やってみよう、音読の基礎練習(1)     01・4・26記




    
第一ステップ・初級の基礎練習





         
はぎれよい発音の練習


 次のような言葉を(  )の中のような発音で読んではいけません。もぐ
もぐ発音、あいまいな発音で文章を読む児童はいませんか。口の開き方、舌
の位置に気をつけて、はぎれよい発音で読むようにしましょう。
  
  体育(タイーク)   肉うどん(ニクードン) 
  大きい椅子(オーキース)   前足(メーアシ)  
  手足(テーシ)  組がえ(クミゲー)  ため息(タメーキ)
  にじ色(ニジーロ)  横を向く(ヨコームク)
  花を売る(ハナオール)  空が青い(ソラガオイ) 
  本を置く(ホンオク) 顔が赤い(カオーガケー)  
  顔を洗う(カオーラウ)  委員(イーン)
  毛糸(ケート)  回り道(マーリミチ)  青い(オーイ)
  母親(ハーオヤ)  場合(バヤイ)  前足(メーアシ)
  ためいき(タメーキ)  木を植える(キオエル)
  横を向く(ヨコームク)  押入れ(オシーレ)

 これらは、母音の重なり(二重母音)部分を、長音にして読んだり、母音
を一つ、脱落させて読んだりしている、間違った読み方です。

 次は「ありの行列」(光村、三年下)の冒頭部分の文章です。(  )の
中のような読み方をする児童はいませんか。

 夏になると(夏なると)、庭のすみなどで(ニアのすみなどで)、ありの
行列をよく見かけます(ありのギョレツをよく見かけマース)。その行列は
(その行列ア)、ありの巣から、えさのある所まで(エサーのあるトコま
で)、ずっとつづいています(ずっとツヅーテエマース)。ありは(あり
ア)、ものがよく見えません(メーマセン)。それなのに、なぜ(ナアー
ゼ)、ありの行列ができるのでしょうか(できるのでしょう)。



     
「大きな声」で読む音読練習


  遠くにいる人に聞こえるように、大きな声で呼びかけてみよう。

(1)「やまもとくーん、きょう、ボール、きんしされているんでしょ
   う。ボールを使ってはいけないのよー」
(2)「おーい、はやくかえろー。はやくおわらしてよー」
(3)「ヤッホー,ヤッホー。やまびこ、おーい。まねするなー。じぶ
   んでしゃべれー」
(4)「田中さーん、はやく、こっちへきてー、いいもの、見せてあげ
   るわよ−」
(5)「バイ,バーイ。また、あしたも、いっしょにあそぼーねー。
   サッカーボールをわすれないで持ってきてねー」



     
「小さな声」で読む音読練習


  小さな声で、ささやく声で、読んでみましょう。

(1)「やーね。あの子、なにやっているのかしら。立ちしょんしてる
   わよ」
(2)「きょう、遊べる? わたし、ピアノのおけいこが休みなの。
   ね、遊びましょうよ」
(3)「ねえ、さっき、先生が、きょう、代表委員会があるって言って
   たわね。どこの教室であるのかしら。」
(4)「山本君、やなかんじね。自分勝手ね。自分のおもうとおりにや
   ろうとしているのよ。みんなのことを、ちっとも考えていないの
   よね」
(5)「あの先生、おもしろいんだってよ。授業中、いつも笑わせてい
   るんだって。花山くんがいってたわよ」



      
会話文の音読練習(その1)


次の文を、(   )の中の意味内容にして音読しましょう。

(1)「こらあ、どろぼう。」(大声で、おいかけながら言う)
(2)「いっしょに行ってみない。」(さそいかけて言う)
(3)「そうね。どうしようかな。」(考えながら、ひとり言で言う)
(4)「どうしたの、どうしたの、おおかみくん。」(質問して、話しかけ
   て)
(5)「ほほう、これは、りっぱなおやしきだ。」(感嘆して)
(6)「おにいちゃんがいなくなると、さびしくなるはね。」(つぶやく)



      
会話文の音読練習(その2)


