりやすく伝えるように音声表現させましょう。
  「間違えないで読もう、トチらないで読もう、格好よく読もう」を意識
して音声表現しようとすると、うわっつらだけの、文字づらだけを音にする
読み方になってしまいます。意味内容とかかわりのない形だけの読み方は、
へんな読み節がついたり、嫌味に聞こえたりもします。へんな読み癖や、余
計な読み調子がついた、空疎な読み方になってしまいます。
  トチってもよいから、文章の中身を声に出して音声表現させるようにし
ます。文章の中身を音声に出すためのトチリなら大いにけっこうです。文章
の中身を声に出して音声表現しようとすれば、読み声の流れにとまどいが起
こったり、ためらいの間が出てきたり、トチったりすることは当然に出てき
ます。そうしたトチリや戸惑いの間が出ることは歓迎すべきことなのです。
  文章の音声表現で重要なことは、内容理解の深まりです。文章内容の理
解度が高まれば、音声表現の仕方が文章内容にそって自然と声に出るように
なってきます。
  何はともあれ、文章内容の解釈深めの指導が第一です。そうすると、意
味内容のもつリズムに自分の呼吸が合致するようになってきます。文章内容
に呼吸を合わせて読めるようになってきます。文章内容のリズムが読み手の
呼吸のリズムと合致させる、これができれば、すてきな音声表現になります。



      
一般的な音声表現の手順


  以下に説明文の音声表現していく段取り・手順を(ステップ1)から
(ステップ8)まで書いています。音声表現に至るまでの手順です。一般的
な手順です。いつも、この順序と手続きをふんで音声表現していくというこ
とではありません。
  飛び級にしてよいのです。必要なステップ段階だけを踏んで、あとは省
略してかまいません。すべてをカットし、たちどころにすばらしい音声表現
ができればいいですね。これが理想の音声表現の手順です。文章をさっと読
んだだけで、すばらしい表現よみができる子をめざしています。ここに書い
てある8つのステップは、あらいざらいに手順を出してみるとこう言えると
いうだけのことです。


【ステップ1】

  筆者は、この文章で、何を言いたいか、何を伝えたいか、何を訴えたい
か、をつかみます。文章全体は、何について、どんな事柄について語ってい
るか、伝達意図、何をどうしたい、を大づかみにつかみます。


【ステップ2】

  大ざっぱに筆者の表現意図をつかんだら、全文章はどんな組み立てにな
っているか、文章構成をつかみます。全文章が、どう構成され、どう組み立
てられているかをつかみます。どの段落とどの段落はひとまとまりにつなが
っているか、どこで切れているか。段落のかたまりやつながり方や流れ・組
み立てがどうであるか、大きな区切りはどこにあるか、どこをつなげて読み
すすむか、を調べます。


【ステップ3】

  説明文は文章内容の性格上、筆者の思い・発想・伝達意図を強調して音
声表現する個所が多くあります。それぞれの段落内でのキーワードやキーセ
ンテンスを探ります。どれが重要な語句や文であり、どこを・どんな思いで
強調(際立て)して読み、どこを軽く流して読み進めていくかを調べます。


【ステップ4】

  文の連なりのかたまり感を出して音声表現することが大切です。ひとか
たまりに文が連続している個所や、ひとまとまりに組み合わさった段落個所
はどこかを調べます。どこで大きく区切り、間をあけて読むか、どこをひと
つづきにつなげて読むか、を調べます。どことどこを区切って読むか、大き
な区切り、小さな区切りを調べます。どれぐらいの間をあけて読むかを調べ
ます。


【ステップ5】

  メリハリづけ個所を調べます。強調個所は既に(ステップ3)で調べて
います。他にメリハリをつける文章個所を調べます。速く読むところ、ゆっ
くり読むところ、軽く読むところ、重く読むところ、声量変化、強弱変化、
上げ下げのつけ方、全体の雰囲気・調子・音調などを調べます。文章そばに
音読記号を付けたりもします。固有名詞、数字、新たな情報は大切(強調)
にして読みます。


【ステップ6】

  実際に声を出して読んでみます。微音読や小声で下読みをします。筆者
の論運びのリズムに合うように下調べをします。【ステップ5】の修正をし
たりもします。言いにくい発音・単語・語句はないかを調べます。十分な息
づかいで読めるように、センテンスの途中で息が苦しくなるところがないか、
などを調べます。区切り個所の修正をしたりもします。論理的力点の強調を
どれぐらいの強さにするかを調べます。


【ステップ7】

  通常の声の大きさの声にして読みます。文章内容からして、説明文では
どう
しても、筆者が特段に主張し強調してる文章個所を強調して読む個所が多く
なります。意味内容の大事なところは際立てて読みます。
  筆者の伝達意図を第一に、伝達意図をどう押し出して音声表現するか。
文章全体をどう流していくか、どこを立てる(強調する)か、どこを落とす
か、どこを軽く流すか、どこを「聞きとれればいい」に程度にさらっと流し
て読みすすめていくか、を考えます。音声表現のメリハリをいろいろと変化
させ、繰り返して試みて、一番ピッタリしたメリハリを選択します。


【ステップ8】

  筆者の主張内容が聞き手(聴衆)に分かりやすく伝わるにはどう音声表
現すればよいか、工夫すればよいか、を調べます。ひとつながりで読む個
所、間をあけて区切る個所に気をつけます。意味内容を声にのせようと意識
して、筆者の「伝えたい思い、熱情」をいつも忘れないようにして読み進め
ます。
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