音読授業を創る  そのA面とB面と          03・7・1記



「おおきなかぶ」・「大きなかぶ」の音読授業をデザインする



●「おおきなかぶ」の掲載教科書
    うちだりさこ訳………東書1上、教出1上、学図1上、日書1上、
              大書1上
    さいごうたけひこ訳………光村1上              
 
   
        

        
音読によい文章個所(その1)


文章範囲
   
おじいさんが、かぶの たねを まきました。
   「あまい あまい かぶに なれ。
   おおきな おおきな かぶに なれ。」
   あまい、げんきの よい、とてつもなく
   おおきい かぶが できました。 (うちだ りさこ訳)

   おじいさんが、かぶの たねを まきました。
   「あまい あまい かぶに なれ。
   大きな 大きな かぶに なれ。」
   あまい、あまい、大きな 大きな かぶに なりました。
                  (さいごう たけひこ訳)


指導のねらいと方法
  おじいさんの会話文は、どんな口調にするとよいでしょうか。教師が次
の二組の文を板書し、(1)と(2)、(3)と(4)、どう違うかを比較
して話し合わせます。
  (1)あまいかぶになれ。
  (2)あまいあまいかぶになれ。
  (3)おおきなかぶになれ。
  (4)おおきなおおきなかぶになれ。
  二個を重ねた繰り返し表現は強調であり、おじいさんの願いがそれだけ
強いことを分からせます。おじいさんの強い願いをたっぷりとこめて、児童
たちに強めの音声表現を種々に工夫させ、発表させます。上手な児童の読み
方には拍手をし、それを全員で繰り返し真似させます。オーバーぎみの表現
でも、ここの文脈ではそんなに気になるほどではありません。困るのは、音
声に表情をつけられず、平板なずらずら読みになることです。一年生初期で
すので、オーバーでもよいですから、大胆に、遊びながら、思い切りよく、
楽しんで、表情をつけて読んでみる挑戦をさせましょう。あまりにもオー
バーな音声表現は、あとでいくらでも押さえられます。オーバーにできない
のが困ります。

  地の文「あまい、げんきのよい、とてつもなくおおきいかぶ」(うちだ
訳)、「あまいあまい、大きな大きなかぶ」(さいごう訳)の読み方につい
て。
  かぶの大きさや元気のよさを強調し、おじいさんの願いをたっぷりに、
強めた音声表現にして読ませます。それぞれの単語の一つ一つに強めのアク
セントを入れ、ややオーバーぎみに読ませてもよいでしょう。要は、おじい
さんの願い・思いを出すことです。
  「あまい あまい」、「おおきな おおきな」の、同一言葉の繰り返し
では、二つを同じ音調でなく読みます。強い願いをこめ、初めより次の言葉
をより強くして、変化を与えて音声表現するとよいでしょう。

  解釈の仕方の違いは、ちがう音声表現になります。「あまいあまいかぶ
になれ。大きな大きなかぶになれ。」は、呪文(となえことば)と考える人
もいるかもせれません。そのように解釈したならば、おまじない言葉を唱え
るような、外に出ない、内にこもる音声表現になることでしょう。わたし
(荒木)ならば、おじいさんの願いをたっぷりに、強めた音声表現にして、
声を外に出して(こもらないで)、声量たっぷりに読みます。

  文末「なりました。」、「できました。」の語尾「た」を、児童たちは
とかく「タアー」と跳ね上げてのばす読み方になりがちです。短くおさえ、
下げた読み方にして読ませましょう。



        音読によい文章個所(その2)



文章範囲
  上記(その1)を除いた、残り全部。

指導のねらいと方法
  子どもたちは、幼稚園、保育園でこの話を何度も語り聞かせられていま
す。既知のお話です。子ども達はこの話が好きです。繰り返し聞かせられ、
暗記している子もいるでしょう。リズムのよさに酔ってしまい、空読みです
らすら口から出まかせに読む子もいます。

