音読授業を創る そのA面とB面と          04・5・8記



      
「おにたのぼうし」の音読授業をデザインする


                      
●「おにたのぼうし」(あまん きみこ)の掲載教科書………教出3上



            
作品について


  この作品については、天野敏江(元尼崎市金楽寺小)さんが授業報告
(『国語の授業』一光社、1990・8月号)の中で簡明にまとめてくれて
いますので、次に引用させてもらいます。

  この作品の出典はあまんきみこ氏の、おはなし名作絵本「おにたのぼう
し」で、昭和57年ポプラ社から出版された。
  あまん氏が幼いころ、「豆まきで追われた鬼はどうなるの」と母親に聞
くと、「海に逃げて、おいおい泣いて、おにおこぜになるのよ」と答えてく
れたそうである。そして自分が母親になったとき子どもに同じ質問をされ、
それがこの話のもとになったということである。
  「おにたのぼうし」は、現実と幻想のいりまじったファンタジックな世
界を描くあまん氏の代表的な作品である。

  さらに、この作品の音読指導について天野敏江先生は次のように書いて
います。

  特に会話文では、登場人物の気持ちがよく表されているので、話し合い
の中でとりあげて音声表現を工夫させたい。また地の文でも、リズム感のあ
る表現や、工夫された擬態語、擬声語が多いので、スピード、間のとりか
た、声の大きさに工夫をもたせて音読させたい。

  こう書いて、天野先生は、全体指導目標の一つに音読目標を入れていま
す。
「会話文や、表現の工夫に気をつけ、状況、登場人物の気持ちを考えな
がら、音読することができる。」
と。

  さて、わたし(荒木)がこの作品を読んだ読後感想を書きます。
  人間社会には鬼は悪者、家の中から追い出すべきものという一般的な考
え方があります。節分の豆まきは、悪者の鬼を追い出す日本社会の古くから
の伝統的な社会的行事です。節分の鬼は、一家の疫病災厄をもたらす悪い鬼
です。
  物語の世界には、昔話「ももたろう」のように悪者の鬼もいますが、必
ずしも鬼は悪者扱いにはされてはいません。「泣いたあかおに」では、善良
で親切な鬼もいるという赤鬼の涙の訴えが描かれています。「瘤取り爺さ
ん」の鬼や「大工と鬼六」の鬼もよい鬼として描かれています。「おにたの
ぼうし」では、おにたの徳義と善行な行為が描かれ、おにたの善行な行為が
人間と通じ合わない深い悲しみが描かれています。
  秋田県には伝統的な民間行事「なまはげ」があります。大きな包丁をさ
げた鬼が家々を訪れ、子どもをおどし、大声でなまけ心を矯正します。「な
まはげとは、祝福をもたらす神が春の初めに来訪するという信仰から生じた
行事」(平凡社百科事典マイぺディア)とあり、「なまはげ」の鬼は神に近
い存在のようです。
  わたしたち人間社会には、偏見に満ちた囚われの社会通念、制度化され
た先入観の既成観念に満ちています。その呪縛からなかなか抜け出られない
という現実があります。善行の鬼たちの話は、人間社会に異形のものを闖入
させる交流をとおして、「人間社会には長年の行動・見聞で慣れきってし
まった、惰性的な不変項の反復する社会通念の集積があり、脱構築すべき
だ。」と鬼たちが警告を発している物語のように思われます。



             
視点の転換



  この物語の地の文には、視点人物の転換があちこちに見られます。語り
手は三人の登場人物(まこと、おにた、女の子)に自由に出入りして語って
います。語り手は、三人の目や気持ちに自由に移動し、あっちからこっちへ
と自由によりそって語っています。まこと君の視点、おにたの視点、女の子
の視点の三つ視点に自由に出入りして俯瞰的な立場で語っています。

