命題論理と音声表現          2012・10・29記
ならべの音声表現




       
ならべ表現




     
ならべ表現の音声練習(その1)


 ならべ表現とは、一つの文の中にいくつかの事柄が対等の関係でならべて
書いてある文です。ここでは、このような文の音声表現のしかたを考えてい
きます。
 例文で考えてみましょう。

(例文1)
 おみつさんは、特別美しいむすめというわけでもありませんでしたが、体
がじょうぶで、気立てがやさしくて、いつもほがらかにくるくると働いたの
で、村じゅうの人たちから好かれていました。 
                 杉みき子「わらぐつの中の神様」

 一つの文のおわりには、マル(句点)がついています。マル(句点)は、
そこで文が終わったをいうしるしです。(例文1)は、マル(句点)がずっ
と後ろにうってあり、ふつうの長さの文にくらべて長めの文だといえます。

(例文1)には、ならべて書いてあることが三つあります。
(1)体がじょうぶで、
(2)気立てがやさしくて
(3)いつもほがらかにくるくると働いた     の三つです。

 (例文1)のような長めの文の音声表現のしかたは、ならんでいる事柄が、
ひとつながりに読むことです。三つの事柄をひとくくりにして読み、ならべ
の途中で意味内容が切れてしまう読み方をしないようにします。

 三つのならんでいる事柄に(  )を、ちょっと間をあけるところに□の
しるしをつけてみましょう。

おみつさんは、特別美しいむすめというわけでもありませんでしたが□
(体がじょうぶで□、気立てがやさしくて□、いつもほがらかにくるくると
働いたので□)、

村じゅうの人たちから好かれていました。
 

(  )の中はひとつながりに読むことが大切です。□は、ほんのちょっと
だけ、気持ち間をあけて読みます。

次の(例文2)と(例文3)では、ならべて書いてある事柄は何ですか。ど
こからどこまでをひとくくりにして読めばよいですか。ひとくくりに読む個
所に、カッコでくくってみましょう。

(例文2)
 おみつさんは、少しぐらい格好が悪くても、はく人がはきやすいように、
あったかいように、少しでも長持ちするようにと、心をこめて、しっかりし
っかり、わらぐつを編んでいきました。
                 杉みき子「わらぐつの中の神様」
(例文3)
 二人のわかいしんしが、すっかりイギリスの兵隊の形をして、ぴかぴかす
る鉄ぽうをかついで、白くまのような犬を二ひき連れて、だいぶ山おくの、
木の葉のかさかさしたとこを歩いておりました。
                  宮沢賢治「注文の多い料理店」


答え

(例文2)
 
おみつさんは、少しぐらい格好が悪くても
(はく人がはきやすいように□、あったかいように□、少しでも長持ちする
ように)
と□、心をこめて、しっかりしっかり、わらぐつを編んでいきました。

(例文3)
 
二人のわかいしんしが、
(すっかりイギリスの兵隊の形をして□、ぴかぴかする鉄ぽうをかついで□、
白くまのような犬を二ひき連れて□)、
だいぶ山おくの、木の葉のかさかさしたとこを歩いておりました。

 例文2も3も、ならべて書いてある事柄は三つずつですね。ならべて書い
てあるひと区切りに(  )をつけました。(  )の中はひとまとまりに
なるように読みます。
 長い文の音声表現のしかたは、文全体を、ひとつながりに読まなければな
りません。ひと息だけで文全体を読むことはできませんから、ところどころ
で小さく間をあけて、そこで少しずつ息を吸いながら意味内容が切れないよ
うに注意しながら最後まで読み進めていくようにします。



     
ならべ表現の音声練習(その2)



次の文には、いくつのことがならべて書いてありますか。ならべ範囲に
(  )を書き入れて、ひとつながりに読む練習をしましょう。


(練習文1)
小笠原さんは、海岸のうめ立てがなぜ行われたのか、自然の環境を残してお
くことはできないのかということについて研究することにしました。

(練習文2)
その年月は、わたしたちの父母や祖父母たちが生きてきた時代、そして、社
会が激しく変わっていった時代と重なる。

(練習文3)
佐野さんは、つくえの上に、四つのコップをならべて報告しました。それぞ
れのコップには、水道の水、浄水器を通した水道の水、買ってきたペットボ
トルの水、井戸の水が入っていました。