  「うんとこしょ、どっこいしょ」の繰り返し、「ひっぱって……、ひ
ぱって……」繰り返し、「呼ぶーひっぱるーぬけない」の繰り返し、これら
単純な反復表現のリズムのある文章に、子ども達は自分がそこに居合わせて
いるかのように、自分も体験(行動)しているかのように楽しく読むことで
しょう。

  各段落に繰り返して出てくる「うんとこしょ、どっこいしょ。」の読み
方について。とかくすると児童たちは、「タンタタターン、タンタタター
ン。」の軽快なリズム調子をつけて読みがちです。
  「おおきなかぶ」の文章は、内田訳も西郷訳も、リズム調子のついた文
体になっています。児童たちは、文章のリズム調子に酔ってしまい、心地よ
い調子をつけて文字の上っ面をなぞるだけで、意味内容を考えてない(忘れ
てしまっている)読み方をしがちです。リズム調子に流されない(負けな
い)音声表現で読ませることが肝心です。
  ここの場面は、かぶを引っ張っている人たちは、腕に力を入れ、歯をく
いしばって、顔を真っ赤にして、全身で、渾身の力で、ふんばって、気張っ
ているわけです。ですから、例えば「ウーンンートコーショーオー、ドーコ
イ−ショーオー。」(ちょっとオーバーかな)のような読み方になるはずで
す。要するに、顔を真っ赤にして力いっぱい引っぱり、かつ、楽しんでいる
様子が声に表れる読み方がいいと思います。

  幼稚園や保育園や家庭で何度も聞かされているお話です。文から絵(イ
メージ化)にするのでなく、挿絵から文にする少し高度な表現(話す)活動
を組織してみましょう。
  やや高度な学習になりますが、かぶを引く抜く人数がしだいに増えてい
く様子とそれら人物のつながり方を、挿絵を見ながら文作りをさせます。
  教科書(絵本)にある最後の場面の絵(おじいさんからねずみまで繋
がっている絵)を模造紙に拡大コピーします。おじいさんの絵の下に、おじ
いさんだけが引いた文章段落の最後の文「ところが、かぶはぬけまさん。」
(内田訳。以下、内田訳の場合で記述)を短冊に書いて貼り付けます。同じ
ようにおばあさんの絵の下にはおばあさんが手伝った段落の最後の文「それ
でも、かぶはぬけません。」の短冊を貼り付けます。まごの絵の下には「ま
だまだ、かぶはぬけません。」、いぬの絵の下には「まだまだ、まだまだ、
ぬけません。」、ねこの絵の下には「それでも、かぶはぬけません。」、ね
ずみの絵の下には「やっと、かぶはぬけました。」の文を貼り付けます。

  模造紙を黒板にはり、全児童に提示します。児童たちは「おおきなか
ぶ」のお話が好きです。家庭でも繰り返し読んでおり、読み慣れていて、暗
記している子もいます。とかくすると、その音読は文字の上っ面をすらすら
と流すだけで、意味内容(場面の様子、イメージ)は考えていない読み方に
なりがちです。かぶを引っ張る人数がしだいに増えていくこと、人物の順
序、人物たちの行動とその結果、だれがだれを呼んだかを、逆に挿絵だけを
見ながら教科書本文の文作りをしていく学習をさせていきます。

  最初、おじいさんだけの絵を出し、その後ろの人物たちの絵の部分は白
紙で教師が隠します。そして児童たちに絵の部分を見せながら「おじいさん
は、かぶをぬこうとしました。うんとこしょ、どっこいしょ。ところが、か
ぶはぬけません。」と言わせます。最後の文を短冊にして貼り付けたのは、
児童の文作りを容易にするためです。

