音読授業を創る そのA面とB面と 06・6・4記 「くらしの中の和と洋」音読授業をデザインする ●「暮らしの中の和と洋」の掲載教科書……………………………東書4下 単元について 本教材の単元名は「くらしの中の世界について話し合おう」です。わた したち日本国には、毎日の暮らしの中にいろいろな外国文化がさまざまな形 で入り込んでいます。文明開化でのオランダ文化をはじめ、それ以後の 欧米文化の取り入れははげしく、わたしたちの日常生活の中にさまざまな国 の文化がたくさん取り入れられてきています。 本単元の目標は、学習指導書では「和と洋の対比に注意して文章の要点 を読みとり、暮らしの中にある日本文化と外国文化について考える。」と書 いてあります。 ですから、学習指導書には、本教材の標準的な時間配当として次のよう に書かれています。 ○和室と洋室とのそれぞれの特色や良さを読みとる。(読む・5時間) ○自分達の暮らしの中から外国文化を取り入れたものと日本文化のものとか ら、自分の考えてみたいものを決め、話題ごとに司会をたて、グループごと で話し合う。(話す聞く・5時間) ○話し合いを通して考えたことをまとめる。(作文・2時間) 指導計画と時間配当がこうですから、音読指導の時間はあまりとれませ ん。 短い時間での音読指導しかありませんので、本稿では、音読で特に配慮 すべき事項について簡単に書くことにします。 せめて次に書いてある文章部分だけでも、上手な音声表現ができるよう にしたいものです。 下記の文章部分をしっかり音読できるようになれば、他の文章個所の音 読もそのコツが分って、しぜんと転移して上手に読めるようになるでしょ う。 音声表現のしかた ●本教材文の音声表現で最も注意すべきこと 本教材の文章は、「和」と「洋」、「和室」と「洋室」とを対比して書 いています。両者を比較し、それらの違いをはっきりさせる文章内容です。 音読指導では、両者の差異・違いが際立って強調されるように音声表現 することが重要となります。両者を突き合わせているように、比較している ように、それを意識して音声表現することが最も肝心です。 (参考。本HPの「学年別教材の音読授業をデザインする」六年生教材 「ぼくの世界、きみの世界」をクリックしてみよう。そこには、、「ぼく」 と「きみ」とを対比して、両者を比較し、両者が際立つように音声表現す る、という同じような音声表現について書いています。) ●本稿での音読記号のきまり 下記の本文を、つぎのような音読記号にしたがって音声表現してみまし ょう。ここでの音読記号のきまりは次のとおりです。 1、( )の中は、ひとつながりに、意味のひとつながりにして、つづけ て、読みます。 ( )の中に句点(マル)があるときは、そこで軽い間をあけて読み ます。 ( )の中に読点(テン)があるときは、全体の読みの調子・リズム の中で、区切りの間を入れて読んだり、続けて一気に読んだり、臨機応 変に読みましょう。 2、( )と( )とのあいだには、はっきりした区切りの間をいれて 読みます。 3、太字にしてあるところは、それら太字の語句の意味内容を強調するため のしるしです。 それら太字の語句は、目立たせて、強めの声立てにして読みましょう。 「衣食住」は、目立たせて、強めの声立てにして読むだけでなく、 「衣・食・住・」のようにゆっくりと間をあけて、スタッカートのよう に区切って読むと、さらに目立つようになります。 「和室」「洋室」も、同じようにします。つまり、目立たせて、強めの 声立てで読むだけでなく、「わ・し・つ」「よ・お・し・つ」のように スタッカートで区切りを入れて、ゆっくりと読むと、さらに目立つよう になります。 4、下記で一行分の行間をあけてある個所は、教科書の本文では段落変わり になっている個所です。 一行分あいてある個所では、そこでは少し長めの間をあけて読みます。 段落変わりの、はじめの語頭部分の出だしは、転調して読み出します。 (日本では、) (くらしの基本である「衣食住」のどれにも、) (「和」と「洋」が入りまじっています。) (「衣」には和服と洋服があり、) (「食」には和食と洋食があり、) (「住」には和室と洋室があります。) (「和」は、伝統的な日本文化にもとづくもので、) (「洋」は、主として欧米文化から取り入れたものを指します。) (ここでは、) (「衣食住」の中の「住」を取上げ、) (日本のくらしの中で) (「和」と「洋」それぞれの良さが) (どのように生かされているか、考えてみましょう。) (和室と洋室の最も大きなちがいは、) (ゆかの仕上げ方と)(そこに置かれる家具だと)(いってよいでしょ う。) (和室は、ゆかにたたみをしいて仕上げ、あまり家具をおかないようにしま す。) (一方、ほとんどの洋室は、) (板をはったり、カーペットをしいたりしてゆかを仕上げ、) (いすを代表として、テーブル、ベッドなど、部屋の目的に合わせた家具を 置きます。) (このちがいが、) (それぞれの部屋の中でのすごし方や、部屋の使い方の差を生み出すと考え られます。) (まず、それぞれの部屋の中ですごすときのことを考えてみましょう。) (わたしたちが和室ですごすとき、) (ざぶとんをしくかしないかは別にして、たたみの上に直接すわります。) (それに対して、洋室では、) (いすにこしかけてすわるのがふつうです。) (和室、洋室でのすごし方には、) (それぞれどんな良さがあるのでしょうか。) (和室のたたみの上では、) (いろいろなしせいをとることができます。) (きちんとした場では正ざをし、) (くつろぐときにはひざをくずしたり、あぐらをかいたりしてすわります。 ねころぶこともできます。) (人と人との間かくが自由に変えられるのも) (たたみの良さです。) (相手が親しければ近づいて話し、) (目上の人の場合には少しはなれて話すというように、) (自然にきょりの調節ができます。) (また、たたみの場合には、) (多少人数が多くても、間をつめればみんながすわれます。) (洋室で使ういすには、いろいろな種類があります。) (くつろぐ、勉強するなど、それぞれの目的に合わせたしせいがとれるよう に、形がくふうされています。) (ですから、長時間同じしせいですわっていても、つかれが少なくてすみま す。) トップページへ戻る |
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