  同じ会話文でも、話し手の気持ち(表現意図)の違いで、話し手の音調
が変わってきます。 次の会話文を、(ア)と(イ)との意味に読み分けて
音読しましょう。

(1)「帰っていい」
   (ア)命令して
   (イ)質問して
(2)「あなた、いけない子ね」
   (ア)やさしく言う
   (イ)大声で、怒って言う
(3)「ばかだね」
   (ア)こんなことで泣くなんて「ばかだね」と、やさしく、
      なぐさめて言う
   (イ)ほんとにおこって言う
(4)「今日中に行くの」
   (ア)いやだなあ、明日だっていいじゃないの。
   (イ)うれしい、早く、行こうよ。
(5)「寒くない」
   (ア)寒くありません(否定の文)
   (イ)寒くないか(質問の文)
(6)「ドッジボール、したい」
   (ア)話し手の、やりたい、やろうよ、という希望、懇願
   (イ)やりたいかどうか、相手の希望をたずねている



      
会話文の音読練習(その3)

  
 同じ会話文でも、話し手の気持ち(表現意図)の違いで、話し手の音調が
変わってきます。次の会話文を、(ア)と(イ)との意味に読み分けて音読
しましょう。

(1)「ドッジボール、するの」
   (ア)うれしい、早くやろうよ。
   (イ)つまらないな、べつのゲームで遊びたいな。

(2)「ここへいらっしゃい」
   (ア)しかるために呼びつける。
   (イ)やさしく、物をあげるために呼びかける。

(3)「このえんぴつ、かして」
   (ア)たのみこんで言う。
   (イ)いばって、命令して言う。

(4)「さがしているの」
   (ア)相手に質問して言う。
   (イ)自分が探しているという、自分の行動を伝えている。

(5)「いい人なんだろう」
   (ア)相手に質問している。
   (イ)ほめて、感心している、ひとりごと。

(6)「とうとうやった」
   (ア)喜びの、ひとりごと、つぶやき。
   (イ)大声で、喜んで、言う。



     
会話文の音読練習(その4)


  次の会話文を(ア)、(イ)、(ウ)の三つの意味に読み分けて音読し
ましょう。

(1)「はい」
   (ア)喜んで返事
   (イ)つまらなそうに、いやな気持ちで返事
   (出席簿の名前を呼ばれて返事

(2)「だめだ」
   (ア)いけません、禁止して言う
   (イ)失敗したことが分かった時
   (ウ)「だめだって」と質問、問い返して言う

(3)「ええ」
   (ア)はい、そうです
   (イ)驚いて、びっくりして
   (ウ)はっきり分からないので、聞き返す

(4)「富士山」
   (ア)答えは「富士山」と、自信をもって言う
   (イ)答えは「富士山ですか」と質問して
   (ウ)答えは「富士山じゃないよな、ちがうよな」と疑って

(5)「雨」
   (ア)「あれっ、どしゃぶりの雨が降っている」と驚いて
   (イ)「雨がひとつぶ落ちてきた」と、ひとりごと
   (ウ)「なに、雨が降ってるって」と質問して

(6)「さくら」
   (ア)さくらがさいているって、ほんと?
   (イ)そのクイズの答えは「さくら」です
   (ウ)へんだなあ、さくらがさいているって? うそおっしゃい



   
「ひとりごとの会話文」の音読練習


 次の会話文は、すべて「ひとり言の会話文」です。ひとりごとの話しぶり
にして音読しましょう。小さな声で、ぶつぶつ、ぽそぽそと言ってみましょ
う。

(1)「おかしいな。へんだぞ」
(2)「ああ、つまんないな」
(3)「おや、へんなものがあるぞ」
(4)「やっぱり、行くのはよそう」
(5)「また雨か。いやだな」
(6)「やったぜ」
(7)「まさる君はいまごろ、どうしているかなあ」
(8)「空をすいすい飛んで行けたらなあ」
(9)「もう5センチ、せが高かったらいいんだがなあ」
(10)「きょうは卒業式だ、いよいよ小学校ともお別れか」



             次へつづく