音読授業を創る そのA面とB面と 2011・05・05記 物語文に分読(役割音読、群読) を取り入れた授業例 「くじらぐも」に役割音読を取り入れる ★分読する原文個所 みんなは、手をつないで、まるいわになると、 「天までとどけ、一、二、三。」 と、ジャンプしました。でも、とんだのは、やっと三十 センチぐらいです。 「もっとたかく、もっとたかく。」 と、くじらがおうえんしました。 「天までとどけ、一、二、三。」 こんどは、五十センチぐらいとべました。 「もっとたかく、もっとたかく。」 と、くじらがおうえんしました。 「天までとどけ、一、二、三。」 (光村1下) ★分読を取り入れる目的と方法 ここの文章個所を、分読による集団読みと動作化をとりいれた音読授業を 計画します。 まず、会話文の指導をします。「この会話文はだれが話しているか」をは っきりさせます。ここでは、一年二組の子ども達とくじら雲との応答である ことを初めにおさえておきます。 「一年二組の児童達を読む児童」と「くじらの会話文を読む児童」と「地 の文を読む児童」とに区分けします。学級児童全員を三つに分けて役割分担 による集団読みをします。少人数のグループ分けの役割分担でもよいでしょ う。くじらぐもの読み声は一人の児童でもよいですが、ボリューム感をだし て何人かでもよいでしょう。地の文のナレーションは先生が受け持ってもよ いでしょう。 グループの役割音読をすると、子ども達は喜びます。活気づきます。子ど も達とくじら雲との掛け合いの応答がメインとなります。地の文はナレー ターですから、場面の説明役です。ナレーターは場面の状況説明をする役に なります。そのつもりで音声表現させます。あまり感情を入れずに淡々と説 明してるように読みます。ナレーターによる地の文の読みは省くこともでき ます。 一年二組の子ども達は高く跳び上がろうという気持ちをいっぱいにして音 声表現するとよいでしょう。その気持ちを押し出して音声表現させます。 くじらは、大声で応援している掛け声で言わせるとよいでしょう。運動会 で、みんなが応援している声を思い出して表現するようにさせます。「がん ばれ、がんばれ。もうちょと高くだ。そらー、がんばれー。」という気持ち をいっぱいにして音声表現させます。そんな言いぶりの音調を作って音声表 現させます。 読み手人数の配分は、「みんな」は、学級児童全員で声をそろえて読むの が実際に合っていると言えましょう。学級児童たちは一年二組の子ども達に 同化して読み進めていることでしょう。くじらの人数は一人、ナレーターも 一人、が理想的ですが、読みたいという意欲人数や、読み声の現実・場面の ぴったり度などによって臨機に変更してかまわないでしょう。ナレーターは、 りんりんと響く声が映えます。 地の文のナレーターは、テレビ映像での事故現場からの実況中継を映像で 目にしていることでしょう。それを思い出させます。または野球やサッカー の試合のアナウンサーの実況中継、そうした場面の語り方を思い出しながら 音声表現させるとよいでしょう。 また、「くじらは体が大きいですね。声援する声も大きいでしょうね。」 ということで、くじらも人数を増やして太く大きく読むことがあってよいで しょう。こうしたやり方で、教科書原文の役割音読の音声表現をしていきま す。 この物語は、動作化を入れた音声表現が似合っています。学級全員がお互 いに手をつなぎ、まるい輪を作ります。全員で「天までとどけ、一、二、 三。」と言ってから、ジャンプさせます。「三」と言ったら全員で一斉にジ ャンプすることにします。 くじら役を1名または5,6名ぐらい配当し、くじらの会話文を音声表現 させます。「くじらは、おうえんしました。」ですから体いっぱいで応援し ます。 地の文は1名または3、4名ぐらい配当し、ナレーター役を作ります。人 数の配分は、学級児童の意見や、希望人数を取り入れながら決めていくのも よいでしょう。 どうすればよりよいジャンプ場面が作れるか声が合わせられるか、学級児 童の実態に応じて音声表現の仕方、動作化その段取りなど、みんなで作り上 げていくようにします。 一回目は三十センチ、二回目は五十センチ、三回目は成功(雲に飛び乗れ た)です。ですから、回を追うごとに、掛け声に力が入って、はずんだ大声 で、ジャンプはより高く、というのはむずかしいかな。そんな思い・気持ち をこめて、役割音読による集団読みと動作化をとりいれた楽しい国語授業を していきましょう。 なお、「くじらぐも」の音読授業をデザインする」を本HPに掲載してい ます。そちらも参考にしてお役立てくださるとありがたいです。 ───────────────────────────────────── 「ふきのとう」に群読を取り入れる ★分読を取り入れる原文個所(1) 春風に ふかれて、竹やぶが、ゆれる ゆれる、おどる。 