本稿の目次            2018・09・13記
対比表現の音声練習のしかた
 対比表現とは
 対比表現の音声練習(その1)をしよう
 対比表現の音声練習(その2)をしよう






  
第18節
   対比表現の音声練習のしかた




対比表現とは


 対比表現とは、二つ以上のものをならべ合わせて、同一点や相違点を比
べ、それぞれの特性を明らかにしている文です。対比部分を、付き合わせて、
比べて、述べているいる文です。このような文の音声表現のしかたは、二つ
を付き合わせ、比べている思いをこめることです。例文で考えていこう。


次の文は、どのように音声表現すればよいでしょうか。
どんなことに気をつけて読めばよいでしょうか。

(例文1)
 
けれど、豆太のおとうだって、くまと組みうちして、頭をぶっさかれて
死んだほどのきもすけだったし、じさまだって、六十四の今、まだ青じしを
追っかけて、きもをひやすような岩から岩のとびうつりだって、見事にやっ
てのける。
                斎藤隆介「もちもちの木」

【音声表現のしかた】
豆太のおとうと、じさまを対比しています。おとうも、じさまも、すごく
勇気のある行動をした人だったとあります。二人の偉さの行動を、自慢して
いる気持ちをこめて音声表現します。二人の偉さの行動を浮き立たせつつ強
調して読みます。
「豆太のおとうだって、コレコレだ。」「じさまだって、コレコレだ」と、
豆太の弱虫と比べて、おとうとじさまの勇気ある行動を対比させ、際立てて
音声表現するようにします。赤字個所は、やや強めに読んで目立たせます。

 
けれど□、(豆太のおとうだって、くまと組みうちして、頭をぶっさか
れて死んだほどのきもすけだったし)□(
じさまだって、六十四の今、まだ
青じしを追っかけて、きもをひやすような岩から岩のとびうつりだって、

事に
やってのける)

 □は、そこでほんの軽く間をあけるしるしです。じさまと、おとうと、
二人の区切り個所で少しだけ間をあけます。おとうの文章部分をひとつなが
りに読み、じさまの文章部分もひとつながりに読みすすめます。「おとう」
と「じさま」の出だしをやや強めに読み出すとよい。
 「けれど」は逆接の接続詞です。「けれど」の「け」を強めの音にして
読み出し、前段落と意味内容が違っていることを転調した音調で示します。


(例文2)
 この地図は、わたしたちが学校などでよく目にするものである。日本が
真ん中に、東側に南北アメリカ、西側にアジア、ヨーロッパ、アフリカ、南
側にオーストラリアがある。

【音声表現のしかた】
 地図にあるそれぞれの国の位置の違いについて語っています。
日本を真ん中に置く。すると、東側に……だ、西側に……だ、南側に……
だと、それぞれ東側、西側、南側を付き合わせ比べています。「東側に……、
西側に……、南側に……」の区分けがはっきりと分かるように読むことが、
ここではとても重要です。

 この地図は、わたしたちが学校などでよく目にするものである。□□
日本真ん中に)□□(東側に南北アメリカ)□□(西側にアジア、ヨー
ロッパ、アフリカ)□□(
南側にオーストラリア)□がある。

 □の数は、間をあける時間の長さをしめしています。□の数が多いほど長
い間になります。(   )の中はひとつながりの読みます。
それぞれの間隔を□で区切っています。「日本」の「に」、「真ん中」の
「ま」、「東側」の「ひ」、「西側」の「に」、「南側」の「み」、の出だ
しの音を少しばかり強めに読み出すと対比していることがはっきりと声に
出るようになります。


(例文3)
 わたしたち人間の本当の不幸は、貧しいことや、病気や空腹で死ぬこと
ではない。本当に不幸なことは、貧しかったり病気だったりするために、だ
れからも相手にされないことだ。みんなから見捨てられて、さびしい思いに
追いやられることが、いちばんつらいことだ。そうテレサは考えたのです。