  次に、おじいさんとおばあさんだけの絵を出し、他の人物たちは白紙で
隠します。そして、児童たちにその部分の絵を見せて「おじいさんは、おば
あさんをよんできました。おばあさんがおじいさんをひっぱって、おじいさ
んがかぶをひっぱって、うんとこしょ、どっこいしょ。それでも、かぶはぬ
けません。」の文作りをさせ、言わせます。
  三番目には、「おじいさん、おばあさん、まご」までの絵を児童たちに
見せ、「おばあさんは、まごをよんできました。まごがおばあさんをひっ
ぱって、おばあさあがおじいさんをひっぱって、………まだまだ、かぶはぬ
けません。」の文作りをさせ、言わせます。以下、同じように絵の人物を一
人ずつ増やしていき、それに見合った文作りを絵を見せながら行わせます。
各段落の最後尾の文は、短冊に書いて示していますので、文作りは容易にで
きます。

  こういう活動をすることで、意味内容を考えずにリズム調子に流されて
表面だけを音読する読み方から脱却させます。ことば(文意)が発声(発
音)によってリズムを導きだすのであって、リズム(音数律)がメロディー
となって、ことば(文意)を生み出すのではないのですから。
  内田訳では、かぶを引っ張る人物が、かぶから順次、後ろへ繋がるよう
になってなっており、西郷訳では列の最後部の人物から順次、前へと戻って
くる順番の記述の仕方になっています。

  以上の学習活動は、「おおきなかぶ」を読み慣れた、リズムに酔ってし
まい文意が留守になった音読児童たちへの指導内容です。一段落(一場面)
ごとで、ていねいに文作りをさせていきましょう。(絵がきちんと説明され
ていれば、教科書の文と違っていてもよいこと、これは大切です。絵のス
トーリーから明らかにはみ出していてはいけません。最後に、抜けたかぶを
みんなはどうしたか、どんなことを話し合ったか、ここは想像力を発揮させ
て自由に創作話し換えをさせると面白いストーリーができるでしょう。)

  ほかの方法もあります。六名の登場人物の絵を切り抜きます。大きなか
ぶだけを描いた絵を用意します。引っ張る順番に、一人ずつ、ペープサート
のように、かぶの絵だけの模造紙に、人物一人ずつ順繰りに貼り付けていき
ます。
  例えば、おばあさんの文章(段落)個所では、教師が「おじいさんは、
だれの助け(手伝い)を求めましたか。」と問いかけ、答えが発表された
ら、おじいさんの後ろにおばあさんの切り抜き絵を貼り付けます。そしてこ
の場面の文作りを言わせます。
  順次、「だれは、だれを呼んできましたか。だれの後ろはだれです
か。」と問い、教師がその場面の人物の絵を添付していきます。こうして人
物が一人ずつ増えていく各場面の文作りをしていきます。この指導もリズム
のよさに酔ってしまい、文意を考えない、繰り返し読むことで暗記してし
まった空読みの児童たちへ向けての、すこしばかり高度な指導方法です。

  「おおきなかぶ」の音声表現は、全体的に、意味の区切りで十分に間を
開け、ゆっくりと、元気よい声で、教室内にりんりんと響くたっぷりとした
声量で音読させることです。場面の様子(だれが手助けをし、どんな順番・
連なりで引っぱり、結果はどうか)が「はっきりと声に出る」ようにするこ
とです。そのためには、意味の区切りで十分に間を開けて読むことです。
  子ども達は音読が大好きです。繰り返し読んでいるうちにいつのまのか
暗記してしまっています。間に収束するリズム、テンポ、メリハリをつけて
粒てて、ゆっくりと音読させることです。

  群読にして、会話文の読みで、声を一人ずつ増やし、重ねていく方法は
よく行われています。人物の配役を決めて、役割音読をさせるのもよい方法
です。


            
本稿の意図


  これまで「おおきなかぶ」についての教育実践記録は数多くあります。
本稿では、やや高度な実践方法、これまでにあまり紹介されていない指導
方法について書いてきました。
  「おおきなかぶ」は幼稚園や保育園のときから知っているお話であり、
子どもたちは未だ文字を読めないときから話し内容を聞いて、知っており、
また耳から覚えて文章を暗誦してすらすら言える子もたくさんいるようです。
教科書本文を見ながら声に出して読んでいるが、実はそれは空読みで、暗誦
しているのをそらんじている子もいるようです。本稿では、こうした子への、
やや高度な指導方法について書いています。