(練習文4)
果樹園にあったしらかばの若木は「白いレディー」、うっそうとした森は
「お化けの森」、木もれ日がきらめく小道は「恋人の小道」とよびました。
モンゴメリーは、そうした周囲の自然を心から愛しました。心がみだれたと
き、はらが立ったとき、孤独なとき、自然の中に入っていくと、不思議と心
が落ち着き、やさしい気持ちになれるのでした。

(練習文5)
 もうすぐおぼんが来る。おぼんの朝は、まだ夜が明けないうちに起き出し
て、村じゅうの人々が、いちばんいい着物を着てお墓参りに行く話や、この
日お寺では、地ごく極楽の絵をかいた宝物を六枚びょうぶが本堂に出される
ので、みんなでそれを見に行く話など、千枝子たちの話は、瑞枝にとって何
一つめずらしくないものはありませんでした。  壷井栄「石うすの歌」 

(練習文6)
この時初めて、金子みすずについて、いくつかのことを聞くことができまし
た。
山口県下関市に住んでいた女性であること、「童話」という雑誌に作品を投
稿していて、当時のわかい詩人たちのあこがれであったこと、昭和初期に二
十六歳のわかさでなくなり、自分の作品を書き留めた三冊の手帳が、「童
話」の撰者で詩人の西條八十の手元に預けてあることなどでした。教出5下

(練習文7)
 今、戦争はずっと遠くでしているので、たとえ耳をすましても、空をなが
めても、鉄砲の音も聞こえなければ、黒いけむりのかげすら見られなかった
のです。                    小川未明「野ばら」

(練習文8)
おじさんの見るところでは、凡太は、朝から晩まで母親にしかられている。
学校に遅れるとしかられ、忘れ物をしたとしかられ、漫画ばかり読まずに宿
題ぐらいしたらどうかとしかられている。いやもう、しかられるためにこの
地上に生まれてきたのではないかと、思われるぐらいだ。
                     遠藤周作「白い風船」

(練習文9)
 郷土出身の作家についての資料には、どのようなものがあるのか、また、
どうしたら資料を見せていただけるのか、教えてください。

(練習文10)
世界遺産は、人間の歴史に大きな役割を果した文化遺産と、地球上にある貴
重な自然遺産を、未来へ向けて大切に守っていくために、ユネスコと世界の
国々が調査し、指定していく制度である。


(練習文11)
それは、原爆ドームが、(戦争の被害を強調する遺跡であること□、そして、
規模が小さいうえ、歴史も浅い遺跡であること□)から、果たして世界の
国々によって認められるだろうかと思ったからであった。


【答え】一つの読み方の例です。この通りでなくてもかまいません。
(いくつかのならべが書いてある個所にカッコを書き入れ色づけにしていま
す。間をあけて読む個所に□を書き入れています。)

(練習文1)
小笠原さんは、
海岸のうめ立てがなぜ行われたのか□、自然の環境を残し
ておくことはできないのか□
ということについて研究することにしました。

(練習文2)
その年月は、
わたしたちの父母や祖父母たちが生きてきた時代□、そして、
社会が激しく変わっていった時代□
と重なる。


(練習文3)
佐野さんは、つくえの上に、四つのコップをならべて報告しました。それぞ
れのコップには、(水道の水□、浄水器を通した水道の水□、買ってきたペ
ットボトルの水□、井戸の水□)が入っていました。

(練習文4)
果樹園にあったしらかばの若木は「白いレディー」□、 うっそうとした
森は「お化けの森」□、 木もれ日がきらめく小道は「恋人の小道」□

よびました。モンゴメリーは、そうした周囲の自然を心から愛しました。
心がみだれたとき□、はらが立ったとき□、孤独なとき□、自然の中に
入っていくと、不思議と心が落ち着き、やさしい気持ちになれるのでした。

