ここから始めよう音読授業(6) 01・10・26記 第六ステップ・いつ、どこで、音読を取り入れるか (1)新しい文章部分に初めて入るとき 音読指導を、一時間の授業の中で、いつ、どこで、取り入れるかについて 書きます。 新教材としての導入時、第一次の前文通読のとき、まず、読めない漢字 がないように、意味の区切りで文として読めるように、ある程度つっかえな いで読めるように、大体のあらすじ(あらまし)つかめるように、などの目 的で音読をさせます。 (2)本時授業のまとめとして 本時授業の終末時に、これまでの話し合い、深めてきた読み取り内容 を、できるだけ情感(論理)豊かに、場面の様子が表れるように、人物の気 持ちをこめて音読できるように、そうた期待(目的)をこめて音読させま す。 (2)の場合は、現実には、本時の学習指導(計画)案には記載してあって も、本時の話し合いが延びてしまい、音読を指導する時間がなくなり、殆ん ど音読は実施されないでしまうのがふつうではないでしょうか。 わたしの参観した研究授業は(音読を目的にした授業とはかぎらないが) 殆んどがそうでした。音読はほんのつけたし、時間が余ったから、上手な 子、1、2名にほんのつけたし程度にだ読ませて、それで終わり、話し合いが 早く終わってしまい、時間つぶしに音読させているみたいな扱いです。 話し合い時間が足りないぐらいに活発なのが上手な授業、話し合いが早く 終わってしまい、(つまり話し合いの内容でなく、見栄えの活発さで)児童 からあまり発言が出なくて、時間が余てしまうのは下手な授業というような 暗黙の了解がなくもなかったようにわたしには思えます。 また、本時授業の終末でなく、全体指導計画の最終時、本単元最終全文ま とめで音読させるという全体指導計画案もよく見られます。これも感想だし ・意見だしの話し合いや一口感想記入や感想文書きや関連読書紹介やで、音 読は学習指導案に記載してはあっても、殆んど実施されていないのが実情で はなかろうか。あとは「おうちで読みなさい」とか、「音読カードをわたし ます。父母にしるしをつけてもらいなさい」はよくみられます。一時間たっ ぷり、時間をとって、上手な音声表現をめざす、きめこまかな情感たっぷり をめざす最終全文の音読指導はあまりされていないように思われます。 (3)一時間授業の中での種々な取り入れ方 一時間の授業展開にどう取り入れていくか。種々の方法があります。 第一義的には全体指導計画や本時目標によって規定されます。また、指導 計画は、これまで担任がどんな音読指導をしてきたか、学級児童の音読レベ ル(実態、水準)はどうであり、さらなるレベルアップにはどんな指導が必 要とされているか、などを考慮して立案されなければなりません。 一般的には次のような音声解釈を取り入れる指導方法が考えられます。 (1)1時間全部を音声解釈だけに当てる。 (2)1時間の途中、数分間、1,2箇所の文章部分だけ当てる。 (3)1時間のうち、断続的に、繰り返して取り入れる。 (4)1時間の導入部(前時の想起、本時のつなぎ)で取り入れる。 (5)1時間の最後で、情感たっぷりに仕上げとして。 (6)1時間全部を、情感たっぷりに仕上げとして。 (7)1時間全部を、記号つけと、それの音声表現の練習に当てる。 (8)1時間にうち、数分間を、記号つけとそれの練習に当てる。 (9)1時間を、音声表現の合評会に当てる。 (10)音読カードの利用を中心に。 (11)節つけ読み、へんな読み癖の矯正を中心に。 (12)記号つけのいろいろな種類の指導を中心にする。 (13)まね、口移しを部分的に取り入れる。 (14)発音、発声、呼吸の練習を中心に。 (15)対話文のやりとりの感じ作りを中心に指導する。 (16)斉読を中心に。 (17)役割音読を中心に。 (18)斉読から群読へ、または、リレー音読へ、を中心へ。 (19)群読のグループ練習を中心に。 (20)群読の仕上げと発表会、合評会。 次へつづく |
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