雪が、とける とける、水に なる。 ふきのとうが、ふんばる、せが のびる。 ふかれて、 ゆれて、 とけて、 ふんばって、 もっこり。 (光村2上) ★分読を取り入れる目的と方法 暖かな春風に吹かれて、 竹やぶが、ゆれます、踊りだします。 雪が、とけだします、水になります。 ふきのとうが、ふんばって、おきあがります、せがのびます。もっこりと 全身を出して、「こんにちは」と挨拶をします。 動作主(動作動詞の主体)は誰でしょう。 春風ですね。春風によって、竹やぶがゆれたり、踊ったり、雪がとけたり、 ふきのとうのせがのびたりします。 まず、これをはっきりと理解させましょう。春風にふかれて、なにが、ど うなったのか。どんな順序を経過して、最後に、ふきのとうはどうなったの か。これらのことを、最初に指導しておきましょう。春風とはどんな風か、 について話し合うことは重要ですから、忘れてはいけません。 はじめに「竹やぶが、ゆれる、ゆれる。竹やぶが、おどる。」です。ゆれ るが二回書いてあります。一回と二回では、どう違うかを話し合いましょう。 動きやリズムが出てきます。絵に描くとどう違うか、荒削りな絵で表現させ てもいいですね。 次に「雪が、とける、とける。雪が、水になる。」です。ここにも「とけ る」が二回書いてあります。一個と二個との、二つの感じの違いを話し合い ましょう。 それから「ふきのとうが、ふんばる。ふきのとうの背が、伸びる。」です。 もう一度、まとめて、繰り返して、春風にふかれて、竹やぶがゆれて、雪 がとけて、ふきのとうがふんばって、こうした結果、ふきのとうが、動き出 す、背がぐんぐん伸びだす、もっこりとふくらんで顔をだす、体全体が出て くる、です。 ここの場面の文章は、「ゆれる ゆれる」のようにリピート(繰り返し) を用いることで、野球場の観客のウエーヴみたいな動きを作る表現上の効果 を発揮しています。 ここの場面を音声表現するときは、「ゆれる ゆれる。おどる。とける とける。ふんばる。せがのびる。」の動きや流れる感じを音声の表情で表現 できたらいいですね。 うねりや動きの音声表情を作るためには、一連の動きの時間の流れの中 で次々と追いかけ、追い込み、たたみかけ、走っていく読み調子・リズムの 音声表現が出すとよいでしょう。竹やぶが、ゆれる波の動きを音声で作りだ します。リズムをつけた音声表現にして、動きを作って、声の強弱を入れて、 たたみかけて、など音声表現の仕方をいろいろと工夫し、確かめながら、楽 しんで遊びながら、大胆な試みをしながら、失敗は当たり前としながら、い ろいろと試行していくようにします。輪唱のようにずらして次々に読み進ん でいく音声表現の手法も考えられます。 それと、「ふんばる」「せがのびる」「ふんばって」「もっこり」は、こ の語句の個所で力みを入れ、力をこめて読むと、ふんばった、伸びあがる音 声表情が出るのではないでしょうか。がんばって、のび上がっている表情を 思い浮かべながら、気持ちをこめて読むとよいでしょう。 「もっこり」は、ゆっくりと、「も・おうっ・こ・り」と大げさに、ふん ばって音声表現する方法もあります。単調にならないように、リズムやメロ ディー、歌うような流れる調子をつけながら、わざと大げさな変化をつけた りしながら、いろいろな表現を試みて、楽しんでみるとよいでしょう。 以下のような方法もあります。ここの場面の文章の途中に言葉を挿入して 音読させる方法です。下記に例を示しています。 春風に 竹やぶが ヒュ−ッと ふかれて、 竹やぶが 右に 左に いっせいに ゆらゆら、 ゆれる、 ゆれる、 おどる 、おどる。 すると、雪が チョロ チョロ とけだす、とけだす、水になる、水に なる。ちっちゃな川になる。 まってましたと、ふきのとうが ウンーッと ふんばる、ググウーッと せがのびる。 春風に ふうーーっと ふかれて、 竹やぶが 大きく ゆれて、ゆれて、 雪が チョロ チョロ とけて、とけて、 ふきのとうが ウンーッと ふんばって、ググーッと せが のびて、 ふきのとうが もっこり もっこり あたまを出す。 挿入する言葉は、学級児童に考えさせます。こうした指導は、場面の様子 がありありと見える音声表現にする手立て与えの指導になります。 挿入した文章全体を音読させると、場面の様子がよりありありと浮かぶ ようになります。この例を参考に、皆さんの学級でも独自の文案を作成して 音読させてみましょう。挿入文と原文とを比較して、どこがどう違ってくる かを話し合わせるのもよいでしょう。原文のほうがリズムがあって、動きに 変化があって、簡潔で、軽快でよい、というような言語感覚を育てる指導に もなるでしょう。 最後に、群読指導もしてみましょう。 教師が次のような群読台本を作成 します。「動き」が音声表情で表現できたら成功です。 