父母と教師に役立つ学級懇談会の話材集    2015・2・23記




    
 家事への参加のさせ方




         
家事労働が少なくなった


 総理府「婦人問題に関する国際比較調査」(1982年)によると家族全員で
食事の後片付けをする家庭は、スウェーデンが36%、アメリカが21%、
イギリスが20%、西ドイツが18%、日本が4%となっています。日本の
家事労働では主婦が殆ど背負っていることが分かります。
 日本の昔の子どもたちは、子守り、掃除、洗濯、草むしり、水くみ、おつ
かい、たきぎ拾い、まき割り、田畑の手伝い、家畜の世話、などたくさんの
お手伝いをしました。
 今の子どもたちは、あまりお手伝いをしなくなっています。今は、家事労
働が電化されたことにより、子どもの手を借りなくてもできるようになりま
した。電気掃除機、電気洗濯機、電気皿洗い機、電気炊飯器、電気こたつ、
ガスコンロ、ガス風呂、水道、水洗トイレなど、文明の利器が次々と出現し、
母親の家事労働が減少しました。子どもに手伝ってもらわなくてもよくなり
ました。また、核家族になり、家族の人数が少なくなったことも、母親の仕
事が減少した原因になります。母親の家事労働は、量的にも時間的にも驚く
ほど簡略化、省力化されてきています。


      
お手伝いが習い事や塾通いへと移る


 今の子供たちは、習い事や塾通いに多忙で、お手伝いする時間がありませ
ん。母親はこう言います。
 「お手伝いなんかしなくてもいいのよ。お手伝いや遊ぶ時間があったら勉
  強しなさい。あなたの仕事は勉強することです。あなたは勉強さえして
  いればいいのです。よい成績さえとってくれればいいのです。」と。
 大多数の母親は、お手伝いなどしなくていいから勉強せよ、それでいい、
と考えているようです。男の子にお手伝いをさせている母親に対して、近所
の母親たちは蔭口で「母親がらくをしている」「本当の母親ではないので
は」などとうわさしているという声を聞きます。それだけ今の親は習い事や
塾通いに熱心で、これが普通になってきているということです。
 お手伝いには多くの教育的な効果があるのです。子供の成長にとって役立
つことがたくさんあります。
 次に、そのことについて書いていきましょう。



      
 お手伝いの教育的な効果



(1)家族の一員としての自覚が身につく


 家事を手伝うことによって、家族の一員としての自覚が身につきます。家
族みんなで協力して働くことはとても大切なことです。家族(他人)のため
に役立つことに満足感と喜びを覚え、自分の存在感を実感として味わうこと
ができます。
 わが家を支えるには家族みんなが仕事を分担し、協力しなけらばなりませ
ん。仕事を分担することで、家族の連帯感、協力する心、思いやりの心が身
につきます。毎日、決まったお手伝いを分担して継続すれば、やり遂げる達
成感・充実感を味わうことができます。毎日続けていくことにより根気強さ
や忍耐力や計画性が身につきます。お手伝いの時間、遊びの時間、勉強の時
間、食事の時間、テレビの時間など、先々を見通した計画的な時間配分をし
ながら行動する習慣が身につきます。


(2)身辺処理能力が身につく

 お手伝いを通して身辺処理能力が身につきます。家事のさまざまな仕事を
覚えていき、親から手伝ってもらわなくても自立した行動ができるようにな
ります。毎日、お手伝いを続けるてやり遂げていくことで、毎日の生活に自
信や意欲や覇気を持って生活することができます。お手伝いは、生きた社会
勉強です。お手伝いを通して得た知識は、学校の勉強にも役立つことがたく
さんあります。
 毎日、植物の栽培で水をやる手伝いは、理科の植物の生長観察の学習に結
びつきます。買い物の手伝いは、算数の計算の勉強になり、社会科の商店
(小学校低学年の内容)や、商工業(小学校高学年の内容)の学習と結びつ
きます。食事のちゃわん運びや後片づけ、食器洗い、雑巾がけ、玄関の掃除、
トイレの掃除、洗濯の取り入れとたたむ、などの手伝いは、食器の手伝いで
は食器を割らないように慎重に扱う、油汚れと普通の汚れとの洗い方の違い
など、買い物の手伝いでは、新鮮で安全で安い品物を選択するいろいろな知
識や知恵を知るようになります。トイレ掃除では、自分から汚さないように
気を付けるなど、その他、品物・道具は丁寧に扱う、整理整頓して片づけて
おくなどが身につきます。一つ一つを、丁寧に着実に終わらせることの大切
さを学びます。これらのしつけが学校でも落ち着いて着実に思考するように
転移していきます。ノートの文字も丁寧に書くようになり、集中して授業を
受けるようになります。テストで不注意なミスをしなくなります。
 毎朝、新聞受けから新聞を取り込む、牛乳を取り込む、玄関を掃く、水を
撒く、ゴミを出す、毎夕に犬を散歩に連れていく、雨戸を閉める、靴を磨く、
布団を敷くなどの手伝いでは、丁寧に仕上げる、責任感、根気強さなどが身
につきます。これらが身につくことで物事を計画的に企画実行するようにな
ります。事前に学習用具をきちんと揃える、忘れ物をしない、一日の予定の
時間配分のあらましを知って行動するようになります。
 