           
 参考資料(1)


  音読指導について、小松崎進(小学校教師)さんは次のように書いて
います。とても参考になります。

  内田再話は、「…が、…をひっぱって、…が、…をひっぱて。『うんと
こしょ、どっこいしょ』 まだ まだかぶは、ぬけません。」と快いリズム
で語りかけていく。
  この表現には、足をふんばり、からだをぐっとそらし、顔を真っ赤にし
て懸命に引っぱるイメージがある。なにがなんでも、引き抜くぞという思い
が伝わってくる。音読してみると、それはいっそうはっきりする。
  ところが、「…をひっぱりました。『うんとこしょ、どっこいしょ』」
には、リズムがない。「ああ、そうだったか。みんなで引っぱったんだな
あ。それでも抜けなかったのか」と理解する。第一、力がはいらない。読み
手の心をつき動かすものがない。
  内田再話を子どもたちに朗読させると、はじめは声も小さいが、加勢者
がふえるにつれて、声も大きくなり、体を動かしながら読む子どもが多くな
る。そして鼠が加わると、ありったけの声をはりあげ、どなるように読む。
読み終わると、ふーっと息をはき出し、体を投げ出す子どももいる。
  つまり、子どもたちは、かぶ抜きの集団の一員となってしまうのだ。
  この魅力を子どものものにしていくのが、この教材を学習するなかみで
あり、ねらいでなければならない。くりかえして朗読する。グループで朗読
する。学校全体で朗読する。くりかえし朗読することで、この教材の持って
いるリズムを感得させる。力を合せてかぶを抜く人たちの姿を鮮明に描かせ
る。みんなの力を合わせることの、そして、一つの仕事をなしおえたことの
喜びを体得させる。
  子どもは読みたくてしかたがないのだ。何度も読もうとするのだ。それ
なのに、「だれとだれがかぶを抜こうとしましたか。」「その次にだれがき
ましたか」「そして、どうしましたか」と、一回読めば分かることを執拗に
たずねる。こういう指導が行われている。
  子どもたちは読みながら、体を動かす。自然と動いてしまう作品なの
だ。ここにも目をつける。話の内容をあれこれ詮索するのでなく、動作化さ
せ、劇化させることだ。グループとして劇を楽しむ。畑にかぶの種をまく。
毎日畑に来ていろいろ世話をする。「あまくて大きなかぶになれ」と語りか
ける。驚く。抜きにかかる。おばあさんを呼んでくる。      
          『日本児童文学』1985年4月号より引用



            
参考資料(2)


 うちだりさこ(翻訳者)さんは、「おおきなかぶ」の授業について次の
ような二つの意見を述べておられます。参考になるご意見ですので次に引用
します。

  「おおきなかぶ」の授業で、一人では不可能なことも皆が一致協力すれ
ば可能になるという結論に導こうとすることがまま見られると聞きました。
それはあまりにも安易でつまらない授業のまとめ方ではないでしょうか。
  それよりこの単純明解、骨太の話のテンポ、リズム、クライマックス
(というのも大げさですが)への盛り上がりなど。そうしたものすべてを共
有する満足感を子ども達が得たならば、授業は大成功と思うのですが、いか
がでしょう。     『日本児童文学』 1991年9月号より引用

  先日ある過疎地の小学校の一年生から「おじいさんへ」という手紙をも
らった。その手紙には「おじいさんが水をやり、草をぬき、だいじに育てた
から大きなあまいかぶになったのですね。きっといいにおいがしていたから
たべる前からあまいとわかったのですね。」というような内容だった。農村
の子どもらしい感想に感動した。
  教材を生かすも殺すも結局は先生次第という気がする。
           