次の台本は一例です。かっこ内の数字は、読み手児童の人数です。 みなさんの学級児童の声の出方、響きの大きさ、たたみかけ方、読み声の音 調やリズム調子や音声表情などによって、人数や読み手を自由に変更し、 「動き」のある音声表情を工夫させて、学級独自の台本と群読作りをしてみ ましょう。「動き」を出すには、くるりくるりと、次へ次へと畳みかけ、追 いかけていくリズムやメロディーの音声表情を出していくのも一つの方法で す。 春風に(1)、ふかれて(3)、 竹やぶが(1)、ゆれる(2)、ゆれる(4)、おどる(6)。 雪が(1)、とける(2)、とける(4)、水になる(6)。 ふきのとうが(1)、ふんばる(5)、せがのびる(6)。 ふかれて(1) ゆれて(2)、 とけて(4)、 ふんばって(6)、 もっこり(全)。 ★群読を取り入れる原文個所(2) ふきのとうが、かおを 出しました。 「こんにちは。」 もう、すっかり 春です。 (光村2上) ★分読を取り入れる目的と方法 この作品の最後の部分です。 すっかり春の場面の群読指導をしてみましょう。喜びの気持ちを学級全員 の声で音声表現してみましょう。もう、すっかり春になった喜びの気持ちに なって音声表現させてみましょう。 二つの群読台本を作成してみました。これを参考に、みなさんの学級の実 態に合わせて自由に変更を加えて実践してみてください。( )の中の数 字は、同じ読み手グループ内で一緒に読む人数です。 「こんにちは」は、ふきのとうになった喜びの気持ちをいっぱいにして、 大げさぐらいの挨拶言葉にしてもいいのではと思います。 「すっかり春です」は、明るく、からりと晴れた表情で、すっくと立てて、 目立たせて音声表現するぐらいでいいのではと思います。 《その1》 ふきのとうが、かおをだしました。(5) 「こんにちは。」(学級女子半分) 「こんにちは。」(学級男子半分) 「こんにちは。」(残り女子半分) 「こんにちは。」(残り男子半分) もう、すっかり春です。(学級女子全員) もう、すっかり春です。(学級男子全員) 《その2》 ふきのとうが、かおをだしました。(5) (ふきのとう1) 「こんにちは。」(1) (ふきのとう2) 「こんにちは。」(1) (ふきのとう3) 「こんにちは。」(1) (ふきのとう4) 「こんにちは。」(1) (ふきのとう5) 「こんにちは。」(1) (ふきのとう6) 「こんにちは。」(1) もう、すっかり春です。(学級女子全員) もう、すっかり春です。(学級男子全員) もう、すっかり春です。(学級全員) (注記)「こんにちは。」は、6人の読み手とは限らないで、時間差で、あ ちこちからバラバラに一回だけ言う方法や、一部分、重なりがあってもかま わない方法など、いろいろな表現の仕方があるでしょう。 ───────────────────────────────────── 「スイミー」に役割音読・群読を取り入れる ★分読を取り入れる原文個所(1) スイミーはいった。 「出てこいよう。みんなであそぼう。おもしろいものが いっぱいだよ。」 小さな赤い魚たちは、こたえた。 「だめだよ。大きな魚に食べられてしまうよ。」 「だけど、いつまでもそこにじっとしているわけにはいか ないよ。なんとかし考えなくちゃ。」 スイミーは考えた。いろいろ考えた。うんと考えた。 ★前個所を分読(役割音読による集団読み)した例 ナレーター スイミーは、言った。 スイミー 出てこいよ。みんなであそぼう。おもしろいものがいっぱいだ よ。 学級全員 だめだよ。大きな魚に食べられてしまうよ。 スイミー だけど、いつまでも そこに じっとしているわけには いか ないよ。なんとか考えなくちゃ。 ナレーター スイミーは考えた。いろいろ考えた。うんと考えた。 ★分読を取り入れる目的と方法 この場面を、劇化(完全な劇ではない)にして、楽しい読解授業を計画し ます。ナレーター(児童用語で、説明役、説明する人)を一名選びます。ナ レーターは、「スイミーは言った。」と「スイミーは考えた。いろいろ考え た。うんと考えた。」の部分を、場面を説明しているというつもりで音声表 現します。 最後部の台詞・ナレーターは三人の分担読みでもよいでしょう。または、 数人のグループ読みでもよいでしょう。たとえば、 ナレーター1(一人、数人) スイミーは考えた。 ナレーター2(一人、数人) いろいろ考えた。 ナレーター3(一人、数人) うんと考えた。 のようにです。 以下、つづけて、荒木の独断と偏見による台本作りの留意点を書きます。 「小さな赤い魚たちは答えた。」は、ナレーターは読みません。省略します。 その理由は、直後に小さな赤い魚たちのしゃべりが続くから、くどくなるか らです。スイミーの「出てこいよう」の問いかけの直後に、赤い魚たちの返 事(答え)の続いた方が劇化場面にふさわしいからです。 