(3)家事分担で責任と自覚が身につく

 家族全員で家事の分担を話し合って決めましょう。子どもにも相応の分担
を与えます。子どもの仕上がりのまずさを問題にしてはいけません。子ども
が家族の一員として家事に協力する、責任を果たすということが重要なので
す。
 子どもですから、当初は、時間がかかる、じれったい、仕上がりが不出来
で下手、親が見てるとイライラすることが多いはずです。親がやった方が早
い、と思うでしょう。親がやった方がうまくいくし、時間は早いし、手伝い
などしなくてけっこう、と考える親もいるかもしれません。家事は電化され
ており、手伝ってもらわなくても間に合っている、と考える親もいるかもし
れません。
 女の子ならともかく、あなたは男の子だから、家事の手伝いは必要なし、
勉強を熱心にやりなさい、と命ずる親もいるでしょう。これではいけないの
です。仕上がりがまずければ、親が後でこっそりとやり直しをしてよいので
す。子どもがお手伝いをやった、家族の一員として責任を自覚して親に協力
した、働くことに喜びを持っている、ということに価値があるのです。仕上
がりが下手なのは当然です。それは、幾回も回数を重ねていけば上手になっ
ていきます。最初から上手なわけはありません。母親だって、そうだったん
ですから。


(4)初めは親が手本を示してまねさせる

 手伝う仕事を、最初の数回は、親が子どもに手本をやって見せて、、どう
すればよいかを示したやりましょう。こんなに楽しいものよ、という雰囲気
を作ってやって見せたら、素晴らしい手本の示し方です。
 何を手伝いなさい、と命令するだけで、親は素知らぬ顔でテレビを見てい
たり、別の仕事をしていたりでは、手伝いは嫌なもの、命令されてやるもの、
という否定的な考えしか持ちません。最初の数回は親が子どもと楽しい雰囲
気で一緒になってやって、仕事を楽しむことです。一緒になって楽しみなが
らやることです。次に子どもだけでやってごらんと指示し、できあがったら、
下手でも「上手ね。○○のところ、とっても上手だわ」と褒めて、励ましの
コトバをかけてやりましょう。
 子どもと一緒に料理を作ってみましょう。女の子だけでなく、男の子もけ
っこう料理を作るのが好きです。初めは親が見本を示します。野菜の洗い方
はこうするのよ。包丁の使い方はこうするのよ。調味料の入れ方・組み合わ
せと量はこうするのよ。あなたもやってみる? これぐらいの煮え方だった
ら火を止めてもいいわね。盛りつけ方は、こうするとおいしそうに見えるで
しょ。このお皿とこっちのお皿、どっちに盛りつけたらいいと思う? など
と語り合いながら一緒に料理を作ってみましょう。
 子どもと一緒にスーパーへ買い物に行きましょう。新鮮な野菜の見分け方、
選び方、何を作るかによって、食材の組み合わせが違ってきます。あなたは、
今晩は何のおかずがいい? じゃあ、これとこれを買わなければならないね。
同じ食材がたくさん並んでいるね。どれを選ぼうか。買う量はどうしよい
か? 安くて、おいしいのがいいわね。などと語り合いながら買い物をしま
す。こうした語り合いの中で、子どもは買い物上手になっていきます。
 母親の口癖としてよく言うコトバがあります。うちの子は、何でもやりっ
ぱなしで困ります。遊んだおもちゃは出しっぱなし、脱いだ洋服は脱ぎっぱ
なし、食事の後は食いっぱなし、こんなことでほとほと困っています、ちょ
っとでも手伝いをしてくれたらありがたいんだげど、という親が大勢います。
 これは、母親が過保護と過干渉で何でもやってあげて、手伝うしつけをし
ていないことからきています。初めは、母と子で一緒におもちゃの後片付け
を楽しそうにやりましょう。たくさん本を読んだのね、どの本がおもしろか
ったの、こんどは後片づけをやりましょうね、この本は、どこに置けばいい
かな、じゃあ、ここに置いてと、この本はここに置くといいのね、あら、き
れいに片付いたわ。すっきりして気持ちがいいね。後片づけも楽しいのもね、
と語り合いながら母と子で一緒にやります。子どもが片づけた個所を指差し
て、あら、あなた、後片づけが上手ね、と褒めてやります。
 次に、わざと、元のように出しっぱなしに、広げっぱなしに戻して、さあ、
後片づけの練習をしましょう。これは、こうするんでしたね、これはここに
置くんでしたね、あなた一人でもできる? 上手、上手、と褒めて、おだて
て、励ましてやります。部屋がきれいに片付いたあとのすっきりした気持ち
よさを味わう会話を交わすことを忘れません。
 食事の後片付け、茶わん洗いやふきんは、子どもが好きな趣味の話をしな
がら、学校のことや友だちと遊んだことなどを話しながら、楽しい雰囲気で
手伝わせます、子どもと一緒に仕事をします。片付いた後の台所のすっきり
した様子、さわやかな満足感の気持ちをお互いに語り合いましょう。こうし
て自分一人でもできるようにしていきます。