(練習文5)
 もうすぐおぼんが来る。
おぼんの朝は、まだ夜が明けないうちに起き出
して、村じゅうの人々が、いちばんいい着物を着てお墓参りに行く話や
□、)(この日お寺では、地ごく極楽の絵をかいた宝物を六枚びょうぶが本
堂に出されるので、みんなでそれを見に行く話など□
、千枝子たちの話は、
瑞枝にとって何一つめずらしくないものはありませんでした。 

(練習文6)
この時初めて、金子みすずについて、いくつかのことを聞くことができまし
た。
山口県下関市に住んでいた女性であること□、「童話」という雑誌に作品
を投稿していて、当時のわかい詩人たちのあこがれであったこと□、昭和初
期に二十六歳のわかさでなくなり、自分の作品を書き留めた三冊の手帳が、
「童話」の撰者で詩人の西條八十の手元に預けてあること□
などでした。

(練習文7)
 今、戦争はずっと遠くでしているので、
たとえ耳をすましても□、空を
ながめても□)(鉄砲の音も聞こえなければ□、黒いけむりのかげすら見ら
れなかった
のです。

(練習文8)
おじさんの見るところでは、凡太は、
朝から晩まで母親にしかられてい
る。
学校に遅れるとしかられ□、忘れ物をしたとしかられ□、漫画ばかり
読まずに宿題ぐらいしたらどうかとしかられている
。いやもう、しかられ
るためにこの地上に生まれてきたのではないかと、思われるぐらいだ。

(練習文9)
 郷土出身の作家についての資料には、
どのようなものがあるのか□また、
どうしたら資料を見せていただけるのか□
教えてください。

(練習文10)
世界遺産は、
人間の歴史に大きな役割を果した文化遺産と□、地球上にあ
る貴重な自然遺産を□
、未来へ向けて大切に守っていくために、ユネスコ
と世界の国々が調査し、指定していく制度である。

(練習文11)
それは、原爆ドームが、
戦争の被害を強調する遺跡であること□、そして、
規模が小さいうえ、歴史も浅い遺跡であること□
から、果たして世界の
国々によって認められるだろうかと思ったからであった。
≪ここでの音声表現では、「果たして………だろうか」の陳述副詞の呼応に
アクセント(強調表現)をおいて読むことが大切です。≫



   
「ならべ」と「まとめ」の音声練習



 次の(例文)は、どんなならべ方になっていますか。

(例文)
 ちいちゃんとお兄ちゃんは、かげおくりをして遊ぶようになりました。ば
んざいをしたかげおくり。かた手をあげたかげおくり。足を開いたかげおく
り。いろいろなかげを空に送りました。 
             あまんきみこ「ちいちゃんのかげおくり」

 上の文章は、(ばんざいをしたかげおくり。かた手をあげたかげおくり。
足を開いたかげおくり)と、三つのかげおくりが書いてあります。その直ぐ
後ろに、もう一度「いろいろなかげ」と三つとその他をふくめて、まとめた
言葉が書いてあります。一つ一つのならべを書いたあと、その直ぐあとに、
もう一度「まとめことば」が書いてあります。

 一つ一つのならべには(   )を、その直ぐあとの「まとめ言葉」には
【   】のしるしをつけると、次のようになります。

 ちいちゃんとお兄ちゃんは、かげおくりをして遊ぶようになりました。
(ばんざいをしたかげおくり。かた手をあげたかげおくり。足を開いたかげ
おくり。)
【いろいろなかげ】を空に送りました。 

 上の文の音声表現のしかたは、(   )の中をひとつながりに読み、そ
れが【いろいろなかげ】に結びつく息づかいで読みすすめていくようにしま
す。そのように声に出して読んでみましょう。
 特に、一つ一つのならべが、【いろいろなかげ】に思いが集まるように、
ほんのちょっとだけ強めに【いろいろなかげ】を読んでみましょう。