【音声表現のしかた】
 テレサが考えた「本当の不幸とは」について書いています。「本当の不
幸は、コレコレでない。本当に不幸なことは、コレコレである」という大枠
の区切りを大切にして読みます。二つの対比・区別を意識して音声表現しま
す。
 前者「本当の不幸は」、後者「本当に不幸なことは」の違いに注目しま
す。この二つは話題提示のリードことばですので、二つの「本当」を強めに
読み出します。特に後者「本当に不幸なことは」にはより一層の強めで読み
出して聞き手の意識を喚起します。
 また、「だれからも相手にされない」と「みんなから見捨てられて、さ
びしい思いに追いやられることが、いちばんつらい」に気持ちや思いをこめ
て読んでいくとよいでしょう。

 わたしたち人間の(
本当の不幸は、貧しいことや、病気や空腹で死ぬこ
ではない。)□□【(本当に不幸なことは、□貧しかったり病気だったり
するために、だれからも
相手にされないことだ。)□(みんなから見捨てら
れて、さびしい思いに追いやられることが、
いちばんつらいことだ)】の
ように音声表現していくとよいでしょう。「本当に不幸なことは」は、ゆっ
くりと読んで強調するという方法もあります。


(例文4)
 川には瀬とよばれる所と、淵とよばれる所があります。瀬は川の水が浅
く速く流れている所、淵は川の水が深くよどんでいる所のことです。

【音声表現のしかた】
 瀬と淵とをつき合わせて比較してます。瀬とはこれこれだ。淵とはこれ
これだ。瀬と淵とを、比較してるように区分けしながら読みすすめます。赤
字個所は、やや強めに読んで目立たせます。

(川には
とよばれる所と)□(とよばれる所があります。)□□(
川の水が浅く速く流れている所)□(
は川の水が深くよどんでいる所)の
ことです。


(例文5)
 いつもは、赤いさつまいもみたいな元気のいい顔が、今日はなんだかし
おれていました。               新美南吉「ごんぎつね」

【音声表現のしかた】
 ごんぎつねが、いつもと違う兵十の顔色の変化をよみとって語っていま
す。いつもは元気のいい顔、きょうはしおれている顔、と比べて語っていま
す。「いつも」と「きょう」の対照的な顔色の違いを、比べてるように読み
ます。
赤字個所は、やや強めに読むとよいでしょう。

 (
いつもは、赤いさつまいもみたいな元気のいい顔が、)□(今日は
んだかしおれていました。) 




   
対比表現の音声練習(その1)をしよう



【練習問題】


 次の文は、何と何とを比べていますか。
・ひとつながりに読むところにカッコを書き入れましょう。
・どんなことに気をつけて読めばよいですか。

(練習文1)
 おじいさんは山へしばかりに、おばあさんは川へせんたくに行きました。

(練習文2)
 右は絶壁、左は谷底、その細い山道をバスが通っていきます。

(練習文3)
 日本は、四季の変化にとむ美しい自然にめぐまれています。春には春の草
花のいろどりが、秋には秋の草花のにぎわいがあります。

(練習文4)
 学校の屋上から見ると、町のほとんどが見わたせます。北側には、鉄道が
とおり、駅と商店街があります。西側には、大きな川がながれています。東
側には、たくさん家が建っています。南側は、田んぼやはたけばかりです。

(練習文5)
赤色は、みる人を強くしげきし、真っ先に人目につく色である。青色は、
冷たく、すずしい感じがする色で、見る人の心に落ち着きを与える色である。
黄色は、明るく、広がっていく感じがする色で、ものをはっきり目立たせる
いろである。

(練習文6)
 ひよこは、いつもおかあさんのあとについて歩きます。おかあさんが右に
行けば右に行き、左に行けば左に行きます。

(練習文7)
 まっ白いけむりが、あるいは大きく、あるいは小さく、まるで大地が呼吸
しているようにふき出しています。


(練習文8)
 来るわ、来るわ、あっちからも、こっちからも、ぞろぞろやって来ます。

(練習文9)
 まんがのコマは、物語の展開に重要な役割を果たします。細かいコマや
小さなコマがくり返されると、物語のテンポが速まります。大きなコマや変
わった形のコマが入ると、場面の印象が強まります。

(練習文10)
 人と話をするときに、相手の目をじっと見るか、それほど見ないように
するかは、その文化あるいは習慣によってだいたい決まっているらしい。日
本では、話をしている相手をあまりじっと見つめるのは、特に相手が目上の
人の場合には失礼だとされる。ところが、ヨーロッパやアメリカでは、話す
ときには、相手の目をしっかり見るのが誠意を表す態度で、礼儀にかなった
ことであり、そうしないような人は信用できないとされるそうだ。