           
参考資料(1)

 下記は、毎日新聞(2015・2・19)の投書欄「オピニオン」に掲載されてい
た投稿記事です。

       娘と一緒にケーキ作り
              主婦 笹尾朋子 30(広島県福山市)

 今年のバレンタインは4歳の娘と一緒にケーキを作りました。先日、母が
お菓子作りの道具一式を譲ってくれたからです。
 30年前にそろえたというその道具は新品同様。袋に入ったままのものもあ
りました。聞けば、娘とお菓子作りをすることが夢だった母は、私が生まれ
てすぐに道具を買いそろえたものの、農業を営む実家の手伝いで時間的余裕
もなく、結局夢で終わってしまったとのことでした。
 子どもと一緒に作るのは自分一人でするより時間も手間もかかります。そ
れでも、楽しそうに作る娘の姿を見ていると、母の夢見たことが自分の夢の
ように感じました。
 私には時間があることに感謝して、娘と一緒にお菓子作りをこれからも続
けていきたいと思います。いつか母と一緒にお菓子作りをして、30年越しの
夢を実現させたいと考えています。


           
参考資料(2)

 下記は、読売新聞(2015・2・12)の投書欄「気流」に掲載されていた投稿
記事です。

       教え繰り返し待つ猫から学ぶ
              主婦 山下安子 67(福岡県宗像市)

 近所で野良猫が子どもを産みました。ある日、1匹の子猫が民家の屋根に
上り、下りられなくなりました。一日中鳴きっぱなしで、親猫も下で心配そ
うに見守っています。
 主人がはしごを渡して子猫を助けようとしましたが、逃げ回るのでなかな
か捕まえられません。夕暮れになり、次の日を待つことにしました。
 翌朝、親猫が屋根に近い木に登り、屋根と木の往復を何度も繰り返し、子
猫に見せていました。親猫の姿に感動しました。しばらくして子猫も同じよ
うにして下りることができ、安心したように親子でじゃれ合っていました。
子育てとは、繰り返し教えて待つことが大切であると、猫から改めて学んだ
気がしました。


(5)家事参加で喜びと充実感をもつ

 子どもに小さい時期から家事に参加させ、責任感と協力心を持たせましょ
う。家事のきりもりや仕事の手順について、わざとでいいなら、親が子ども
に相談を持ちかけましょう。「お母さん、迷っているの。どうしたらいいか
しら」と、わざと相談を持ちかけます。子どもの助言(考え)を親が取りあ
げて仕事をしたりしてみます。これが「子どもを育てる」ということになり
ます。
 おつかいを頼む時も、「四百円以内で、あなたの食べたいなあと思うお菓
子を選んで買ってきていいわよ」とか「千円を渡すから、安くて、おいしそ
うなりんごを三つ選んで買ってきなさい」とか、頼みます。頼まれた子ども
は貴重な体験をするはずです。まず、迷います。どれを選べばいいか迷いま
す。どのお菓子を選択するか、一定金額と品物の個数を見較べて、あれこれ
と見繕いしなければなりません。高いりんご、安いリンゴ、いろいろありま
す。組み合わせをいろいろと考えなければなりません。これらを自分ひとり
で判断しなければなりません。
 「二千円以内で、キューリを三本、ナスを五個、トマトを四つ、ネギを一
把、買ってきなさい。今すぐでなくてもいい。午後5時までに、あなたの時
間のひまをみつけて買ってきていいわよ」と頼みます。子どもは、時間のや
りくりをしてお店に行くでしょう。店内で品物をいろいろと見較べて、どれ
が新鮮か、安いか、高いか、つるつるしたキューリより、ざらざらしたキ
ューリが新鮮だとか、しなびてないキューリを除くとか、いろいろと金額内
で見繕って買うことになります。買い物を子どもに任せてみることも良い勉
強になります。教科書と鉛筆が勉強だけではありません。このように子ども
が自主的に判断して品物を選択していく余地を与える、迷わせる、ことはよ
い勉強になります。

           
参考資料(1)

 下記は、読売新聞(2015・1・14)の投書欄「気流」に掲載されていた記事
です。お手伝いのお話が書いてあります。

      娘の卵焼きが上達 次は何を教えよう
              パート 高橋亜希子 38 (新潟県三条市)