練習問題

 次の文には(一つ一つのならべ)部分と【まとめ言葉】部分があります。
・(  )と【   】のしるしを書き入れてみよう。
・(   )が【   】に結びつくように声に出して読んでみよう。
・【   】を、ほんのちょっとだけ強めに読んでみよう。(文章内容によ
  っては強めにならない場合もあります。一応、強めに読んでみて、当て
  はまらにときは、すんなりと平らに読みます。)

(練習文1)
 馬は、小気味よい速さで走り始めた。風のにおいも、草のかがやきも、馬
のすばらしさも、何もかも、太郎は夢に見たものと同じだった。

(練習文2)
 まだ戦争のはげしかったころのことです。そのころは、おまんじゅうだの、
キャラメルだの、チョコレートだの、そんな物はどこに行ってもありません
でした。おやつどころではありませんでした。

(練習文3)
 わたしたちの周りに、きれいな池や小川があり、たくさんのアメンボのス
ケートが見られる、そんな自然を大切にしていきたいのもです。

(練習文4)
 まんがには、一こままんが、四こままんが、ストーリーまんがなど、さま
ざまな種類があります。

(練習文5)
 みなさんは、「環境問題」というと何を思いうかべますか。身近な川がよ
ごれている。空気がきたなくなっている。ごみが増えている。地球の温度が
高くなっている。生き物のすがたを見かけなくなっている。いずれも今、わ
たしたちの身の回りに起きている環境問題です。

(練習文6)
 「ここから見える夕焼けはきれいだね。わたしも、三年前までは、こんな
緑でいっぱいの丘のある街に住んでいたんだよ。だが、あの日、いっしゅん
にして、わたしたちの街も、家も、家族も、友達も、形のあるものも、ない
ものも、みんなこわれたんだ。」東5下「1000の風」

(練習文7)
 おばあさんの話というのは、昔、千枝子のひいおじいさんが若い衆だった
ときに、ちょんまげを切るおきてが出て、初めてそれを切り落としたときの
ことだの、おばあさんがまだ花よめさんだった時分には、山にいのししがた
くさん住んでいて、里に出てきては畑をあらして困った話だの、あるときな
ど、花よめのおばあさんが張り物をしているそばを、猟師に追われたいのし
しがつっ走ってにげた話だの、そういうのばかりでした。
                      壷井栄「石うすの歌」  
(練習文8)
 金子みすずの作品は、ちいさなもの、力の弱いもの、そこにあるのに気づ
かれないもの、本当は大切なものなのに忘れてしまわれがちなもの───こ
の地球という星に存在するすべてのものに対し、深いやさしいまなざしを投
げかけたものばかりです。


答え

(ひとつながりに(  )、まとめ言葉に【  】を記入してます。 ここ
 では、分かりやすうように(   )部分に色づけをしています。)

(練習文1)
 馬は、小気味よい速さで走り始めた。
(風のにおいも、草のかがやきも、
馬のすばらしさも)
【何もかも】太郎は夢に見たものと同じだった。

(練習文2)
まだ戦争のはげしかったころのことです。そのころは、
(おまんじゅうだの、
キャラメルだの、チョコレートだの)
【そんな物】はどこに行ってもありま
せんでした。おやつどころではありませんでした。

(練習文3)
わたしたちの周りに、
(きれいな池や小川があり、たくさんのアメンボのス
ケートが見られる、)
【そんな自然】を大切にしていきたいのもです。

(練習文4)
 まんがには、
(一こままんが、四こままんが、ストーリーまんが)など、
【さまざまな種類】があります。

(練習文5)
みなさんは、「環境問題」というと何を思いうかべますか。
(身近な川がよ
ごれている。空気がきたなくなっている。ごみが増えている。地球の温度が
高くなっている。生き物のすがたを見かけなくなっている)
【いずれも】
今、わたしたちの身の回りに起きている環境問題です。