『日本児童文学』 1985年4月号より引用


            
参考資料(3)


  うちだりさこさんの前述のご意見に関連して、古田足日(児童文学作家)
さん
は次のよう書いています。翻訳者の意見に何もふりまわされる必要はあ
りませんが、古田さんのご意見も、とても参考になります。

  ぼくは、絵本「おおきなかぶ」(福音館書店刊)を見た時、人間はこの
ようにして生きてきたのだという深い感銘を受けた。ストーリーを解釈すれ
ば、最初に出てくるおじいさんの願いは生産への願いであり、次に取り入れ
の労働があって、みんなが力を合せて働く。そして取り入れの満足が表現さ
れて終わる。ここにあるものは、はるかな昔からの人間の願いと行動であ
り、その具体的なあらわれは別として今日の人間もまたこのようにして生き
ている。人間の原理、人間の行動の原理の一つとでもいうものがこの絵本に
は描かれており、ぼくもこの絵本ーーその中心人物であろおじいさんの姿の
背後に、層々と重なり合う幾百代もの祖先の姿が浮かび上がってくるのを感
じる。
 
日本児童文学者協会編『日本の絵本100選』(ホルプ出版)より引用


            
参考資料(4)


  西郷竹彦(翻訳者)さんは、この作品の主題について次のように書いて
います。

  自分たちの力だけで出来ないことは仲間の力を借りる。また、仲間に
なっていっしょに大きなかぶを抜く。この反復が、仲間が連帯するという主
題を強調しています。しかも、この反復は、大きな強いものから、小さな弱
いものへという変化・発展する反復になっていて、小さな弱いもの(ねず
み)の大きな役割、意味という思想を浮き彫りにしています。
  ところで、語り手は、これらの人物の心情は一言も語りません。たとえ
ば、ねこがねずみを呼びに行くとき、ねこは何を考えたか、また、ねずみは
どう思ったか、ということは問題にしません。小さなねずみでも仲間を呼び
に行く、そして、たとえ、どのように思っても、仲間に呼ばれたら,加勢す
るという行動そのものに大事な意味があるのです。
   「小学校 国語教育相談室」bP9 光村図書出版より引用

  

            
参考資料(5)


 松居直(絵本研究家)さんは、この作品について次のように書いて
います。

 ロシアの昔話『おおきなかぶ』(内田莉莎子再話、佐藤忠良画)という絵
本は、全く簡単な筋の物語です。ものすごく大きなかぶを皆で力をあわせて
引き抜くというだけの物語で、ときとして協力ということを教える目的に利
用されたりもしますが、この話はそんな道徳的なことをしらせるための話で
はありません。そんなふうに読まれ、指導されたとしたら、この絵本はあま
り価値がありません。
 子どもの気持ちとこの物語との関係は、まず見たこともないような大きな
かぶができた驚き、どうしてそれを抜くかという問題に対する興味。おじい
さん、おばあさん、孫むすめと次々に登場してきて、なお抜けないサスペン
ス。その上、イヌやネコやネズミまでやってくるというユーモア。このユー
モアは全く子どもの共感をさそい、この物語の成功のかぎです。そしてとう
とう抜くことができたという成功の満足感。
 それに、こうした物語の筋を展開する手法がまたすぐれています。昔話特
有のむだのない、必要なことだけしか語らない、きわめた簡潔な語り口。説
明や無駄な描写は一切ありません。筋を運ぶのに使われている繰り返しのう
まさ。繰り返されるたびに物語が発展しもりあがり、クライマックスに一直
線にのぼりつめていく明快さ。その間の休んでは引っぱる緩急のリズム。こ
うした要素がないまぜになった一つの目的、やっとかぶは抜けたというむす
びへと結集しています。訳文もリズミカルで、物語の呼吸によくあっていま
す。 
  松居直『絵本とは何か』日本エデタースクール出版部、1973)85ぺ


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