本稿の目次 2018・07・03記 第3節 副助詞の音声練習のしかた 副助詞の音声練習(その1)をしよう 副助詞の音声練習(その2)をしよう 副助詞の音声練習(その3)をしよう 第4節 感動詞の音声表現のしかた 感動詞の音声練習(その1)をしよう 感動詞の音声練習(その2)をしよう 第3節 副助詞の音声表現のしかた 副助詞には「は、も、でも、こそ、さえ、まで、ずつ、しか、だけ、きり、 ばかり、ほど、くらい、など、やら、だって、なり、か、きり、ほか」など があります。 副助詞は、種々の言葉の下について、上の言葉をとりたてて強調する働き があります。「とりたて詞」とも呼ばれることがあります。音声表現のとき は、「とりたてる働き」つまり目立たせた強調音声になることが多いです。 副助詞とか副詞とかは、語り手の判断、態度、気持ち、立場を表明してい る言葉です。語り手の主観的な判断で価値づけている言葉です。語り手が、 とりたてている事柄について特別な思い入れを込めて語っている言葉です。 文章内容によっては、かなり強い音声表情になることもあります。 もちろん強調音声にならない場合もあります。平らにすんなりと読む場合 もあります。文章内容によってさまざまです。 副助詞を赤字にしてあります。赤字個所を目立たせて読んでみましょう。 意味内容によっては、他の個所も強調した音声表現になることがあります。 (例文1)弟がいくら謝っても、わたしは許すことができません。 (例文1)の音声表現では、「いくら」「ても」「は」「でしょう」に力点 をおいた読み方になるのが通常といえます。 (例文2)雨さえあがれば、すぐ始められるのだがなあ。 (例文2)の音声表現では、「さえ」「すぐ」「なあ」に力点をおいた読み 方になるのが通常といえます。 副助詞の音声練習(その1)をしよう (練習文1)コーヒーは好きだが、紅茶は嫌いです。 (練習文2)おじいさんは山へしばかりに、おばあさんは川へせんたくに 行きました。 (練習文3)ぼくは、まだ富士山には登ったことがありません。 (練習文4)わたしは、それについては、よくは知りません。 (練習文5)弟は公園に遊びに行ったきり、まだ帰って来ていません。 (練習文6)来るのやら、来ないのやら、さっぱり分かりません。 (練習文7)そんなことを言っても、うそにしか思えません。 (練習文8)これは、犬や猫でさえ食べません。 (練習文9)付き合えば付き合うほど、いい男です。 (練習文10)冷たーい。手の感覚がなくなるほどだ。 副助詞の音声練習(その2)をしよう (練習文1)あなただけには、そっと教えてあげよう。 (練習文2)食べるものといえば、おいもやかぼちゃしかありませんでした。 (練習文3)ごんぎつねは、あたりの村へ出てきて、いたずらばかりしまし た。 (練習文4)ぼくは、字もへただし、絵もへただし、鉄棒もへたです。 (練習文5)しかることも、ほめることも、しない親は、育て上手とは言え ません。 (練習文6)戦争中には、石油も石炭もなくなって、バスやトラックを炭で 動かしたほどでした。 (練習文7)斎藤君、さっきから窓の外ばかり見ているが、何を見ているの かね。 (練習文8)こんな片田舎の村にまで、新しい時代の波がおしよせてきた。 (練習文9)花子さんはちょっと風邪をひいただけで、すぐ学校を休みます。 (練習文10)こんな場所でみどりさんとお会いできるなど(なんて)考え てもみませんでした。 副助詞の音声練習(その3)をしよう (練習文1)たかし君は、ひまさえあれば公園でサッカーをして遊んでいる。 (練習文2)君はいつも生返事しかしないが、そのわけは何かね。いいかげ んにしなさいよ。 (練習文3)新しい発見や出会いが増えれば増えるだけ、困ったことにも、 うれしいことにも、出会うようになります。 (練習文4)今日は一日中、雨が降りそうだ。ビデオでも見ながらゆっく りと過ごそう。 (練習文5)貧乏くさい顔こそしているが、彼は大会社の社長さんです。 (練習文6)同じ事態でも、見方を変えるだけで、別の一面を見せてくれま る。 (練習文7)こんどこそ、がんばります。 (練習文8)ふだんから用心していたからこそ、今日になっても困らないで す。 (練習文9)君のためを思えばこそ、言いにくいことも言っているのです。 (練習文10)父は東京へ働きに行ったきり、三年間も連絡がこなかった。 第4節 感動詞の音声表現のしかた 感動詞は、さけび、呼びかけ、うけこたえ、あいさつなど、語り手の気持 ちを直接的に短い言葉で言い表している言葉です。 【さけび】 おや、えっ、あっ、おっと、まあ、よいしょ、こらしょ、 【呼びかけ】 おい、ちょっと、おうい、ねえ、こら、もしもし、 【うけこたえ】はい、いいえ、うん、まあ、ええ、 【あいさつ】 おはよう、こんばんは、さようなら、いらっしゃい、 感動詞も、モダリティを表現しています。語り手の発話時の心的態度、主 観的な言表態度を表現しています。 感動詞は、語り手の気持ちを短い言葉でズバリと表現しています。 語り手が社会的事象に対していだいた感情的評価的な心理反応を短い言葉に 凝縮して表現している言葉です。短い言葉で、表情豊かに音声表現される言 葉です。 感動詞の音声表現のしかたは、感動詞だけでなく、前後の文章と随伴して、 それらと響き合って表現されます。発話される前後の文章の言いぶりの語勢 や抑揚や強弱や緩急などの音声変化と響き合って表現されます。その場面の リアルさがありありと迫真的に表現されるように音声表現してみましょう。 次の練習文を表現よみしてみよう。感動詞だけでなく、同時に発話される 文全体を、ちょっと大げさぐらいの抑揚にして、少しオーバー気味に表現す るぐらいでいいかもね。 感動詞の音声練習(その1)をしよう (練習文1)ああ、つかれた。 (練習文2)おお、寒いですね。 (練習文3)おや、へんだぞ。 (練習文4)えっ、これは驚いた。 (練習文5)おっと、あぶない、あぶない。 (練習文6)まあ、かわいい赤ちゃんだこと。 (練習文7)おい、君はどこへ行くの? (練習文8)こら、君らは、そこで、何をしてるかね。 (練習文9)あっ、火事だ、火事だ。 (練習文10)あれっ、道をまちがえたみたいだ。 (練習文11)おうい、そこの人。忘れ物ですよ。 (練習文12)もしもし もしもし おかあさんですか。 (練習文13)はい はい おかあさんですよ。 感動詞の音声練習(その2)をしよう (練習文1)おい、あそこに、へんなものが見えるよ。 (練習文2)まあ、そんなにおこらないでください。 (練習文3)おっと、足をふみはずすところだった。 (練習文4)ねえ、おいしいものを食べに行きませんか。 (練習文5)ありがとう、たいへんたすかりましたわ。 (練習文6)いいえ、ちがいます。 (練習文7)こんにちは、いいお天気ですね。 (練習文8)おはよう、いよいよ今日は、運動会だね。 (練習文9)さようなら、また、あした、遊ぼうね。 (練習文10)おや、まあ、どうしたの。元気がない顔をしてますね。 (練習文11)ねえ、いっしょに行こうよ。ねえ、行きましょうよ。 (練習文12)よいしょ、こらしょ、どこいしょ。重たいな。 |
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