(練習文6)
(わたしたちの街も、家も、家族も、友達も、形のあるものも、ない
ものも)
【みんな】こわれたんだ。

詳しくは(わたしたちの<街も、家も、家族も、友達も>、<形のあるもの
も、ないものも≫)のくぎりになります。これらをひとつながりの息づかい
で読み、「みんな」に思いが集まるようにやや強めに読みます。「みんな」
に思いをこめて読みます。


(練習文7)分かりやすく段に区切って書くと、下記のようになります。

 おばあさんの話というのは、

(昔、千枝子のひいおじいさんが若い衆だったときに、ちょんまげを切るお
きてが出て、初めてそれを切り落としたときのことだの)


(おばあさんがまだ花よめさんだった時分には、山にいのししがたくさん住
んでいて、里に出てきては畑をあらして困った話だの、)

(あるときなど、花よめのおばあさんが張り物をしているそばを、猟師に追
われたいのししがつっ走ってにげた話だの)

【そういうの】
ばかりでした。

(練習文8)
金子みすずの作品は、
(ちいさなもの、力の弱いもの、そこにあるのに気づ
かれないもの、本当は大切なものなのに忘れてしまわれがちなもの)
───
この地球という星に存在する
【すべてのもの】に対し、深いやさしいまなざ
しを投げかけたものばかりです。



     
「たり、たり」の音声練習



 「どうする」(述語部分)に、「たり、たり」がならんで書いてある文が
あります。音声表現のしかたは、「どうする」(述部部分)の中にある「た
り、たり」部分がひとつながりになって結びつくように読みます。「たり、
たり」部分の途中でつながりが切れた読み方にならないようにします。

【練習問題】

 次の文には、「たり、たり」のならべ部分が書いてあります。
・ならべ部分に(  )のしるしを書き入れましょう。
・(   )部分がひとつながりになるように声に出して読みましょう。

(答え方の例)色は、つけても、つけなくてもよい。
 ピノキオは、
 歌を歌ったり、おどりをおどったり、楽器をえんそうし
 
たり )しました。


(練習文1)
 カナリアは、きれいな声で歌ったり、水を飲んでいたり、ときには、小さ
なカゴの中で、バタバタとはばたいたりしています。

(練習文2)
 手品師は、ぼうしの中から色とりどりの美しい花を取り出したり、ハンカ
チの中から白いハトを飛び立たせたり、手の中からたくさんのトランプを出
したりしました。

(練習文3)
 人々は、木や枝を切ってまきや炭にしたり、下草をかり、落ち葉を集めて
田畑に使う肥料を作ったりしていました。

(練習文4)
 ニセアカシアの花は、てんぷらにしたり、バターいためにしたり、花をし
ごいて熱湯をかけたり、サラダにしたりして食べるそうである。

(練習文5)
 それから毎日、ぼくらはいっしょに遊んだ。葉っぱをならべて、算数をし
たり、かくれんぼをしたり、学校で習った歌を歌ったり。そして、つかれた
ら、くりの木の下で昼寝をしたりした。

(練習文6)
 来る日も来る日も、トッコは一人で遊びました。花をつんだり、ちょうち
ょをおいかけたり、小鳥の巣をのぞいたり───
                   長崎源之助「つり橋わたれ」
(練習文7)
人間は、宅地を造るために、山を切りくずして平地にしたり、交通を便利に
するために、森を切り開いて道路を造ったりしている。あるいは、電気を起
こすために、川の流れをせき止めてダムを建設したり、工業地帯にするため
に、海をうめ立てて陸地にしたりしている。つまり、人間は、いろいろな方
法で自然に手を加えているのである。

(練習文8)
 冬になると寒くなるのは、冬の国から、風の子ピューンがくるからです。
ある晩は、木の葉をいっぱいまきちらしてきたり、ある晩は、冷たい雨のつ
ぶをつれてきて、窓ガラスにぶつけたり、ある晩は、犬のほえる声をふくろ
に入れてもってきて、遠くの方から犬の声を聞かせたりします。


