やってみよう、音読の基礎練習(2)      01・4・26記




  
第二ステップ・中級の基礎練習




         
長い文の音読練習

 一文が長くつづく、「長い文・長文」の音読の仕方を勉強しましょう。


         「長い文」の音読練習(その1)


  次の(1)〜(6)の文は、(    )の中を、ひとつながり(ひとま
とまり)になるように音読しましょう。そう声に出すと意味内容がはっきり
と声に表れてきす。(   )の中をぶつ切りに読むと、とちゅうで意味内
容がきれて相手に伝わらない読み方になってしまいます。

(1)村の小川には、(ふなやめだかやげんごろうやアメンボが)泳いでい
   ました。

(2)くだものやで、(りんごとみかんとバナナとかきを)買いました。

(3)(へびだの、なめくじだの、毛虫だの、ごきぶりだの)ぼくはこのよ
   うな動物がだいきらいです。

(4)ある山里にひとりの男の子が生まれたが、その男の子は、いつまでも
  (立つことも話すことも笑うことも)できませんでした。

(5)むかし、この近くの村に、おみつさんというむすめが住んでいまし
   た。おみつさんは、特別美しいむすめというわけではありませんでし
   たが、(体がじょうぶで、気立てがやさしくて、いつもほがらかにく
   るくると働いていたので、)村中の人たちからすかれていました。

(6)今、戦争はずっと遠くのほうでしているので、たとえ(耳をすまして
  も、空をながめても)、 (鉄っぽうの音も聞こえなければ、黒いけ
  むりのかげすらも見えなかった)のであります。


         「長い文」の音読練習(その2)


  長い文は、文の組み立てをつかんで、意味のまとまりに気を使って音読
するようにします。
  次の文は、一つの「だれが」(主語)の下に、いくつかの「どうする」
(述語)が並んで、くっついている文です。
  これらの文の音読は、上の「だれが」の下で間をあけ、下のいくつかの
「どうする」のかたまりが並んで結びつくように読みます。それぞれの「ど
うする」部分をひとかたまりごとに区切って読み、しかもそれらがひとつな
がりになって、上の「だれが」部分の下に結びつくように読みます。

(1)消防署の人たちは、(ホースの水で火を消したり、はしごからまどの
  中に飛びこんで人を助けたりします。)

(2)ゆっくりと地下をくぐって来たわき水は、集まって(谷川になり、小
  さな川になり、やがて大きな川になり、平野をうるおしてくれます。)

(3)ごんぎつねは、(畑へ入っていもをほり散らしたり、なたねがらのほ
  してあるのに火をつけたり、百姓家のうら手につるしてあるとんがらし
  をむしり取っていり、)いろんないたずらをしました。

(4)男の人は、(ワゴン車から、一枚のガラスとガラス切りを持ち出し、
  われたガラス窓の大きさを測り,器用な手つきでガラスを切り、手早く
  ガラス窓にはめて、さっさと帰っていきました。)

(5)手品師は、(ぼうしの中なら色とりどりの美しい花を取り出したり、
  ハンカチの中から白いハトを飛び立たせたり、手の中からたくさんの
  トランプを出したりしました。)

(6)人間は、(宅地をつくるために、山をきりくずして平地にしたり、)
 (交通を便利にするために、森を切り開いて道路をつくったりしてい
  る。)あるいは(電気をおこすために、川の流れをせき止めてダムを建
  設したり、) (工業地帯にするために、海を埋め立てて陸地に変えた
  りしている。)


         「長い文」の音読練習(その3)


 次の文は、「だれが」(主語)の部分と、「どうした」(述語)の部分と
のあいだに(   )の文がはめこまれている文です。
 このような文を音読するときは、(  )の中をひとつながりになるよう
に読みます。ぶつ切りにならないようにします。

(1)子ぎつねは、(その歌声は、きっと、人間のお母さんの声にちがいな
  い)と思いました。

(2)友達が、(もし、オリンピックに、動物が選手として参加したら、金
  メダルは、みんな動物に取られてしまうだろう)と、わらいながら言
  った。

(3)大作は(女の子というものが、男の子とはちがって、ひどく痛みやす
  い感情をもっているものだ)と思った。

(4)アンリュ・デュナンは、(うえや病気、戦争や暴力などは、世界 中
  の人々が手を取り合って、みんなで立ち向かわなければ、何も 解決
  できない)と考えるようになった。

(5)良平は、(みやげなんか、なくてもええ、ああ、健にいさんの元気な
  顔が、はよう見たいなあ)と考えました。

(6)母さんぎつねは、(かわいいぼうやの手にしもやけができたらかわい
  そうだから、夜になったら、町まで行って、ぼうやおててに合うような
  毛糸の手ぶくろを買ってやろう)と思いました。




    
「重文」(つながり文)の音読練習



  重文(つながり文)を音読するときは、意味内容がどこで切れるか、を
調べます。大きく切れるところ、小さく切れるところ、いろいろあります。
まず、大きく二つに切れるところを探し、そこで十分に間を開けて読むよう
にします。
 途中で、小さい間を開けてもいいのですが、たくさん切りすぎたり、たっ
ぷりと間を開けすぎたりすると、文全体の意味内容がばらばらになってしま
うので気をつけましょう。一文の全体はひとつながりになる気持ちをこめて
読むようにしましょう。
 次の文は、(    )と(    )とで意味内容が大きく二つに分か
れています。二つに分かれているところで間を開けて読み、(    )の中
はひとつながりになるように読みます。

(1)(おみつさんは、特別に美しいむすめというわけではありませんでし
  たが、)(体がじょうぶで、気立てがやさしくて、いつもほがらかにく
  るくると働いて、村じゅうの人たちからすかれていました。)

(2)(くりやくぬぎが生えている森でしたが、) (木がこんでいるうえ
  に、下草がおいしげり、おくへおくへと入っていくのは、なかなか大変
  なことでした。)

(3)(母さんぎつねがびっくりして、あわてふためきながら、目をおさえ
  ている子どもの手を、おそるおそる取りのけてみましたが、) (なに
  もささってはいませんでした。)

(4)(じいさんは、長年の経験で、ガンは、いちばん最初に飛び立ったも
  のの後について飛ぶということを知っていたので、) (このガンを手
  に入れたときから、ひとつ、これをおとりに使って、ガンのなかまをと
  らえてやろうと、考えていました。)

(5)(顔をまっかにして、何回も何回もさかあがりの練習をしている中村
  君を見ていると、) (ぼくもがんばって、早くさかあがりができるよ
  うになろうと思いました。)

(6)(もし、だれかが、どくへびのいることを知らずに、きれいな花を見
  つけて草むらへ入ろうとしたら、) (きっと外の人が、「あぶない。
  どくへびがいる。」と注意してくれるでしょう。)



               次へつづく