スイミー役を一名選びます。ほかの学級児童たちは「赤い魚たち」役です。 スイミー役は教室前面に出て、学級児童たちと対面して呼びかけます。赤い 魚たち(残り児童全員)に向かって、大きな声で呼びかけ口調で語りかけま す。手でメガホンを作って大声で呼びかける語りかけもよいでしょう。 小さな赤い魚たち役は、座席に座っている残りの児童全員です。残り全員 でスイミーの呼びかけ(問いかけ)に声をそろえて一斉に返事をします。小 さく身をちぢめた動作で答えるのもよいでしょう。大声で表現することもで きますし、恐怖におびえて小声で返事することもできます。いろいろとやっ てみるとよいでしょう。 ナレーターが最後の3文「スイミーは考えた。いろいろ考えた。うんと考 えた。」を読むとき、3文を区切ってたっぷりと間を空け、全体をかんでふ くめるようにゆっくりと音声表現します。教室前面で、スイミー役の児童は 「考えてる動作」(腕組みするとか、頭をかしげるとか)をさせてるのもよ いでしょう。ナレーターは、スイミーが「考えてる動作」をしているのを片 手をつきだして、指して、紹介している動作をしながら、もよいでしょう。 ★分読を取り入れる原文個所(2) みんなが、いっぴきの大きな魚みたいに泳げるように なったとき、スイミーはいった。 「ぼくが目になろう。」 あさのつめたい水の中を、ひるのかがやく光の中を、 みんなはおよぎ、大きな魚をおいだした。 ★分読(群読)の例 ナレーター(1名) みんなが、いっぴきの大きな魚みたいに泳げるよう になったとき、 スイミーはいった。 スイミー(1名) ぼくが目になろう。 学級男子全員 あさのつめたい水の中を、 学級女子全員 ひるのかがやく光の中を、 学級全員 みんなはおよぎ、大きな魚をおいだした。 学級全員 大きな魚をおいだした。 ★分読を取り入れる目的と方法 この文章部分を群読形式で音声表現し、学級全員で楽しんでみましょう。 ここでの群読台本はひとつの試みです。みなさんの学級の実態に合わせて 台本を変更し、利用なさっていただくことを希望します。 「大きな魚」をおいだした小さな魚たちの知恵と集団の力のすばらしさに 感動があります。小さな魚たちがまとまって一匹の大きな魚を形作ったとは、 なんとすごい智恵でしょう。小さな魚たちが一匹の大きな魚を形作り、「大 きな魚」を「追い出し」た智恵のすごさに驚かされます。「追い出した」智 恵のすごさに感動しながら、喜びの気持ちをあふれさせて音声表現します。 「おいだした」を、感動をこめて「なんとすばらしいことだ」という気持ち で、力強く音声表現します。 学級児童たちの群読の声の表れかたによっては、人数配分や児童の組み 分けを自由に変更してみましょう。人数の配分は集団音声の現れ方がどうで あるかによって、各学級ごとに変わります。読み手の児童たちが変われば、 声質や声量や音調がみな変わってくるからです。ここで重要なことは、小さ な魚たちのまとまりの偉大さ、集団の偉力が集団音声に表れることにねらい をおきます。 二番目の学級全員の読み声は、一番目よりか更に大きな声にして「大きな 魚をおいだした」と音声表現します。あるいは二番目の「大きな魚を」を女 子全員で読み、「おいだした」を男子を含めて全員で読むとか、いろいろや ってみましょう。その中から児童に一番ぴったりした音声表現の仕方はどれ かを選択させるのもよいでしょう。 最後に(追い出した後に)こんな付け足しを言わせてはどうでしょう。 舞台をみている観衆たち(児童たち)をわざと作ります。そして「すご いー」とか「すてきー」とか「でかした」とか「ブラボー」とか「やった ぜー」とか、こんな賞賛と快哉と歓呼の喝采の言葉を言わせ、一斉に拍手を 与える組(役)を作ってはどうでしょう。観客を巻き込んで舞台と一体にな って、全員で小さな赤い魚たちに賞賛と歓呼に満ちあふれた教室場面を作る のもよいでしょう。 なお、「スイミーの音読授業をデザインする」を本HPに掲載しています。 そちらも参考にしてお役立ていただくとありがたいです。 ───────────────────────────────────── 「ごんぎつね」に役割音読を取り入れる ★分読を取り入れる原文個所 ごんは、お念仏がすむまで、いどのそばにしゃがんでいま した。兵十と加助は、またいっしょに帰っていきます。ごん は、二人の話を聞こうと思って、ついていきました。兵十の かげぼうしをふみふみ行きました。 おしろの前まで来たとき、加助が言いだしました。 「さっきの話は、きっと、そりゃあ、神様のしわざだぞ。」 「えっ。」 と、兵十はびっくりして、加助の顔を見ました。 「おれはあれからずっと考えていたが、どうも、そりゃ、 人間じゃない、 神様だ。神様が、お前がたった 一人になったのをあわれに思わしゃって、いろんな物を めぐんでくださるんだよ。」 