答え

(練習文1)
カナリアは
きれいな声で歌ったり、水を飲んでいたり、ときには、小さ
なカゴの中で、バタバタとはばたいたり
しています。

(練習文2)
手品師は、
ぼうしの中から色とりどりの美しい花を取り出したり、ハンカ
チの中から白いハトを飛び立たせたり、手の中からたくさんのトランプを出
したり
しました。

(練習文3)人々は、
木や枝を切ってまきや炭にしたり、下草をかり、落
ち葉を集めて田畑に使う肥料を作ったり
していました。

(練習文4)
ニセアカシアの花は、
てんぷらにしたり、バターいためにしたり、花をし
ごいて熱湯をかけたり、サラダにしたり
して食べるそうである。

(練習文5)
それから毎日、ぼくらはいっしょに遊んだ。
葉っぱをならべて、算数をし
たり、かくれんぼをしたり、学校で習った歌を歌ったり。
そして、つかれ
たら、くりの木の下で昼寝をしたりした。

(練習文6)
来る日も来る日も、トッコは一人で遊びました。
花をつんだり、ちょうち
ょをおいかけたり、小鳥の巣をのぞいたり───


(練習文7)
人間は、宅地を造るために、
( 山を切りくずして平地にしたり、交通を便
利にするために、森を切り開いて道路を造ったり )
している。あるいは、
 電気を起こすために、川の流れをせき止めてダムを建設したり、工業地
帯にするために、海をうめ立てて陸地にしたり )
している。つまり、人間
は、いろいろな方法で自然に手を加えているのである。

(練習文8)
冬になると寒くなるのは、冬の国から、風の子ピューンがくるからです。
ある晩は、木の葉をいっぱいまきちらしてきたり、)(ある晩は、冷たい
雨のつぶをつれてきて、窓ガラスにぶつけたり、)(ある晩は、犬のほえる
声をふくろに入れてもってきて、遠くの方から犬の声を聞かせたり
します。



          
 
「たり、たり」と「まとめ」の音声練習



 次の(例文)は、どんな文章の仕組みになっていますか。音声表現の
 しかたは、どうすればよいのでしょうか

(例文)
 夜でも、昼でも、辺りの村へ出てきて、いたずらばかりしました。畑へ入
っていもをほり散らしたり、菜種がらのほしてあるのへ火をつけたり、百姓
家のうら手につるしてあるとんがらしをむしり取っていったり、いろんなこ
とをしました。              新美南吉「ごんぎつね」

 上の文章は、「畑へ入っていもをほり散らしたり、菜種がらのほしてある
のへ火をつけたり、百姓家のうら手につるしてあるとんがらしをむしり取っ
ていったり」と、「たり」が三つ連続しています。「たり」は、同じような
行動や事柄をならべる「並列の助詞」です。ごんぎつねは随分悪さをしたん
ですね。
 三つの「たり、たり、たり」の直ぐあとに、それらをひとまとめにして
「いろんなこと」と書いています。「たり、たり、たり」とならべていき、
再度「いろんなこと」とひとまとめにした「まとめ言葉」を書いています。

 音声表現のしかたは、三つの「たり、たり、たり」部分を小さく三つに区
切りつつも、三つをばらばらにしないで、ひとつながりになるように読みま
す。そして、再度ひとまとめにした「いろんなこと」へと思いが結びつくよ
うに読みすすめていきます。
 ごんぎつねは、こんな悪さをしたり、こんな悪さをしたり、こんな悪さを
したり、「いろんな悪さをしたんだよ」という意味をこめて、「いろんなこ
と」部分に思いが集まるように読んでみよう。「いろいんなこと」部分を、
ほんのちょっとだけ強めの声立てにして読んでみましょう。

「たりたりのならべ部分」には(   )のしるしを、その直ぐあとの「ま
とめ言葉」には【   】のしるしをつけると、次のようになります。

  夜でも、昼でも、辺りの村へ出てきて、いたずらばかりしました。
  
( 畑へ入っていもをほり散らしたり、 菜種がらのほしてあるのへ 
  火をつけたり、 百姓家のうら手につるしてあるとんがらしをむしり
  取っていったり 
【いろんなこと】をしました。