  まこと君の視点は、「節分の夜です。」から「「そうだ、物おき小屋に
も、まかなくちゃ。」と言いました。」までです。ここの文章個所のまこと
君へのよりそい方は、外の目と内の目との重なり方では外の目が強く、まこ
と君の豆まきの様子(事実)を客観的に聞き手に紹介するだけの淡々とした
音声表現になります。

  おにたの視点は、「その物おき小屋の天じょうに、去年の春から、小さ
な黒おにの子どもが住んでいました。」から「そして、天じょうのはりの上
に、ねずみのようにかくれました。」までです。おにたへのよりそい方は、
外の目と内の目との重なり方では、やや内の目に傾いていると言えると思い
ます。ここの文章個所の地の文を読むときは、少しばかりまめたの気持ちに
入り込んで音声表現していくとうまくいきます。「こな雪がふっていまし
た。」からは、まめたの気持ちへの入り込み方が深くなっていきます。

  次の場面は、おにたが天じょうのはりの上で、そこから女の子が母親を
看病している様子を見ている文章個所です。視点人物は、はりの上にいるお
にたで、おにたの目に見えた女の子の様子が文章になって描かれています。
しかし、ここの地の文はおにたにの目に見えた事柄(事実)を、おにたの気
持ちをとおして描かれているかというと、必ずしもそうではありません。お
にたの視点個所の文章は台所でおにたが食糧が何もないとわかって外へ飛び
出していく文章部分のところだけで、他は女の子が母親にうその返事を語っ
ている文章部分は女の子の気持ちで描かれています。前半は女の子の気持ち
によりそって音声表現し、後半の台所個所ではおにたの気持ちになって音声
表現するのがよいのです。

  「それからしばらくして、入り口をトントンとたたく音がします。」か
ら最後まで。ここの文章部分は、女の子の目や気持ちによりそって音声表現
していくとよいでしょう。主語は「わたしは」(一人称)でなく、「女の子
は」(三人称)ですから、女の子に完全になりきって音声表現していくので
はなく、つまり内の目が弱いので、あくまでも女の子によりそって音声表現
していくようになります。女の子への入り込み方は弱く、外の目から女の子
を対象化して客観的に淡々と紹介するような音声表現にしていきます。
  ただし、途中の「女の子がはしをもったまま、ふっと何か考えこんでい
ます。」から「おにだっていろいろあるのに。おにだって……。」までは、
おにたの気持ちで描かれていますので、ここはおにたによりそった音声表現
にしていきます。


          
時間のちがいを区分けする


次のような文章個所があります。
  「おにたは気のいいおにでした。きのうも、まこと君に、なくしたビー
玉を、こっそり拾ってやりました。この前は、にわか雨の時、ほし物を、茶
の間に投げこんでおきました。お父さんのくつを、ぴかぴかに光らせておい
たこともあります。」
  ここには、おにたの善行の例が、「きのうのこと」が一つ、「この前の
こと」が二つ書かれています。「きのう」はこれ(一つ)をやった、「この
前」はこれ(二つ)をやった、とそれぞれがひとまとまりになるように時間
の区別(ちがい)をはっきりさせて、それが分かるように音声表現しなけれ
ばなりません。「きのう」と「この前」とにアクセントをつけて目立つよう
に音声表現し、二つの時間のちがいを区別して、それぞれがひとまとまりに
なるように読むようにします。
  「(おにたは気のいいおにでした。) (きのうも、まこと君に、なく
したビー玉を、こっそり拾ってやりました。) (この前は、にわか雨の
時、ほし物を、茶の間に投げこんでおきました。お父さんのくつを、ぴかぴ
かに光らせておいたこともあります。)」のように区切って音声表現しま
す。


         
会話文の二種類を区分けする


  物語「おにたのぼうし」は三年生の二学期教材として配当されていま
す。三年生は二学期ともなれば、音読では「物語文には、地の文と会話文が
あること、地の文と会話文を区別して音声表現すべきこと、会話文には対話
の会話文と、ひとり言の会話文とがあることを知っており、それを自発的に
区別して音声表現しようとする」ようになっていなければなりません。授業
中は「地の文」、「会話文」、「ひとり言」などの単語を使って音声表現で
の話し合い(発表)をするような能力を持っていなければなりません。も
し、あなたの学級が未指導であるならば、それをここで指導するようにしま
しょう。いいチャンスです。