 小学3年の娘が通う小学校では年数回、弁当を持参する日がある。先生か
ら「おかず1品は子ども自身が作るように」と言われたので、昨年秋、娘に
卵焼きの作り方を教えた。
 娘が初めて作った卵焼きは、味は良かったが、お世辞にも形はきれいとは
言えなかった。よほど悔しかったらしく、「毎日、練習する」と宣言した。
 その日からしばらくは、娘の作る卵焼きが私と夫の弁当や朝食のおかずに
なった。お陰で私の朝のひと手間が省け、ありがたかった。
 練習の成果で、娘は徐々に手際が良く、きれいに作れるようになった。と
ころが、それで満足したのか、最近は作らなくなってしまった。
 今度は何のおかずの作り方を教えようか。いつか家族みんなの弁当を作っ
てくれるようになったら、と淡い期待を抱いている。


           
参考資料(2)

 下記は、朝日新聞(2014・10・19)の投書欄「声」に掲載されていた記事
です。心温まる話です。

      娘からのおいしい誕生祝い
                 主婦 後藤田淳子 48 (長野県)

 私の誕生日の前夜、高校3年の娘が「明日は、朝寝坊していいよ」と、一
言だけ残して部屋へ入った。翌朝、娘は早くからキッチンで、ガタガタ、ゴ
ソゴソと何やらやっている。その音を聞きながら、また寝てしまった私。
 朝ごはんと家族4人分のお弁当を作ってくれていたのだ。朝ごはんのいい
においで起床するのは、本当に久しぶりで子どもの頃を思い出した。みそ汁
の具はカボチャとナス。「意外なコンビだね」と言うと、娘は「けっこうイ
ケてるよ」。薄味で、とても優しい味だった。
 お弁当も作ってくれた。ミッキーマウスの形をしたおかか味のご飯と厚焼
きたまご、ウインナー、ミニトマトなどが入っていた。うれしくて食べ終わ
っても弁当箱を眺めていた。娘よ、ありがとね。




     
お手伝いのさせ方、たのみ方



 お手伝いは、親が楽できるから、親が手抜きできるから、親に都合がいい
から、という親の利己的な便宜主義から出たものではありません。子どもの
自立心を育て、労働の尊さと喜びを教え、責任感や協力心を植えつける教育
てき意義からでたものです。
 次に、上手なお手伝いのさせ方のコツについて書きます。


(1)褒めコトバ、ねぎらうコトバを与える

 子どもがお手伝いをしてくれたら、親はお礼を言いましょう。お手伝いは
当然だ、ということで親が黙っていては、子どもは、やりがいがありません。
でき具合はどうか、子どもなりに熱心にやったはずです。上手にできたか、
そそっかしいとこはないか、雑にやってるとこはないか、丁寧にきれいにや
ったはずなのに、何の反応もない、何か一言でも言ってくれると、次への目
標にもつながるのに、などと子どもは思っている(期待してる)はずです。
親は、ちょっとしたお礼のコトバ、感謝のコトバをかけてやりましょう。け
なしコトバはやめます。どこかよい点を探して、そこを褒めましょう。家庭
円満な、温かな、相手を思いやる人間関係・親子関係が生まれるでしょう。

≪弘樹君の肩たたきの例≫
 母親が、弘樹君に、肩たたきを頼みました。
「弘樹ちゃん、私の肩をたたいてちょうだい。いつもすみませんね。弘樹ち
ゃんは、肩たたきがとっても上手なのよ。前から比べるとずっと上手になっ
たね」
 肩たたきが終了したら
「どうもありがとう。疲れたでしょう。肩がとても軽くなったわ。台所仕事
をするのに、とても楽になったわ。おいしい料理を作ってあげるからね。弘
樹ちゃんの大好きなハンバーグをつくってあげるからね」
 弘樹は、母親のために役立ったこと、自分の仕事を認めてもらえたことで、
今後もお手伝いを進んでやろうと、胸を膨らませることでしょう。

≪お姉ちゃんの例≫
 母親がお姉ちゃんにおつかいを頼みました。
「おねえちゃん、今晩はカレーライスにするから、スーパーへ行って豚肉を
 三百グラムと、ニンジンを三本と、玉ねぎを二つ買ってきてちょうだい。
 カレー粉は残りがあるからいいわ。福神漬けも一袋買ってきてね」
 家族全員が揃った食事中に、母親がこう言いました。
「おねえちゃんの買ってきた豚肉がおいしいね。ニンジンも、玉ねぎも、お
 いしいわ。おねんちゃん、品物を選ぶのが上手ね。お買い物が、お母さん
 より上手だわ。また、お買い物を頼むわね」
 お姉ちゃんは、こう言いました。
「いいわよ。お買い物なら、いつでも行ってあげる。わたし、買い物が得意
 なんだから」