答え(一つの参考例です。このの通りでなくてもよいです。)
   二つの対比する文章個所に(  )をつけています。(一方はコレコ
   レ、他方はコレコレ)と、二つを区別しつつ、比べる思いをこめて読
   みましょう。太字個所は、やや強めに読んで目立たせるしるしです。
   また、二つの対比する言葉の出だし個所をやや強めに読み始めるのも
   一つの方法でしょう。

(練習文1)
 (
おじいさんは山へしばかりに)、(おばあさんは川へせんたくに)行き
ました。

(練習文2)
 (
右は絶壁)、(左は谷底)、その細い山道をバスが通っていきます。

(練習文3)
 日本は、四季の変化にとむ美しい自然にめぐまれています。(
春には春の
草花のいろどりが)、(
秋には秋の草花のにぎわいが)あります。

(練習文4)
 学校の屋上から見ると、町のほとんどが見わたせます。(
北側には、鉄道
がとおり、駅と商店街があります。) (
西側には、大きな川がながれてい
ます。) (
東側には、たくさん家が建っています。) (南側は、田んぼ
やはたけばかりです。)

(練習文5)
 (
赤色は、みる人を強くしげきし、真っ先に人目につく色である。)  
 (
青色は、冷たく、すずしい感じがする色で、見る人の心に落ち着きを与
 える色である。)
 (
黄色は、明るく、広がっていく感じがする色で、ものをはっきり目立た
 せるいろである。)

(練習文6)
 ひよこは、いつもおかあさんのあとについて歩きます。(おかあさんが

に行けば
右に行き、) (左に行けば左に行きます。)

(練習文7)
 まっ白いけむりが、(
あるいは大きく、) (あるいは小さく、) まる
で大地が呼吸しているようにふき出しています。


(練習文8)
 来るわ、来るわ、(
あっちからも)、(こっちからも)、ぞろぞろやって
来ます。

(練習文9)
 まんがのコマは、物語の展開に重要な役割を果たします。
 (
細かいコマや小さなコマがくり返されると、物語のテンポが速まりま
す。)
 (
大きなコマや変わった形のコマが入ると、場面の印象が強まります。)

(練習文10)
(人と話をするときに、相手の目をじっと見るか、それほど見ないように
するかは、その文化あるいは習慣によってだいたい決まっているらしい。)
日本では、話をしている相手をあまりじっと見つめるのは、特に相手が
目上の人の場合には失礼だとされる。)
 (
ところが、ヨーロッパやアメリカでは、話すときには、相手の目をしっ
かり見るのが誠意を表す態度で、礼儀にかなったことであり、そうしないよ
うな人は信用できないとされるそう
だ。)
 この文はあまり細かく区切って読むと、文全体の意味内容が分かりにく
くなります。(   )の中のひとまとまりは、ひとつながりに読みすすめ
ましょう。




  
対比表現の音声練習(その2)をしよう



【練習問題】


 次の文は、何と何とを比べていますか。
・ひとつながりに読むところにカッコを書き入れましょう。
・どんなことに気をつけて読めばよいですか。

(練習文1)
 ひらがな、かたかなは、音を表すだけで、決まった意味はない。これに対
して、漢字は一字一字が決まった意味を表している。

(練習文2)
 温室効果はなければ困るが、ありすぎても困る。温室効果がない火星はこ
おりついているし、温室効果がありすぎる金星は五百度以上の高熱状態で、
とても人間は住めない。

(練習文3)
 朝からばんまで、大工さんの家からは、かんなやかなづちの音がシュルシ
ュルトントンと、止むことがありません。一方、かじ屋さんの家も負けては
いません。真っ赤に焼けた鉄のかたまりを打つつちの音が、トンテカントン
テカンとひっきりなしに鳴り響きます。

(練習文4)
 歩道橋は、車を運転する人にとっては、横断歩道でいちいち停車せずにす
むので、大変に便利です。反面、道路を横断する人にとっては、安全ではあ
るが、いちいち階段を上り下りするしなければならないので大変に不便であ
る。