  この物語には会話文が計27個あります。児童に、どれが相手と対話し
ている会話文か、どれがひとり言の会話文か、一つ一つ検討させてみましょ
う。発表させてみましょう。
  対話の会話文には必ず話し相手がいます。これは話し相手(他人)に
向って語っている性質の会話文です。「福は内、おには外。」のように話し
相手が不定で、となえ言葉のようなものもあります。相手に話しかける音調
で音声表現します。
  ひとり言の会話文は話し相手は原則として自分自身で、自分に向っての
言葉です。音声として外に発っせられてない言葉、心の中だけの言葉、考え
言葉としての性質の会話文です。ぶつぶつ、もぐもぐした小声の音声表現に
なります。

  ひとり言の会話文にも、細かくみていくといろいろな種類があります。
それをこの物語の中から探してみよう。
 『自分に向ってのひとり言』( 「そうだ、物おき小屋にも、まかな
くっちゃ。」 )。
 『考え言葉としてのひとり言』( 「こりゃあ、豆のにおいがしない
ぞ。しめた。ひいらぎもかざっていない。」 )。
 『自問自答のひとり言』( 「ははあんー」、「あのちび、何も食べ
ちゃいないんだ」 )。
 『話し相手が他人(女の子)であるひとり言』( 「おにだって、いろ
いろある
のに。おにだって……。」 )。
 『自分に語って自分で納得しているひとり言』( 「まあ、黒い豆! 
まだあったかい……。」 )など、いろいろあります。


           
動作化しつつ音声表現


  この物語には、ひとり言が多くあります。ですから、話している人物の
気持ち(性格、ものの見方)がよく表現されている物語文だといえます。ま
た、この物語にはその会話文がどんな場面、どんな動作で語られたかが地の
文の前後にあるト書きなどに記述されている地の文個所も多くあります。会
話文を音声表現するとき、これら地の文の指示内容に即して、(動作などを
交えながら)音声表現させると、物語世界の中に児童たちを想像的に置くこ
とができ、よりぴったりした読み方(語り方)ができるようになります。次
にその例のいくつかを書きましょう。

まこと君は、いりたての豆を、力いっぱい投げました。
「福はあ内、おにはあ外。」

《力いっぱい、です。力いっぱい豆を投げる動作をしつつ、この会話文を言
う。「あ」の長音化に注目》

おにたのはだしの小さな足が、つめたい雪の中に、ときどき、すぽっと入り
ます。

「いいうちが、ないかなあ。」
《雪道で、すぽっとはまりつつ四、五歩の歩く動作をする。それから言う。
「ないかなあ」、願望を込めて、長音化して言う。》

おにたのひくい鼻がうごめきました。
「こりゃあ、豆のにおいがしないぞ。しめた。ひいらぎもかざっていな
い。」

《鬼は鼻のききがよいのでしょうか。読み手は鬼になって鼻をひくひく動か
してから、その後で、会話文を言う。》

お母さんが、ねつでうるんだ目をうっすらと開けて言いました。
「おなかがすいたでしょう?」

《読み手は目をつむった状態、5、6秒から、うっすらと目を開けて、それ
から愛情のこもった母親の言葉を女の子に向って言う。》

(女の子は)けん命に顔を横にふりました。そして
「いいえ、すいてないわ。あたし、さっき、食べたの。あのねえ……、あの
ねえ……、お母さんがねむっている時。知らない男の子が、もってきてくれ
たの。あったかい赤ごはんと、うぐいす豆よ。今日は節分でしょう。だか
ら、ごちそうがあまったって。」