≪ケンちゃんの例≫
 母親がケンちゃんにおつかいを頼みました。
「ケンちゃん、お母さん、お客さんが来ていて、いま忙しいのよ。それで、
 裏の畑から大根を二本、抜いてきて、台所に持ってきてちょうだい。それ
 からお醤油を一びんと、お豆腐を二つ、コンビニから買ってきてちょうだ
 い」
 お客さんが帰った後、
「ケンちゃん、ありがとう。お母さん、助かったわ。お客さんが三人もいら
 っしゃったでしょう。ケンちゃんが手伝ってくれたおかげで、お客さんを
 待たせないで食事の用意ができて、ほんとに助かったわ。急いでおつかい
 してくれたのね。疲れたでしょう」
 お手伝いをしてくれて、こんなに助かったと感謝のコトバ、労をねぎらう
コトバをかけています。こんなに助かったと具体例を述べて、たいへん役立
ったと感謝の喜びの声を聞かせます。家族の一員として家事に協力し、感謝
される喜びは大きいでしょう。


(2)他人に認められていると語って聞かせる

 母親が子どもにこう言いました。
「弘樹ちゃん、お隣の奥さんがあなたを褒めていたわよ。毎朝、早起きして
犬を散歩に連れていくの感心ねって言ってたわよ。毎朝、休まずに続けてる
の、ほんとに感心するわって、弘樹ちゃんを褒めていたわよ。それで、わた
しも、弘樹ちゃんのことを褒めたのよ。犬の散歩だけでなく、毎朝、玄関の
掃除をして、水をまいているし、お父さんの靴磨きもするし、朝食の茶碗運
びもしてくれて、とてもいい子です。子ども部屋の掃除も自分でやり、いつ
もきれいに片付いているし、とってもいい子です。このように弘樹ちゃんの
自慢話しをしたのよ。」
 母親が子どもに、友人や知人や親類や周囲の人々が、あなたを、このよう
に称賛していた、立派な行動を褒めていた、と語って聞かせてやります。あ
なたのよい行為を褒めていたと、他人の噂として語って聞かせます。演技で、
ウソでもいいから、語って聞かせましょう。他人のよい噂は、自分が直接に
耳にするよりも深く自尊心をくすぐり、その効果はてきめんで、子どもは自
信や誇りを与えられ、そうか、期待にこたえられるように行動しなくちゃ、
と自覚するするようになるでしょう。


(3)わが家の「子ども憲法」を作る

 わが家の子ども憲法を作って、守るようにしましょう。
 憲法ですから詳細なことまで決める必要はありません。大枠でよいのです。
わが家の約束として、子どもにこれこれを守らせたいという事柄を、単純明
快な文章で個条書きで作成します。
 子どもの考えを取り入れながら、親と子で話し合って決めます。守らなか
った場合のことも決めておきましょう。約束を破ったらペナルティーを課
す、事前に決めておきます。反則切符の黄色、赤色など、親子で決めるのも
よいでしょう。

≪「子ども憲法」例≫
1、朝は六時に起きる。
2、毎日の手伝い。おつかい、犬の散歩、玄関の掃除、靴磨き、食事の配膳
  と後片づけ、子ども部屋の掃除。 
3、テレビは、一時間半以上は見ない。
4、夕食前に、宿題、問題集2ページを終わらす。
5、夜は9時半に寝る。
6、宿題は学校から帰ったらすぐやる。または、遊びや習い事や塾が終わっ
  てからやる。どちらにするかを決める。


(4)お金を払っての手伝いはやめる

 母と子の会話です。
「おつかいに行ってきてちょうだい」
「何を買ってくるの」
「八百屋さんへ行って、イチゴを一ケース、レモンを一個、買ってきてちょ
 うだい。はい、千円」
「残ったおつり、くれる?」
「だめよ」
「いいでしょ。お手伝いをしたのだから。お駄賃にくれてもいいでしょ」
「そうね。お手伝いしてくれたのだから、おつり、あげるわ。その代わり、
 これからもお母さんのお手伝いをしてね」
 
このようにお金を払って、お手伝いを頼むのはよくありません。お手伝いは、
家族という共同体が当然に全員で協力してやるべき仕事の分担です。「手伝
い」というコトバが適切ではありません。「手伝い」でなく、家族が助け合
って、協力し合ってやるべき家事分担に仕事です。家族は協力し合わねばな
らないのであって、家事労働をお金に換算したり、損得や利益で処理するも
のではありません。
 自分はお金を貰うためにお手伝いをしているのだ、という考え方ができて
しまい、お金を貰えるときにのみお手伝いをするという姿勢ができ、自分か
ら進んでお手伝いをしなくなったしまいます。お手伝いは、お金を貰うため
のものとなり、お金を貰わないときはお手伝いをしない子どもになってしま
います。

 感謝のしるしとして何かを与えたいならば、お金でなく、品物のプレゼン
トを、適当な時期に「よく働いてくれたね。よく協力してくれて助かってい
るわ。これからも頼むから、その時はよろしくね」と感謝して、何かしらの
品物をあげるようにします。

