音読授業を創る そのA面とB面と 07・4・20記 詩「ぶどう」の音読授業をデザインする ●詩「ぶどう」(こわせたまみ)の掲載教科書…………………大書1上 ぶどう こわせたまみ はっぱのうしろで むらさきぶどう おしくらまんじゅう しているな おさらにのせても ふさふさぶどう おしくらまんじゅう やめないな おなかのなかでも つやつやぶどう おしくらまんじゅう するのかな 作者(こわせたまみ)について 1934年、埼玉県生まれ。早稲田大学第一商学部卒業。主に幼児のため の詩や絵本や童謡を創作する。下総皖一音楽賞。日本童謡賞。サトーハチ ロー賞。埼玉文化賞など受賞。日本童謡協会常任理事。埼玉県在住。 絵本「そばのはなさいたひ」(86年エルバ賞)。絵本「クイールはも うどうけんのなった」。童謡集「だけどぽかぽか」。子ども歌曲集「ちいさ なこもりうた」。合唱組曲「城下町の子ども」など多数。 教材分析 この詩は、音読していると語呂よいリズムで気持ちがいいです。 「4・4・7・8・5」または「4・4・4・3・4・4・5」の韻律詩に なっています。 各連の第一行目は、どこの場所にぶどうがあるかについて書いてありま す。 第一連のぶどうは、ぶどう畑の中のぶどうの木にたわわに下がっているぶど うです。 第二連のぶどうは、家庭の中のお皿の上ののっているぶどうです。 第三連のぶどうは、食べてしまって、お腹の中にあるぶどうです。 各連の第二行目は、それらのぶどうは、どんな形状のぶどうであるかに ついて書いてあります。 第一連のぶどうは、「むらさきぶどう」です。濃い紫色で熟した大粒のぶど うをイメージします。 第二連のぶどうは、「ふさふさぶどう」です。大粒のぶどうがびっしりとつ まっている房をイメージします。 第三連のぶどうは、「つやつやぶどう」です。皮をむいて食べられてしまっ たぶどうです。お腹の中に入ったぶどうは、つやつやしているのでしょう か。わたしには「ぷるんぷるん」とか「ぶりぷり」とかの表現ががいいので はと思いますが、これは難癖つけというものでしょう。 各連の第三行目は、すべたが「おしくらまんじゅう」と書いてありま す。たわわに実ったふさふさののぶどうの房は、おしくらまんじゅうをして いるんですね。素敵な表現だと思います。 各連の第三、四行目を見ると、それぞれ「おしくらまんじゅうを、して いるな」(第一連)、「おしくらまんじゅうを、やめないな」(第二連)、 「おしくらまんじゅうを、するのかな」(第三連)と書いてあります。これ ら二行は、子どもの目線で、子どもの気持ちで、子どもの言葉で、子どもら しい、かわいらしい言いぶりの言葉で語られています。 この詩は、語り手が、子どもの目線で、子どもの気持ちで、子どもの言 葉で、子供の言いぶりで語っていますので、これを音声表現する子ども達は すんなりと語り手と同じ気持ちになって、同じ言いぶりで、かわいらしく音 声表現していくことでしょう。そうあってほしいと思います。 音声表現のしかた 詩の音声表現では、区切りの間が大切です。三連ある二つの行間では たっぷりと間をあけて読むようにしましょう。 この詩は各連が四行の定型詩です。各連の一般的な区切り方は次のよう になります。 どこの場所の(間) なんとかぶどう(間) おしくらまんじゅうしているな(間) どうするのかな(間) この詩は、一年生教科書の教材です。一年生児童の可愛らしい声で 「あ、ふさふさぶどうだ。おしくらまんじゅうしているよ。」と、すなおに 歓声の言葉を発するような気持ちで、歓声の声で、音声表現していけばよい でしょう。 第一連は、「はっぱのうしろで、おしくらまんじゅうしているな」と、 子どもらしい発想の、新しい発見の声で音声表現しましょう。 第二連は、「おさらの上のぶどうは、やっぱりおしくらまんじゅうを止 めてないな」「まだ、やってるよ!」「よっぽど楽しいんだろうな」という 気持ちで音声表現しましょう。 第三連は、お腹の中に入っても、ぶどうはやっぱり、おしくらまんじゅ うをするのかなあ。どうなんだろうなあ」と、ちょっと不思議な、疑問の気 持ち音声表現しましょう。 トップページへ戻る |
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