「そうかなあ。」 「そうだとも。だから、毎日、神様にお礼を言うがいいよ。」 「うん。」 ごんは、「へえ、こいつはつまらないな。」と思いました。 「おれがくりや松たけを持っていってやるのに、そのおれには お礼を言わないで、神様にお礼を言うんじゃあ、おれは引き 合わないなあ。」 ★分読を取り入れる目的と方法 この文章個所には、連続する会話文があります。このような文章個所は、 配役を決めて役割音読するのに適しています。会話文だけの役割音読(分担 読み)をすることで、場面の様子がありありと再現できます。話してる人物 たちの気持ちもはっきりしてきます。 加助と兵十が対話している場面を実際に疑似行動で体験することで、二人 はどんな気持ちでいるか、どんな話ぶりで話しているか、二人の話調が明確 に理解できるようになります。実際にその場面にいるかのような体験をする からです。 この文章個所には、ごんのひとり言のカギカッコの会話文が二つあります。 最後の会話文は二つ、地の文に挟み込まれた、ごんのひとり言のカギカッコ の会話文です。ごんが独り言してるように二つの会話文を音声表現しなけれ ばなりません。 次の兵十と加助の会話文は、二人で山道を歩きながら、二人は半信半疑な 気持ちで、確かな証拠も浮かばず、おかしなことがあるものだ、不思議なこ とがあるものだ、という気持ちで語り合っています。二人で対話している話 しぶり、やりとりしている音調で音声表現するとよいでしょう。 最後のごんの会話文は、独り言ですから、ごんが小さな声でぶつくさとつ ばやいている感じにして音声表現するとよいでしょう。「おれは」と「と言 いました」とを省略します。二つの会話文をつなげて音声表現します。 加助 「さっきの話は、きっと、そりゃあ、神様のしわざだぞ。」 兵十 「えっ。」 加助 「おれはあれからずっと考えていたが、どうも、そりゃ、人間じゃな い、神様だ。神様が、お前がたった一人になったのをあわれに思わ しゃって、いろんな物をめぐんでくださるんだよ。」 兵十 「そうかなあ。」 加助 「そうだとも。だから、毎日、神様にお礼を言うがいいよ。」 兵十 「うん。」 ごん 「へえ、こいつはつまらないな。おれがくりや松たけを持っていって やるのに、そのおれにはお礼を言わないで、神様にお礼を言うんじ ゃあ、おれは引き合わないなあ。」 これにナレーターを付け加えて地の文を語らせることもできますが、こう なるとこの文章個所の全文音読と変わらなくなり、新鮮味がなくなってしま います。やはり、会話文だけを取り出して音声表現させたほうが、がら りと違った雰囲気が作り出されてきます。それに臨場感が作り出されて、地 の文を省略したほうが、臨場感や迫真性がせまって、おもしろく音声表現で きるでしょう。このほうが音声表現しやすく、子どもたちも喜ぶでしょう。 物語「ごんぎつね」には、このほかにもいろいろと役割音読や分読(群 読)する個所があります。以上を参考にして学習活動の変化を持たせて授業 していきましょう。 なお、「ごんぎつね」の音読授業をデザインする」を本HPに掲載してい ます。参考までにそちらもお役立てくださるとありがたいです。 ───────────────────────────────────── 詩「なみはてかな」に群読を取り入れる ★分読を取り入れる原詩 なみは てかな こわせたまみ なみは てかな うみの てかな なみうちぎわで ぱっと ひらいた なみは てかな しろい てかな かいがら ひとつ ぱっと なげた なみは てかな つないだ てかな なみうちぎわを ぱっと かこんだ (学図1上) ★分読を取り入れる目的と方法 この詩は、三つの連で構成されています。各連が「3・3」「3・3」 「7」「3・4」のリズムになっています。二連四行目が「3・3」、三連 二行目は「4・3」と例外があります。全員で手を打ち、拍を数えて、各連 がリズム調子がよいことば並べになっていることに気づかせましょう。 各連の一行目はすべて「なみは てかな」です。各連の三行目は「ぱっと (ひらいた。なげた。かこんだ)」の「ぱっと」になっています。このこと にも気づかせましょう。各連に同じ語句があると、一層リズム調子がよくな ります。こういう書き方は、通常の文章とは違っていることに気づかせまし ょう。そして、こういう書き方を「詩(し)」というのだ、ということを知 らせましょう。 話者は海岸で、打ち寄せてくる波や、波打ち際で砕け散っていく波の様子 を観察して、そのことを詩にしています。いや、この詩はそんな静態的な観 察描写ではありませんね。話者は小学校低学年ぐらいの子どもでしょうか。 海岸で打ち寄せる波とキャッキャッと言いながら戯れて、遊んでいるのでし ょうか。海岸で波と遊び戯れている子どもの目線(思考)で、その時の子ど もの言葉で描写している詩だ、といえるでしょう。 