 ただし、お手伝いにお金を払う場合もあります。
 これについては、「金銭感覚の育て方」の章で書いたことですので、以下
にその文章部分だけをコピーします。

 お手伝いをしたら親が報酬(お金)を払うなんてとんでもないことです。
家事は家族全員がみんなで協力して行うべきものですから、子どもがいつも
している普段のお手伝いは家族の一員として当然にすべき仕事をしているだ
けです。だから、お手伝いにお金を払う必要はありません。
 しかし、母親が父親が通常やらなければならない領域の仕事(家事)があ
るはずです。また、兄や姉が通常やっている家事があるはずです。どうして
もその家事を、都合によって、外の子に頼まなければならない場合も出てく
ることもあります。あるいは、特別な仕事が出現してきて、どうしても手が
離せないという場合も出てきます。あるいは子どもと一緒に(人数を増やし
た共同作業)で重労働をしなければ完成しない、という場合も出てきます。
 子どもが、特別な家事の手伝いをした時、特別なお手伝いをまじめに真剣
に汗をいっぱいかいてなしとげた場合などは、子どもに少しばかりの報酬
(お金)を与えることは悪いことではありません。何か特別な手伝いをした
時は、それに報酬を与えることで、ひたいに汗して熱心に働らくことの値打
ち・価値を分かります。特別な働き、まじめに汗をかいて働いた時などは、
報酬(お金)を与えることがあってもいいでしょう。汗して働いた場合など、
子どもの時から、労働の対価として報酬(お金)があることを実感させてお
くことも必要です。


(5)けなすコトバかけをやめる

 子どもの行為をけなすコトバかけは止めましょう。次のようなコトバかけ
例です。
「あなたのやり方を見ていると、遅くて、じれったいわね。見ていられない
 わ。ぐずぐずしてないで、さっさとやんなさい」
「あなた、下手ね。もう、いいわ。お母さんがやるから、勉強でもしていな
 さい」
「下手くそね。もっと上手にできないの。あなたって、何をやってもダメな
 んだから。ぐずで、のろまで、下手くそなんだから。お母さん、恥ずかし
 いわ」
「こんなやり方じゃ、だめ。もう一度、やり直しなさい。これまで同じこと
 を何回注意されたのよ」
 相手は子どもです。最初から上手にできるはずがありません。親はじっと
待ってやる心の余裕と根気強さが必要です。幾度も繰り返していくうちに、
少しずつ上達していくのですから、親はあせらないことです。親の仕上がり
レベルを基準においては、子どもがかわいそうです。
 下手で、のろくて、じれったくて、見ていられない。わたしがやったほう
が早い。わたしがやります。お手伝いはけっこうです」などと言っては、母
親失格です。
 母親はじっと待ったやって、激励を称賛のコトバをかけてやって、時間
(期間)をかけて、幾回も繰り返させさせましょう。仕上がりがまずいなら
ば、あとで母親がこっそりとやり直ししましょう。子どもは幾回も繰り返し
ていくうちに上手になっていくのですから。子どもの前では、母親は「あな
たは見所があるぞ。前と較べたらはるかに上手になっているぞ。もっと上手
になるには、こうするとよい。ここが、もうちょっと、こうなると最高によ
い」と称賛と激励してやるのが、しつけ指導のコツです。
 「前と較べたらはるかに上手になっているぞ。」を忘れないで付け加えて
言うことです。


(6)遊びに熱中してる時には頼まない

 子どもが遊びに熱中してる時にお手伝いを頼むのは止めましょう。
「ケンちゃん、遊びをやめて、おつかいに行ってちょうだい。スーパーへ行
って、牛肉のこま切れを三百グラム、さんまを三匹、買ってきてちょうだい。
嫌な顔しないで、さっさと行きなさい」
 遊びの熱中している時、勉強している時、趣味やゲーム器に夢中になって
いる時、テレビに夢中になっている時などにお手伝いを頼むのは避けるよう
にしましょう。これらを中断させられるのは、本人にとってはこの上ない嫌
なことです。
 子どもは子どもなりに、楽しみ、予定があるわけですから、子どもの気持
ち(期待)を無視して、強引に、お手伝いを頼むのはやめましょう。
「午後5時までには、買ってきてね。まだ、2時間半、時間があるでしょ。
それまでに買ってきてね」
のように時間の余裕を与えて頼むようにします。どうしても遊び(ゲーム、
テレビ、勉強)の途中で頼まなければならない時もあります。その時は、
「お母さん、これこれの事情で忙しい。手が離せない。この場所から離れら
れない。急いでいる。ほんとにすまないけど、助けて。ごめんなさいね」
と、その事情をくわしく説明して、気持ちよく納得して引き受けてくれるコ
トバをかけて頼むようにします。