練習問題

次の練習文を声に出して読んでみよう。気をつけることはどんなこと
ですか
・(  )と【   】のしるしを書き入れてみよう。
・(  )をひとつながりに読み、(  )が【   】に結びつくように
  読んでいきましょう。
・【   】を、ほんのちょっとだけ強めに読んでみよう。(文章内容によ
  っては強めにならない場合もあります。一応、強めに読んでみて、当て
  はまらにときは、すんなりと平らに読みます。)

(練習文1)
 ごんぎつねは、畑へ入っていもをほりちらしたり、菜種がらのほしてある
のに火をつけたり、百姓やの裏手につるしてあるとんがらしをむしりとって
いったり、いろんないたずらをしました。

(練習文2)
 人間は、宅地を造るために、山を切りくずして平地にしたり、交通を便利
にするために、森を切り開いて道路を造ったりしている。あるいは、電気を
起こすために、川の流れをせき止めてダムを建設したり、工業地帯にするた
めに、海を埋め立てて陸地に変えたりしている。つまり、人間は、いろいろ
な方法で自然に手を加えているのである。


答え

(練習文1)
ごんぎつねは、
畑へ入っていもをほりちらしたり、菜種がらのほしてある
のに火をつけたり、百姓やの裏手につるしてあるとんがらしをむしりとって
いったり
【いろんないたずら】をしました。

(練習文2)
人間は、
宅地を造るために、山を切りくずして平地にしたり、 交通を便
利にするために、森を切り開いて道路を造ったり
している。あるいは、
電気を起こすために、川の流れをせき止めてダムを建設したり、 工業地
帯にするために、海を埋め立てて陸地に変えたり
している。つまり、人間
は、【
いろいろな方法で】自然に手を加えているのである。



    
 「数個の主語」の音声練習



 次の文の主語部分には、いくつのことがならべて書いてありますか。 
 どのように音声表現すればよいですか。

(例文1)
 しかも、いのししも、うさぎも、かめも、いたちも、たぬくも、きつつき
も、赤いろうそくをのぞきこみました。

 主語部分には、「しかも、いのししも、うさぎも、かめも、いたちも、た
ぬくも、きつつきも」と、動物が7ひきもならべて書いています。7ひきの
動物の名前を読んでいるうちに息が切れてしまいますね。7ひきの動物名は
ひとつながりになるように読まなければなりません。ぶつぎりに読んでしま
うと、7ひきの動物名がばらばらになってしまいます。小さく間をあけて息
を吸いながら息切れしないように、7ひきの動物名がひとつながりになるよ
うに読みすすめることがとても大切です。

 音声表現のしかたは、「しかも、いのししも、うさぎも、かめも、いたち
も、たぬくも、きつつきも」の個所は、ひとつひとつ区切りながらも、ひと
つながりになるように、ひとまとまりになるように読んでいくようにします。
そうしないと、だれがのぞきこんだのか、たくさんの動物たちがみんなそろ
ってのぞきこんだことが分からなくなってしまします。動物たちをひとまと
まりに読み、それから「赤いろうそくをのぞきこみました」につながるよう
に読みすすめていきます。途中で息切れがして、文章意味がとぎれてしまわ
ないようにします。


【練習問題】

次の文の主語部分には、いくつのことがならべて書いてありますか。
・ならべの主語部分に(  )のしるしを書き入れてみましょう。
・(  )をひとつながりに読み、「どうした」部分に結びつくように読ん
 でいきましょう。

(練習文1)
 トチキチのおとうも、ゴンケのおとうも、タッコのおとうとおっかあも、
でかせぎに行ってしまった。

(練習文2)
とつぜん、空のようすがくずれた。雪をまじえた冷たい風が、横なぐりにた
たきつける風が、急にはげしくなった。

(練習文3)
日本の子どもたちは、むかしから、自然を何より親しい遊び相手としてきま
した。トンボもバッタも、草花も木の実も、そして、土や小石までが、心の
通い合うなかまたちでした。