この詩は小学校一年生の教科書上巻に掲載されている詩です。この詩を読 んでいく子ども達は、自分が海岸で打ち寄せる波と遊んでいる場面を想像し て、海岸での遊びの場面の中に入り込んで、その時の現実の行動場面に身を 置いて、この詩を読んでいくことでしょう。リズム調子よく、明るく、楽し い気持ちで音声表現していくことができます。 この詩を、コトバ遊びとして音声表現するのもおもしろいでしょう。子ど も達は喜ぶでしょう。 各連の一行目と二行目とは同じような描写表現をもつ詩句になっています。 一連は「なみは てかな うみの てかな」、二連は「なみは てかな し ろい てかな」、三連は「なみは てかな つないだ てかな」です。つま り、各連導入への掛け声のようなリードの性格を持つ詩句です。各連の一行 目と二行目とを「ワッショイ、ワッショイ」の掛け声、そのようなリズム調 子をつけて音声表現(斉読)してみましょう。全員で、ワッショイのリズム をつけて各連の一行目と二行目を音声表現してみましょう。二回、繰り返し て言うと調子がでるでしょう。一回目は声を大きくしてリズム調子よく音声 表現(斉読)します。二回目は声を小さくしてリズム調子よく音声表現(斉 読)します。 各連の三行目と四行目とは、ごく普通の読本音読と同じ読み調子で、普通 のリズムで、メリハリをつけて、通常の調子で音声表現していきます。 この詩は前述したように小学校一年生教材ですから、一年生は一年生なり の目線(思考、見かた・考え方)でイメージ化(解釈)して音声表現してい くことでしょう。教師の解釈を強引に押し付けることはやめましょう。 子ども達は、話者と一緒になって海岸でキャッキャッと言いながら波遊び をしている、その創造の中で、楽しい気持ちになって、この詩を理解し、表 現していくことでしょう。 子ども達の日常会話の生き生きした話しぶり・音調にして、子どもの素直 なかわいらしい素直な語りにして音声表現させていきます。弾んだ、うきう きした気持ちで音声表現させたいですね。こうした表情・気持ちを先に立て て音声表現していくとメリハリのついた音声表現になるでしょう。 「なみは てかなあー」「うみは てかなあー」「しろい てかなあー」 のように文末を長く伸ばして、尻上がりに上げるのもよいでしょう。または、 文末「かな」の「な」を短く切って、強く短くはねあげて切った音声表現に するのもおもしろいでしょう。「ぱっと」「ぱあっと」「ぱあーと」など。 三つの「ぱっと」は、三つとも、強く高く音声表現して目立たせた、強調 した音声表現にするのがよいでしょう。「ぱっと」にも、いろいろな音声表 情のつけかたがあるでしょう。 次のようなコトバ遊びの音声表現にするのもおもしろいです。子ども達は 喜ぶでしょう。 それの第一連個所だけの台本を書きます。声量大で音声表現するグループ、 声量小で音声表現するグループに組み分けして読んでもよいですし、一人で 下記範囲を全部音声表現するのもよいでしょう。下記では、一応「全員」で 音声表現する台本にしています。 全員声量大 「なみは / てかな」(ワッショイ/ワッショイのリズムで) 全員声量小 「なみは / てかな」(ワッショイ/ワッショイのリズムで) 全員声量大 「うみの / てかな」(ワッショイ/ワッショイのリズムで) 全員声量小 「うみの / てかな」(ワッショイ/ワッショイのリズムで) 全員声量大 「なみうちぎわで / ぱっと / ひらいたあー」 上記のバリエーションは、いろいろと考えられます。例えば下記のような 音声表現もその一つです。子ども達にバリエーションを考えさせて、子ども 達に創作させて、いろいろな音声表現のことば遊びをして楽しんでみましょ う。 全員声量大 「なみは / てかな」(ワッショイ/ワッショイのリズムで) 全員声量小 「なみは / てかな」(ワッショイ/ワッショイのリズムで) 全員声量大 「うみの / てかな」(ワッショイ/ワッショイのリズムで) 全員声量小 「うみの / てかな」(ワッショイ/ワッショイのリズムで) 全員声量大 「なみうち /ぎわで」(ワッショイ/ワッショイのリズムで) 全員声量小 「なみうち /ぎわで」(ワッショイ/ワッショイのリズムで) 全員声量大 「ぱっと 」(ワッショイのリズムで) 全員声量小 「ぱっと 」(ワッショイのリズムで) 全員声量大 「ぱっと 」(ワッショイのリズムで) 全員声量小 「ぱっと 」(ワッショイのリズムで) 全員声量大 「ひらいたあー / ひらいたー / ひらいたあー」 ───────────────────────────────────── 「こわれた千の楽器」に分読を取り入れる ★分読を取り入れた原文個所 省略します。理由は、「こわれた千の楽器」の全文だからです。