    
生き物の世話でやさしい心を育てる



 お子さんは、生き物を育てることが好きですか。
 子どもは生き物を育てる中で、さまざまな体験をし、知識を獲得し、人間
的に成長していきます。

(1)毎日、継続してエサをやったり、水をやったりしていく中で、責任感、
   忍耐強さ、持続力、集中力を身につけていきます。
(2)生き物の世話を続けていく中で、生命あるものに愛情を抱くようにな
   り、愛情が深まっていきます。生命を愛し育てる心が育っていきます。
(3)生き物をかわいがる世話と通して、やさしい心、思いやりの心を身に
   つけていきます。
(4)自然界の現象の神秘性に感動し、驚き、自然を畏敬する心を身につけ
   ていきます。
(5)飼育や栽培の実際を通して、頑強に生育させる方法、飼育・栽培の知
   識を獲得していきます。
(6)子どもの好奇心や探究心が育ちます。
(7)広大無辺の宇宙(太陽、地球、月、星、SFの世界)と自然(海、山、
   川、湖、野、山、原、林、森)に親しむことが好きになり、それらに
   興味を持って観察し、働きかけるようになります。

 生き物の世話をしながら、生き物と交流をし、対話をしながら、生き物に
対する愛情を培っていきます。生き物を鋭く観察するようになり、生命の神
秘さ、強靭さ、もろさ、はかなさをハダで感じるようになります。自然の神
秘性に畏怖する心、生命を心配し育てる心を身につけていきます。
 花の美しさ、小鳥のさえずり、虫の音の心地よさ、これら美しいものに感
動する心を、ハダで感受するようになります。動物を飼育し、植物を栽培し、
世話を通しながら、生命の不思議さと驚きと美しさを感受するようになりま
す。
 親が「きれいな花だこと! このつぼみは、あと三日ぐらいで咲くわね」
とか「このカナリアは、鳴き声が三日前から比べるとずいぶん上手になった
わね。羽毛の色艶のいいこと! 元気に健康に育っている証拠よ。エサの食
べ方のかわいらしいこと! 」等と素直に子どもの前でコトバに出して表現
してみましょう。親が「かわいらしい。美しい。成長が著しい」と驚き、感
動してみせれば、それを聞いた子どもも、「かわいらしい。美しい。成長が
著しい」と思うようになります。観察する心、生命を尊重する、やさしい心、
思いやりの心が養われることでしょう。感動する感性が練磨されていき、い
つくしみ育てようとする心が一層、養われていくでしょう。



      
家事分担はノルマではない



  次のような母と子の会話があるとしたら、どうでしょう。
「朝顔に水をやりなさい」
「ママがやってよ。わたし、宿題で、忙しいんだから。たまには、ママがや
 ってもいいでしょう」
「たまにはなんて、ママがしょっちゅうやっていて、あなたは、たまにしか
 やってないでしょう。あなたの役目なんだから、自分でやんなさい」
「じゃあ、宿題が終わってから、あとでやるよ」
「宿題が終わってからと言いながら、忘れてしまうんでしょ。これまでも、
 あとでやると言って、やらないことが何度もあったんだから。今、すぐに、
 やりなさい」
 これでは植物をかわいがるやさしい心が育つはずがありません。生き物の
世話が、家事の分担として義務感からいやいやながら実行されるようではい
けません。朝顔の水やりを、義務感から、ノルマだから、仕方なく水をやっ
ているということで、植物の栽培なんてわずらわしい、嫌なことだという考
えを持ってるだけです。

 母親が次のようなコトバかけをして、水をやるように誘いかけたらどうで
しょう。
「あら、朝顔の葉がしおれているよ。かわいそうね。水が欲しい、水が欲し
いと言っているわよ。ほら、ちょっと見てごらん、葉がだらんとして、元気
がないでしょう。これじゃ、お花が咲かないわよ。水をやると、ぐんぐん大
きくなって、お花が次々といっぱい咲くわよ」
 このように「植物に水をやらないと枯れてしまう。動物にエサをやらない
と死んでしまう。元気がないわよ。おなかペコペコよ。かわいそうよ。見て
ごらん」とか「あなた、世話の仕方が上手ね。もう、こんなに大きく成長し
たのね。あなたが、熱心に、愛情をこめて世話したからよ。熱心にエサと、
水の取り替えをやっていたからよ。小鳥の羽の色艶もよく、元気な声で鳴い
ているわ。あなたがあげたエサを、おいしいって、たくさん食べているから
よ。もっと立派に成長するようにがんばってね」というように、子どもの自
尊心をくすぐるコトバをかけていきましょう。こうして、生命を尊重し、愛
情をかけて、楽しみながら育てていく習慣を作っていくようにします。