(練習文5)
 シオカラトンボやアカトンボなどの仲間の多くは、水面に尾をうちつけて
卵を産みます。一方、イトトンボやヤンマの仲間は、水草のくきや葉にくだ
をさしこみ、卵をうめこんで産みつけます。

(練習文6)
 お向かいのけんちゃんは、わけもなくぼくをぶつし、おすましのくみち
ゃんは、ぼくに会うたびに顔をしかめます。のら犬はうなって歯をむき出す
し、自動車は、タイヤをきしませて走っていきます。

(練習文7)
 最近になって、ゲンジボタルのおすが集団でまたたくときの光の間隔が、
東日本と西日本とではちがっていることが発見されました。西日本では約
二秒ですが、東日本では約四秒とのんびりしているのです。

(練習文8)
 ゲンジボタルは、はらの先たんに近いところが光りますが、あすとめす
とでは、その光の強さにちがいがあります。強く光り、つけたり消したりし
ながら飛び回っているのがおすです。一方、草や木の葉の上にじっととまっ
て、弱く光っているのは、たいていめすです。
 おすは、めすの弱い光を見つけると、飛びながら近づいてきます。そし
て、いちだんと明るく光をつけたり消したりします。すると、めすも、強い
光にまたたいて、おすにこたえます。

(練習文9)
 日本の米とインドの米とでは、形がちがうことに気づくでしょう。日本
の米は丸く、インドの米は細長い形をしています。
ちがうのは、形だけではありません。はしでつまんでみると、日本のご飯は
つまみやすいけれど、インドのご飯はつまみにくく、こぼれ落ちてしまい
ます。手でつまんでみると、日本のご飯はねばり気があり、手にくっつきま
すが、インドのご飯はさらさらして手につきません。
             森枝卓士「手で食べる、はしで食べる」
(練習文10)
 日本では、くらしの基本である「衣食住」のどれにも、「和」と「洋」
があり、「食」には和食と洋食があり、「住」には和室と洋室があります。
「和」は、伝統的な日本の文化にもつづくもので、「洋」は、主として欧
米の文化から取り入れたものを指します。
 和室は、ゆかにたたみをしいて仕上げ、あまり家具を置かないようにし
ます。一方、洋室は、板をはったり、カーペットをしいたりしてゆかを仕上
げ、いすを代表として、テーブル、ベットなど、部屋の目的に合わせた家具
を置きます。


答え(一つの参考例です。このの通りでなくてもよいです。)
   二つの対比する文章個所に(  )をつけています。(一方はコレコ
   レ、他方はコレコレ)と、二つを区別しつつ、比べる思いをこめて読
   みましょう。太字個所は、やや強めに読んで目立たせるしるしです。
   また、二つの対比する言葉の出だし個所をやや強めに読み始めるのも
   一つの方法でしょう。

(練習文1)
 (
ひらがな、かたかなは、音を表すだけで、決まった意味はない。)
 (
これに対して、漢字は一字一字が決まった意味を表している。)

(練習文2)
(温室効果は
なければ困るが、ありすぎても困る。)
(温室効果が
ない火星はこおりついているし)、
(温室効果が
ありすぎる金星は五百度以上の高熱状態で、とても人間は住め
ない。)

(練習文3)
 (朝からばんまで、
大工さんの家からは、かんなやかなづちの音がシュル
シュルトントンと、止むことがありません。)
 (
一方、かじ屋さんの家も負けてはいません。真っ赤に焼けた鉄のかたま
りを打つつちの音が、トンテカントンテカンとひっきりなしに鳴り響きま
す。)

(練習文4)
 (歩道橋は、)
 (
車を運転する人にとっては、横断歩道でいちいち停車せずにすむので、
 大変に便利です。)
 (
反面、道路を横断する人にとっては、安全ではあるが、いちいち階段を
 上り下りするしなければならないので大変に不便である。)

(練習文5)
 (
シオカラトンボやアカトンボなどの仲間の多くは、水面に尾をうちつけ
て卵を産みます。)
 (
一方、イトトンボやヤンマの仲間は、水草のくきや葉にくだをさしこみ、
卵をうめこんで産みつけます。)