全文を ここに書くことは出来ません。ここで読者に伝えたいことは、会話文が多い 物語は全文の役割音読で授業すると子どもは喜び、場面や状況が分かりやす く理解できる、ということです。長文の場合は区切って練習するとよいでし ょう。「こわれた千の楽器」は、東書4上に掲載されている教材文です。 ★分読を取り入れる目的と方法 答えは前述しました。連続する会話文が多い物語は役割音読を取り入れる 学習活動を取り入れるとよい、ということです。 この作品は殆んどが会話文で構成されています。地の文は少ししかありま せん。楽器たち同士の会話文が全体の七割ぐらいを占めています。そのほか 月と楽器との会話文もあります。 ですから、この作品の読解は楽器たちがどんな状況の中で、どんな気持ち で、これら会話文を語っているかを推定する学習が大切となります。そして 楽器たちの気持ちに入り込んで会話文の役割音読をしていくと楽しく授業を 進めていくとよいでしょう。児童が楽器の気持ちに入り込んで会話文を読み 進めていくことで、状況の中にわが身をおいて、状況を身体にしみこませた 音声表現で作品世界を楽しんでいくことができます。 荒木は、ここでは、三つの場面に分けて役割音読をさせる指導計画(台本 作り)を立ててみました。荒木が作成した役割音読の台本は後述します。 まず、台本づくりをした観点を書きます。地の文は、ナレーターに語らせ ました。ナレーション(地の文)個所は必要最小限にしました。連続する会 話文の対話個所を多くするため、ナレーション(地の文)はできるだけ少な くして、わざわざ言う必要のない地の文はカットしました。連続する会話文 個所の台本作りに重点をおきました。 登場人物は、ナレーターを一人、あとは一人一人の楽器たちと月です。役 割音読は、これら人物たちの連続する対話で進めることにします。 楽器人物の数により役割音読の配役が当てられない児童達は聞き役・聴衆 となります。しかし、しゃべらない聞き役は作りたくなかったので、聞き役 だけの児童たちにも役割音読に参加できるようにしたいと考えました。それ で、ナレーターのナレーションの中にほんの短い文章部分ですが、群読形式 を入れた台詞を挿入しました。台本の中にある「全児童」とは、月役と楽器 役の児童たちを除いた全児童のことをさしています。 ★登場人物たちの役割配当 この作品の登場人物たちは、月、チェロ、ホルン、トランペット、たいこ、 ビオラ、ピッコロ、もっきん、バイオリン、コントラバス、オーボエ、フ ルートです。楽器が12種類、登場しています。それに月が登場します。 荒木が作成した群読台本の三つの場面は、次のようです。 第一場面は、月との会話がきっかけで楽器たちが演奏をはじめようと相談 している個所です。 第二場面は、楽器たちが演奏練習に夢中になっている個所です。 第三場面は、月が楽器たちの演奏にうっとりしている場面です。 第一場面と第三場面には、会話文は誰が話したか、原文に話し手が文章と して書かれています。しかし、第二場面には、その会話文は誰が話したか、 話し手が原文には指定されて(書かれて)いません。それで、荒木は第一場 面に登場した人物から選択して第二場面の話し手人物を配当しました。 題名「千の楽器」ですから、第一場面に登場していない(書かれていな い)楽器名でもよいと考えました。第一場面に登場していない楽器を当てて 配役の配当をしてもいいわけです。わたしは第一場面に登場していた楽器名 を第二場面に当てています。どちらでもよいと思います。 ★「千」という語句について 「千の楽器」の「千」について調べてみました。大辞林(三省堂)に次の ように書かれています。 【千】数の単位で百の十倍。また、数の多いこと。 千に一つ=多くの中のたった一つ。ありえないことをいう。 千も万もいらぬ=かれこれいうに及ばない。 本教材に当てはまる意味は、「数が多い」ということ、「たくさんの楽 器」という意味でつかわれています。 「こわれた千の楽器」群読台本 作・荒木茂 第一場面 ナレーター ある大きな町のかたすみに、楽器倉庫がありました。そこに は、こわれて使えなくなった楽器たちが、くもの巣をかぶっ て、ねむっていました。あるとき、月が倉庫の高まどから中を のぞきました。 全児童 月が倉庫の高まどから中をのぞきました。 月 「おやおや、ここはこわれた楽器の倉庫だな。」 チェロ 「いいえ、わたしたちは、こわれてなんかいません。働きつか れて、ちょっとやすんでいるんです。」 月 「いやいや、これはどうも失礼。」 チェロ 「わたしは、うそを言ってしまった。こわれているのに、こわ れていないなんて。」 ハープ 「自分がこわれた楽器だなんて、だれが思いたいものですか。 わたしだって、夢の中では、いつもすてきなえんそうをして いるわ。」 ホルン 「ああ、もう一度えんそうがしたいなあ。」 