      
手の器用さで脳力を伸ばす



 今の子どもたちは、手先が不器用であると言われています。ナイフでりん
ごの皮をむけない、ナイフで鉛筆が削れない、包丁が上手に使えない、ひも
が結べない、雑巾をしぼれない、生卵を上手に割れない、箸を上手に使えな
い、ハサミを上手に使えない、木に登れない、自分の運動靴を上手に洗えな
い、目玉焼きが作れない、ご飯を一度も炊いたことがない、味噌汁をつくれ
ない、焼魚をきれいにむしって食べられない、頭髪を自分ひとりで洗えない、
掃除の順序が分からない、など。
 不器用になった原因として、今日の生活の便利さがあります。子どもの基
本的な手指の鍛錬をおろそかにさせ、手指の巧みさと熟練にブレーキをかけ
ています。子ども同士が集団でわいわい言いながら身体を使った遊びが貧弱
になったこともあります。昔と比べてお手伝いの数が少なくなった、道具を
使っての制作遊びが少なくなった、なども原因としてあります。
 これは子ども自身の問題ではなく、大人の側がそういう体験ができる場所、
道具、仲間、時間を与えていないからだとも言えます。お手伝いや遊びを通
して、手先を器用に使う生活体験を与えていないことにあります。
 「手は外部の脳である」とか「手は第二の脳である」とか言われています。
手を器用に使うことは脳を活性化します。これはチエを伸ばすことにつなが
っているのです。手の器用さの度合いがアタマのよしあしにつながっている
と言われています。手と脳とは密接な関係にあると言われています。手を使
うことで、脳の活動が盛んになるのだそうです。
 手と脳とは別々の働きではありません。手をよく使うと、脳の働きが活性
化し、それで逆に手が司令官である脳の命令で効率よく働くようになるとい
うことです。手と脳との相互繰り返しの伝達によって、脳が効率よく働くよ
うになり、手も器用に働くようになるわけです。
 手の運動の発達と精神の発達とは切り離せません。子どもが、手でものを
いじったり、叩いたり、こねまわしたり、分解したり、組み立てたりしてい
る時、その最中に、子どもの大脳も、手にしている物体(品物)はこんな性
質があるのか、内部はこんな仕組みになっているのか、Aのように動かすと
Bのようになる、Cのように動かすとDのようになる、ここがこう連結して、
校繋がって動いていってるのか、などさまざまな思考を働かしています。手
指を使って、物体を、あれこれと動かし、さまざまに観察したり、調査した
り、工夫したり、構想したり、創造したりの思考活動をすることで、大脳を
活性化させます。手を動かすことと同時に大脳を動かす(働かせている)て
いるのです。
 子どもは本来、からだを動かすことが大好きですし、手を動かすことも大
好きです。家庭では、子どもに、からだを動かすことや手指を動かすことを
大いに奨励しましょう。あなたのお子さんが机に向かって本ばかり読んでい
るようでは、むしろ心配した方がよいのです。からだ全体を動かして五感で
学びとっていく実生活上のチエ伸ばしが重要です。身体を動かして学んでい
く知力・学力もたくさんあるのです。家事の参加、お手伝いは、手指の活動
の熟練と知力伸ばしに大いに役立ちます。

            
参考資料

 下記は、毎日新聞(2014・8・13)の投書欄「みんなの広場」に掲載されて
いた記事です。キャリア教育、実地教育、お手伝いについて書いています。

     社会教育 まずは家事から
              小学校教員 奈良孝美 259 (前橋市)

 先日、ショッピングセンターで和菓子を購入した際、店の奥で、小学生数
人が慣れない手つきで、まんじゅう作りをしている姿を見かけた。聞いてみ
ると、夏休みを利用して、地元専門店街が企画した職場体験に参加している
という。
 今、学校では、将来に向けて社会的、職業的に自立し社会の中で自分の役
割を果たしながら、自分らしい生き方を実現するため、キャリア教育が実践
されている。中学校などでは、農業体験などの職場実習が行われているよう
だ。
 私が小学生だった半世紀前は、毎日、家畜のエサやりが割り当てられてお
り、家族の一員としての仕事があった。家庭で家事の仕事分担をすることで、
生活が成り立ち、家族の絆も生まれたように思う。各学校ではキャリア教育
に取り組んでいる。その第一歩は、家庭である。まずは、風呂そうじや食器
洗いなど、身近なことから始めたらどうだろうか。



       
子どものトイレ掃除の是非


 あなたの家では、だれがトイレを掃除していますか。子どもにトイレ掃除
をさせていますか。新聞に次のような投書が掲載されていました。学校のト
イレ掃除、家のトイレ掃除、子どもがすることにみなさんはどう思いますか。
皆さんの学校ではどうなっているのでしょうか。下記の投稿文を参考にして、
みなさんで話し合ってみましょう。

           
参考資料

 下記は、読売新聞(2014・12・22)の投書欄「気流」に掲載されていた記
事です。

    学校のトイレ掃除 使う児童が参加を
              大学生 斎藤悠也 20 (東京都江東区)

 インターンシップ(就業体験)で小学校を訪問した。児童が下校した後、
教職員がトイレの掃除を始めたことに驚いた。
 業者による掃除は、予算の都合もあって月に数回で、足りない分は教職員
が掃除しているという。私は小学生の時、自分たちでトイレを掃除していた
ので、意外に思った。
 ただ、学校は、児童と教職員が一緒に作り上げていく場所だと思う。児童
がトイレ掃除をすることを喜ばない保護者もいるかもしれないが、児童が使
うトイレは、やはり児童が掃除して方がよいと思う。トイレをきれいに使う
ことの大切さを知ることにもなるのではないだろうか。



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