(練習文6)
「けんちゃんは、こうだ。くみちゃんは、こうだ。のら犬は、こうだ。自
動車は、こうだ。」と、「ぼく」に対する態度について、四つをならべて、
比較しています。
【(お向かいの
けんちゃんは、わけもなくぼくをぶつし、)(おすましの
くみちゃんは、ぼくに会うたびに顔をしかめます。)】
【(
のら犬はうなって歯をむき出すし、)(自動車は、タイヤをきしませ
て走っていきます。)
 のように二つに区切るとよいでしょう。

(練習文7)
 最近になって、ゲンジボタルのおすが集団でまたたくときの光の間隔が、
東日本と西日本とではちがっていることが発見されました。
 (
西日本では約二秒ですが、)
 (
東日本では約四秒とのんびりしているのです。)

(練習文8)
 (
ゲンジボタルは、はらの先たんに近いところが光りますが、□ おす
とめすとでは
、その光の強さにちがいがあります。
 (
強く光り、つけたり消したりしながら飛び回っているのがおすです。)
 (一方、草や木の葉の上にじっととまって、
弱く光っているのは、たいて
いめすです。)
 (
おすは、めすの弱い光を見つけると、飛びながら近づいてきます。そし
て、いちだんと明るく光をつけたり消したりします。□ 
すると、めすも、
強い光にまたたいて
、おすにこたえます。)

(練習文9)
 日本の米とインドの米を比較しています。
「日本の米はコレコレだ、インドの米はコレコレだ」と、二項対立で比べ
ているように読み進めていきます。

日本の米インドの米とでは、形がちがうことに気づくでしょう。)
日本の米は丸く□、インドの米は細長い形をしています。)
(ちがうのは、形だけではありません。)
(はしでつまんでみると□、
日本のご飯はつまみやすいけれど□、インドの
ご飯は
つまみにくく、こぼれ落ちてしまいます。)
(手でつまんでみると□、
日本のご飯はねばり気があり、手にくっつきます
が□、
インドのご飯はさらさらして手につきません。)

(練習文10)
 音声表現のしかたは、(   )ごとに区切りつつ、意味内容がひとつ
ながりになるように読み進めます。赤字個所は、和と洋が対立する区別をは
っきりと伝えるため、やや強めの声の出だしにするとよいでしょう。「和」
の「わ」、「洋」の「よ」、「食」の「しょ」、「住」の「じゅ」など。

 (日本では、くらしの基本である
「衣食住」のどれにも、「和」と
「洋」があり、


「食」には和食と洋食があり、
 
「住」には和室と洋室があります。)

「和」は、伝統的な日本の文化にもつづくもので、
 
「洋」は、主として欧米の文化から取り入れたものを指します。)

 (
和室は、ゆかにたたみをしいて仕上げ、あまり家具を置かないようにし
ます。)
 (
一方、洋室は、板をはったり、カーペットをしいたりしてゆかを仕上げ、
いすを代表として、テーブル、ベットなど、部屋の目的に合わせた家具を置
きます。)



 
参考資料
 対比表現について修辞学的観点からは、次のようなことが言えると書い
てあります。
野内良三『レトリックのすすめ』(大修館、2007)からの引用です。

ーーーー引用開始ーーーー

 「対照」(対比)は、視点の取り方が鍵である。視点をうまくとると、突
きあわされた二つの事物がお互いに引き立つ。「対照法」は二つのものを対
比関係において両項の特徴や性質を引き立たせる文彩である。際立たされる
のが「類似」の場合もあるし、「差異」の場合もある。
 対照法についてよく「反対の事物」を云々という説明がなされることが
あるが、それは間違いだ。なにも反対の事物を対比させる必要はない。なる
ほど反対の事物のケース目につくことは事実だが、原則的にはどんなもので
も「対照する」ことは可能である。……
 要は対比の基準(視点)の取り方にかかっている。関係のないものどうし
でも基準の取り方によっては対照を形作ることができる。意外な新しい視点
によって関係のないと思われていたもの同士が結びつくことになる。このプ
ロセスは隠喩の場合を彷彿とさせる。……対比(比較)によって眼目の論題
がくっきるする。これは「発想の対照法」と呼べるだろう。

ーーーー引用終了ーーーー

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