トランペット「えんそうがしたい。」 たいこ 「でも、できないなあ。こんなにこわれてしまっていて、でき るはずがないよ。」 ビオラ 「いや、できるかもしれない。いやいや、きっとできる。たと えば、こわれた十の楽器で、一つの楽器になろう。十がだめ なら十五で、十五がだめなら二十で、一つの楽器になるん だ。」 ピッコロ 「それは名案だわ。」 もっきん 「それならぼくにもできるかもしれない。」 バイオリン 「やろう。」 コントラバス「やろう。」 オーボエ 「やろう。」 フルート 「やろう。」 第二場面 ナレーター 楽器たちは、それぞれ集まって練習を始めました。 全児童 練習を始めました。 チェロ 「もっとやさしい音を!」 ホルン 「レとソは鳴ったぞ。」 ビオラ 「げんをもうちょっとしめて……。うん、いい音だ。」 たいこ 「ぼくはミの音をひく。君はファの音を出してくれないか。」 ナレーター 毎日毎日練習が続けられました。そして、やっと音が出ると、 トランペット「できた。」 もっきん 「できた。」 ピッコロ 「ぴったりの音がでたわ。」 ハープ 「それ、ぴったりの音よ。」 ナレーター みんなは、おどり上がって喜びました。 全児童 みんなは、おどり上がって喜びました。 第三場面 ナレーター ある夜のこと、月は、楽器倉庫の上を通りかかりました。す ると、どこからかすてきな音楽が流れてきました。 月 「なんときれいな音。だれがえんそうしているんだろう。」 ナレーター それは、前にのぞいたことのある楽器倉庫からでした。そこ では、千の楽器がいきいきと、えんそうに夢中でした。おた がいに足りないところをおぎない合って、音楽をつくってい るのでした。 全児童 おたがいに足りないところをおぎない合って、音楽をつくっ ているのです。 月 「ああ、いいな。」 ナレーター 月は、うっとりと聞きほれました。そして、月は音楽におし 上げられように、空高く上っていきました。 全児童 そして、ときどき思い出しては、光の糸を大空いっぱいにふ きあげました。 この台本における音声表現のヒント 第一場面 ナレーター アナウンサーがニュースを読むように、淡々と、冷たく、 読み手の気持ちをこめないで、説明しているように、伝え て、読む。 全児童 ナレーターと同じ。 月 おおらかに、ゆったりと、ゆっくりと。ちょっとおどろいて。 チェロ 反発して、はむかって、おこって言う。 月 おおらかに、ゆったりと、ゆっくりと、許しを乞うて言う。 チェロ しょんぼりして、はんせいして、力なくさびしそうに。 ハープ くやしそうに、いまいましそうに、あきらめきらない気持ち で。 ホルン かなしんで、「あーあ」とのばす、「したいなあ」の文末は 下がる。 トランペット かなしんで、元気なく。「したーい」とのばして、下げる。 たいこ がっかりして、元気をなくして、気落ちして言う。 ビオラ 元気をだして、みんなを元気づけて、自信たっぷりに言う。 ピッコロ 声高く、喜んで、「さんせーい、すてきなアイデアよ」、 「わたしもやりたーい」の気持ちで。 もっきん はずんだ声で、気持ちがいきいきして。 バイオリン 明るく、元気をだして、はずんだ声で。 コントラバス バイオリンと同じ。 オーボエ バイオリンと同じ。 フルート バイオリンと同じ。同じ言葉を、同じ音調にしないで言う。 第二場面 ナレーター 第一場面と同じ。 全児童 第一場面と同じ。 チェロ 元気づけて、激励して、命令口調で。厳しく調子で。 ホルン 喜んで。元気よく。 ビオラ 前半(相手に注意して、教えてる、)後半(声高に、うんと 褒めて)「……」は3秒ぐらいの間。 たいこ お願いしている、頼んでいる。明るい調子で言う。 ナレーター 淡々と、報告しているように読む。 トランペット ハープまで四人、大喜びして言う。相手の言葉が終わるか終 わらないかのタイミングで、すばやく自分の言葉を言う。 もっきん 同上 ピッコロ 同上 ハープ 同上 ナレーター ナレーターも、明るく喜びの気持ちになって言う。 全児童 全児童も、明るく喜びの気持ちになって言う。 第三場面 ナレーター 淡々と、冷たく、伝えるだけ・報告しているだけの読み方。 月 うっとりして、感じ入って、「なーんと」とのばす。「音」 の「と」をしりあがりに短く上げる。 ナレーター 淡々と、冷たく、伝えるだけ・報告しているだけの読み方。 全児童 淡々と、冷たく、伝えるだけ・報告しているだけの読み方。 月 感じ入って、うっとりして。感動して。気持ちよさそうに言 う。 ナレーター ほっとした気持ちになって読む。急がないで・ゆっくりゆっ くりと・一音一音の間をあけるようにして・ゆったりと、た っぷりと読みすすむ。 全児童 同上 |
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