(練習文4)
 父ちゃんも、母ちゃんも、長松も、それからたった三つのウメまでが、
次々に十字のハリツケ柱におしあげられて、両手両足をしばりあげられた。
それを見ていた村人たちの怒って血走った目が、竹矢来をゆさぶるふしくれ
だった手が、高い長松の所からよく見えた。

(練習文5)
お母さんのかたにかかっているかばんには、包帯、お薬、そして、大事なお
米で作ったおにぎりが入っていました。     今西祐行「一つの花」

(練習文6)
かつて、日本のあちこちには、くぬぎ、なら、かしなどが生えている森があ
りました。

(練習文7)
 アキラは、部屋の中をのぞいてみました。白いかべにかこまれた部屋には、
中身のはみ出したソファーや、こわれたかがみや、ランプや花びんや雑誌な
どが散らばっていました。


答え

(練習文1)
 
(トチキチのおとうも、ゴンケのおとうも、タッコのおとうとおっかあ
も)
は、それぞれ区切りつつも、ひとまとまりになって、「でかせぎに行っ
てしまった。」
につながるように読む。

(練習文2)
雪をまじえた冷たい風が)(横なぐりにたたきつける風が」または
(雪をまじえた冷たい風が、横なぐりにたたきつける風がが、ともに「急
にはげしくなった。」
につながるように読んでいく。「とつぜん」は副詞で、
「くずれた」に係る。

(練習文3)
(トンボもバッタも)(草花も木の実も)(そして、土や小石までが)
または、
(トンボもバッタも、草花も木の実も、そして、土や小石までが)
とカッコをつける。これらがひとまとまりに
「心の通い合うなかまたちでし
た。
」につながっていくように読む。

(練習文4)
 ならべ個所が、主語部分が二つ、述語部分が一つあります。
主語部分にあるならべは
(父ちゃんも、母ちゃんも、長松も、それからたっ
た三つのウメまでが)
と、(それを見ていた村人たちの怒って血走った目が
竹矢来をゆさぶるふしくれだった手が)との二つです。
述語部分のならべは
(次々に十字のハリツケ柱におしあげられて、両手両足
をしばりあげられた)
です。
これらカッコ部分は、ひとつながりに、ひとまとまりに、読みます。

(練習文5)
分かりやすく分解して書けば、
【包帯が、お薬が、大事なお米で作ったおにぎりが、お母さんのかたにかか
っているかばんに入っていました。】
となります。
(包帯、お薬、そして、大事なお米で作ったおにぎりが)までひとつながり
に読みます。それ全体が
「入っていました。」へとつながるように読みます。
「お母さんのかたにかかっているかばんに」は補語、「には」の「は」は副
助詞(トリタテの働き)で、強調音声になることが多いです。)

(練習文6)
「くぬぎ、なら、かしなどが生えている」は単文(単位文)です。これが
「森」の連体修飾語となっていて、全体として複文を構成しています。
分かりやすく書けば、
【かつて、くぬぎ、なら、かしなどが生えている森が、日本のあちこちに
(は)、ありました。】
となります。
(くぬぎ、なら、かしなどが生えている森が)をひとつながりに読み「あり
ました」
につながるように読み進めていく。
「かつて」は副詞で「ありました」に係る。「日本のあちこちに」はトキト
コロの連用修飾語で「ありました」に係る。「日本のあちこちには」の
「は」は、副助詞(トリタテの働き)で、強調音声になることが多い。

(練習文7)
後半を分かりやすく書けば、
【中身のはみ出したソファーが、こわれたかがみが、ランプや花びんや雑誌
などが、白いかべにかこまれた部屋に(は)、散らばっていました。】
となります。
「白いかべにかこまれた部屋に」は「散らばっていました」の補語です。
「部屋には」の「は」は副助詞(トリタテの働き)で、強調音声になること
が多い。
(中身のはみ出したソファーや、こわれたかがみや、ランプや花びんや雑
誌などが)
をひとつながりに読み、それぞれ区切りつつも、ひとつながりに
なって、
「散らばっていました。」へと結びつけていく。
このページのトップへ戻る