《母親「おなかがすいたでしょう。」に答えて、女の子の読み手児童は、首
を横にふる。それから、この会話文を言う。リーダーや読点や句点が多い。
とっさのことで、言葉が出てこない。思考のとぎれ、よどみを間あけで表現
するテクニックが必要です。いろいろと間をあける音声表現の試みをさせて
みましょう。「もってきてくれたの。」は「もって、きて、くれた、の。」
なども試みてよいでしょう。》

それからしばらくして、入り口をトントンたたく音がします。
「今ごろ、だれかしら?」

《教師がトントンとドアをたたく音を出す。それから、この会話文を言う。
疑問符(はてなマーク)がついていることに注目させ、そのわけとイントネ
−ションを考えさせる。女の子役は、この会話文が言い終わったら、教室出
入り口まで歩いていってドアを開ける。外に給食のおぼんを持ったおにた役
児童がが立っている。
男の子(おにた)が次を、言う。》
「節分だから、ごちそうがあまったんだ。」
《女の子は、びっくりして、もじもじして、次を、言う。》
「あたしに(間をあけて)くれる、の。」



            
役割音読をする



  会話文が連続する文章個所は、人物の配役を決め、会話文だけを取り出
して、つまり地の文を省略して、会話文だけの役割音読をさせます。こうす
ることで、場面の様子(状況)がよりはっきりと臨場感をもってイメージで
きます。そして人物の話し意図や気持ちにふさわしい会話文の音声表現がで
きるようになります。
  ナレーターを一名作り、場面作りのために必要最小限の地の文だけを音
読し、どんな場面で会話文が語られたのかの状況説明をするのもよいでしょ
う。次は一つの例です。

(ナレ−) 女の子がはしをもったまま、ふっと何か考えこんでいます。
(おにた) 「どうしたの。」
(女の子) 「もう、みんな、豆まきすんだかな、と思ったの。」
(女の子) ちょっと間をおいて  「あたしも、豆まきしたいなあ。」
(おにた) 「なんだって?」
(女の子) 「だって、おにがくれば、きっと、お母さんの病気がわるくな
       るわ。」
(おにた) 不満げに、言う。  「おにだって、いろいろあるのに。おに
      だって……。」
(ナレ−) 急におにのすがたがきえて、いなくなりました。あとには、あ
      の麦わらぼうしだけが、ぽつんとのこっています。
(女の子) 「へんねえ。」
(女の子) ぼうしに気づく、視線を落として  「このぼうし、わすれた
      わ。」
(女の子) ぼうしを持ち上げて、びっくりした表情で 「まあ、黒い豆!
      まーだ、あったかーい……。」



         
会話文の記号に注目させる



  この物語の会話文に、疑問符、感嘆符、リーダー、ダッシュ、長音表記
が付いている文章個所が多く目につきます。どんな意味でついているのか、
全員に考えさせま
しょう。これは音声表現の仕方にもかかわってくる話し合いとなります。音
声表現とからめて話し合うようにします。

「福はあ内。おにはあ外。」

《となえ言葉。「はあ」の長音化で音声表現することに注目させる。》

「あたし、さっき、食べたの。あのねえ……、あのねえ……、お母さんがね
むっている時。」

《読点が多く打ってあります。リーダーも二つあります。女の子はとっさに
嘘を言おうとしますが、うまい嘘が出ません。言葉(返事)を言おうとする
が、言葉が出てこない、その思考のよどみ、ためらいが生理的な呼吸(息)
のとぎれ(乱れ)となって間があき、読点やリーダーが多くなっています。
音声表現では、間のあけ方、次の言葉を言い出すタイミングや語勢が大切と
なります。》

台所に行ってみました。
「ははあんーーー。」

《ダッシュには、言葉にならなかった、何かしらの思いの言葉が後に残って
います。頭の中だけの思いがこめられています。
「なあんだ、食べるものはなあーんにもないんだ。お母さんに心配かけまい
として。かわいそうに。」とか。児童に発表させてみましょう。その思考し
たちょっとの時間の間をあけて次の地の文へと読み進むとよいでしょう。》

「おにだって、いろいろあるのに。おにだって……。」
「まあ、黒い豆! まだあったかい……。」
「さっきの子は、きっと神様だわ。そうよ、神様よ……。」

《リーダーが三つ、感嘆符が一つ、あります。感嘆符は驚きの意味で使われ
ています。驚きの気持ちをこめて音声表現しましょう。三つのリーダー個所
は、まだ言いたいことがあるのに、そこで言い止っている、言いよどんでい
るように読めます。もし、そこで言葉を言うとすると、どんな言葉が入るか
を児童に考えさせます。これら会話文を音声表現するときは、その言いよど
んでいる言葉をリーダー個所で黙って言わせ、そのぶんだけ間をあけてか
ら、次の地の文へと読み進めるようにするのも一つの方法です。》

「おなかがすいたでしょう?」
「今ごろ、だれかしら?」
「あたしにくれるの?」
「どうしたの?」
「なんだって?」

《小説や物語の会話文には、質問文(問いかけ文》であっても、疑問符(は
てなマーク)はつかないのが普通です。文末の語句表現で十分に質問・問い
かけの文意が表れているからです。作者・あまんさんは,この短い物語の中
に、5個も疑問符をつけています。話し手の質問・疑問の意図を強調し、そ
れに注目させたいからでしょう。相手への問いかけ(質問・疑問)の意図を
強めに音声表現するようにしたいと思います。》



      
前後の豆まき場面を対照的に音声表現する


  この物語は、豆まき場面で始まり、豆まき場面で終わっています。
 冒頭の場面は、豆のまき手はまこと君です。「ぱら ぱら ぱら ぱら」
の擬音語は、いろいろな声の出し方、音声表現の仕方が考えられます。児童
に種々の音声表現を工夫させ、発表させましょう。「ぱら」は4個あります
が、もう一回(計8個)ぐらい繰り返して音声表現してもよいでしょう。
  まこと君は「力いっぱい投げました。」です。「茶の間も、客間も、子
ども部屋も、台所も、げんかんも、手あらいも」です。並列の副助詞「も」
の繰り返しに注目させ、あっちの部屋も、こっちの部屋もと、次々と並べて
いる、それらが一つに括られている感じに音声表現して、「ていねいにまき
ました。」につながるように読むようにします。一つ一つの部屋がバラバラ
に離れた読まれ方になってはいけません。
  「ていねいにまきました。」です。まき落としがないように、隅っこに
いる鬼をも想定して、ていねいに追い出すつもりなのです。そんなつもりで
「ていねいに」をゆっくりと、ていねいに音声表現させましょう。

  冒頭と最終の豆まき場面は、対照的です。冒頭は、元気よく、派手に、
騒々しく、活気がある豆まきです。
  これに比べて、最終場面の豆まきは、「女の子は、そっと、豆をまきま
した。」、「とてもしずかな豆まきでした。」です。母親が病気でふとんに
ふせています。熟睡中です。「お母さんが目をさまさないように」静かな豆
まきです。「ぱら ぱら ぱら ぱら」の擬音語も、冒頭場面のように元気
よく、騒々しく、派手にではありません。全く逆です。とても静かにです。
  まこと君のように豆をわしづかみにして力いっぱい投げつける、ではあ
りません。ほんの1,2粒を手に持ち、そっと、小さな声で、音を出さない
ように気をつかって、投げたのでしょう。「福はあ内、おにはあ外。」のか
け声も、母親に気をつかって、女の子の小さな、かわいらしい声で、そっと
言ったのでしょう。頭の中だけの言葉だったのかもしれません。

 冒頭の豆まき場面、最終の豆まき場面、二つを取り立てて、ならべて音声
表現させてみましょう。二つを対比的に音声表現させてみましょう。こうす
ることで、この物語場面に深く入り込むことができ、情感豊かに身体に響か
せて読みひたることができます。こうすることで作品世界をいっそう深く理
解することができます。



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